温かな日曜日、おけいこに行って帰ってくると、毎年必ず最初にみる桜が家に続く階段の脇でさいていました。
ついに春が来たのです。そんなフレッシュな前にむかってスタート切るようなアルバムを買いました。
トーマス・エンコという若いピアニストのアルバムが出ているのはしっていたけれど、様子を見ていました。それでも評判がいいので、前作日本企画のアルバムを買ってみました。確かに上手い、それももっとうまく、まとめられる演奏をするだろうなとおもって、それを伸びしろを聴くという記事にしたのが1年ちょっと前。
そのエンコの新しいアルバムがEmarcyからでた。ソロなのでどうしようかと思ったけれど、買ってみた。
それにしてもこのフランス生まれの人、祖父が指揮者ジャン=クロード・カサドシュで、クラシックのピアニストの父、オペラのソプラノ歌手カロリーヌ・カサドシュが母という、絶対的な音楽環境で育ち、たぶん素晴らしい音感を持っているだろう想像できます。
で前作でのびしろがもっとあると思ったわけですが、今回のアルバム、そこが解るアルバムとなりました。
クラシックの小品のように始まる1曲目は、その素養を嫌みなく聞かせてくれて、血筋というのも良いものです。
2曲目確かなテクがあるから、楽に弾いて、譜面にある部分とアドリブしている部分の区別がつきません。
3曲目とてもレンジのひろいピアノです。
4曲目、古いストライドのリズムを取り入れて、それにモダンなラインを違和感なくのせていくところ凄い、自作曲をソロでというのも思い入れ強いでしょう。
5曲目、クラシックの広がりを身につけていなければ弾けないと思う曲と演奏です。
と前作での6時間ですべて録音というアルバムの勢いとは逆に2年間で作曲した曲をソロという熟考の後の録音、こちらはその音楽的広がりがつたわるアルバム。
現役ピアニスト100人に検討値するけれど、勢いをいれるだろう次作で決まるのではないかと予想される、なんだか予約済みの人みたいになる感じです。
桜が咲いてスタートを切るみたいな、ちょうどいい時にフレシュで前向きな音楽を聴いている気分です。
6曲目、まさにそのような曲調で、タイトルも “Letting You Go”
FEATHERS / THOMAS ENHCO
Thomas Enhco piano
1. Watching You Sleep
2. Looking For The Moose
3. Je Voulais Te Dire
4. Mischievous
5. The Last Night Of February
6. Letting You Go
7. Sand Creek Song
8. I’m Fine, Thank You
BONUS TRACK
HALFWAY TO JAPAN