ファースト・アルバムを聞いたときには凄いと驚きましたがJef Neveの新作を一寸躊躇していました。前作でホーンなどを使いすぎて小難しい思いが残っていたからです。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20080404
でも凄いピアノを弾くのは解っているので、やはり購入しました。
1曲目はシンセ音で始まり、どこかのお堂にいるようなプロローグです。
2曲目からはトリオ演奏で、構成のしっかりしたピアノフレーズ、ドラムスはちょっとロック調の塩梅でE・S・Tがなくなった今、この感じはがんばって欲しいと思います。
ゆったり聞いていると4曲目は硬質なスタート、このピアニスト音とフレーズに緊張を強いるようなところがあり、この曲もその力で押し切るような感じです。
5曲目はゆったりした感じで始まって、でもこの人らしく、絶対甘いメロディでごまかさない、しっかりとした美しい流れを作っていくのです。新しいベースの人のソロも控えめだけど心和みます。
6曲目はアルコで演奏していると思いましたら、ピッチカートのいい音のベースソロが始まりますから、アルコじゃなくてシンセなのかもしれません。そこにピアノが加わりますから多重録音でつくっているサウンド、これがとてもすんなりと音世界を作っています。
8曲目ただ聴いているとちょっと頭で作りすぎているような、理論展開みたいな図式を感じてしまうのです。
図面で引いたような、計算されたところが少し鼻につくかもしれません。
9曲目はとても美しいバラッド、このようにゆったりしたバラッドを弾きながら、ハードなラインを作るNeveは凄いピアニストだと思います。
でも考え抜いた展開は、聴いていてすこし億劫になるところもあるのです。
自分の演奏のうまさで、こちらの迷いをねじ伏せてしまうのです。
このnevw、ただ情緒だけで聴くのではもったいない。
何をしているか理屈を考えながら聴くと凄いJAZZなのです。
次も普通でないところ楽しみです。
Imaginary Road / Jef Neve
Jef Neve(p)
Teun Verbruggen(ds)
Ruben Samama(b)
1 Vibe 1
2 The Space We Need
3 Sofia
4 Colours and Shades
5 Little piece for Justin
6 She came from the east
7 Atlas
8 For the people
9 Saying goodbye on a small old ugly white piano
10 From the deep
11 Endless DC