JAZZ最中

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青年は荒野をめざす Time / ERIK LINDEBORG

2010-12-17 22:03:25 | 聞いてますCDおすすめ


昨年スェーデンの知らない人のアルバムをカンで拾ったら、これが大正解で、次を楽しみにしていました。

http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20091007

それでも1年もたてば忘れてしまいました。ショップでLINDEBORG名前が少し気になって検索したら自分の記事にいき会いました。
ジャケがなんとも胡散臭いけど、期待して拾いました。
中のライナーにもこんな絵があるし、スウェーデンあたりからロケットが飛んだりしていて、これは怪しい、12曲60分以上で全てLINDEBORGの曲、一つ一つに小文が書いてあって、やはりかなり怪しい感じです。



1曲目重たいモーダルなイントロ、その重たさを4分42秒弾きつづけるのですから、若々しい意思を感じます。
2曲目、こちらも重いリズムからドラムスはロックのリズム、付いた文は「The journy has started.」から始まって、12曲「Time」連なりのようです。
3曲目はチック・コリアの“マトリックス”を思わせる曲調でかなりカッコいい。
4曲目、このトリオのベーシストかなりのパートを担って、しっかりと弾いていて好感です。
5曲目、重厚ガンガンとくるし6曲目ドンドンと太いベースから4ビート、強いドラムスと重なって重量級です。
7曲目“初雪”はスェーデンでも物思いにふけるのか、しんみりとした思索的な曲。
8曲目、出だしから重たい4ビート、昔のマッコイ・タイナーが弾いているような、低音のハーモニーに高速パッセージ、前作でもそうでしたが、きっとフェバリットなのでしょう。
ガンガンと弾きまくった後は静かな始まりのピアノ・ソロ、まじめに変化もつけています。
10曲目はズンズンと響くベースソロからしっかりと11曲目はアバンギャルドな味付けと、ほんとにまじめに良く弾きます。
12曲目はボッサのリズムで静かな曲、こんな感じを入れるのも若者らしい生真面目さ。

こんなジャケットでしたが、聴いていて思い浮かんだのはまるで違うもの、五木寛の古い小説「青年は荒野をめざす」、トランペット片手に青年がヨーロッパを彷徨する物語で、もちろん昔読みました。内容は忘れてしまいましたが、フォーク・クルセーダースが歌った同名の歌は覚えています。

「 ひとりで行くんだ 幸せに背を向けて
  さらば恋人よ 懐かしい歌よ友よ
  今 ウウーウウ 青春の河を越え
  青年は 青年は 荒野をめざす  」  五木寛 作詞

スウェーデン気質の若者は自らのやりたい音楽を、全てをまじめに並べてくれました。

幾つか抜いて欲しい話も全て付き合うと、逆に印象が不確かになる感はありますが、それは若者だからしょうがない。

この新人をお薦めして良いかYou Tubeで確かめてみました。1作目のライブの映像がかなり在ってそれを観て気がつきました。
今度のアルバム、リズム隊が変わっているのです。前作のドラムスはオーソドックスな4ビートでベースもピアノとの間を上手く取り持っていましが、一寸おとなしい。
新作ではリズムを強力にして、うねる様なラインと、それでいてソロパートもきちんと作る、ESTの始まりみたいな感じです。

おどけたジャケットも小文もこれは若者のはにかみみたいで、実は青年は荒野をめざす、今年26才の新人2作目でした。


Time / ERIK LINDEBORG

ERIL LINDEBORG(p)
KRISTIAN LIND(b)
ROBERT MEHMET(ds,per)

1. IN THE LIGHT OF TOMORROW
2. WE KNOW TIME
3. SIX SECONDS UNTIL I SEE YOU AGAIN
4. TRAVELLER
5. SPACE ELEVATOR
6. BIG BANG
7. FIRST SNOW
8. WHITE DWARF
9. TIMELESS
10. TOUR DE FRANCE
11. DOCTOR'S PRESCRIPTION
12. LIGHT YEARS AWAY
コメント
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