ティエリー・メイラードを聴くと、まさにフランスで一番油がのっているピアニストではないかとおもうし、それを反映して結構いろいろなアプローチのアルバムを出すことができています。
今回は、子供のころに両親の車のなかでいつも聴いていた、シャンソンの3人の巨星、ジョルジュ・ブラッサンス、ジャック・ブレル、レオ・フェレの作品をピアノのソロで演奏しています。
3人の書く4曲の間にメイラードが捧げるオリジナルを挟んだ演奏はこれは、フランス人ならばうれしくなる選曲なのでしょうね。
シャンソンはほとんど守備外で6曲目"NE ME QUITTE PAS”だけしか知っているメロディはなかった。
ミラバッシが3人の歌姫の曲を演奏したアルバムを記事にしたけれど、その時はフランス、アメリカ、アルゼンチンのそれぞれの違う言語でピアノを弾いているように書いたし、ピアニストもその人が話す言語でピアノを弾いていることが多いと思う。
このアルバム1曲目より実に上手いピアノと思う。まさに旬と思う。それで、ティエリー・メイラードがフランス語で弾いているかと言うとこれが一寸違う。
この人のピアノ、ピアノの音階を使ったピアノの言葉、フランスの歌をきいているというよりか、シャンソンを素材にしたピアノの歌、シャンソンを楽しむというよりかはピアノのストラクチュアルを楽しむ。
シャンソンの哀愁がないかというとそこは、しっかりしている。間に3人のそれぞれの曲をメロディカでオーバーダブするのだけれどここがフランス語、とにかくうまくアルバムを仕立てているものです。
この人の勢いは続くと思います。
Alone / THIERRY MAILLARD
Thierry Maillard (piano) (melodica on 3,8,13)
1. CHANSON POUR L'AUVERGNAT (BRASSENS)
2. LES COPAINS D'ABORD (BRASSENS)
3. LES AMOUREUX DES BANCS PUBLICS (BRASSENS)
4. LES PASSANTES (BRASSENS)
5. ALONE (MAILLARD)
6. NE ME QUITTE PAS (BREL)
7. QUAND ON N'A QUE L'AMOUR (BREL)
8. AMSTERDAM (BREL)
9. LA VALSE A MILLE TEMPS (BREL)
10. LES TROIS POETES (MAILLARD)
11. JOLIE MOME (FERRE)
12. EST-CE AINSI QUE LES HOMMES VIVENT ? (FERRE)
13. AVEC LE TEMPS (FERRE)
14. LES POETES (FERRE)