ジュリアンとローマンの兄弟のアルバムはACTから4枚出たことになるけれど私は2枚目からのお付き合い、2枚目の「UPGAADED IN GOTHENBURG」に遭った時にはびっくりした。
このプレーが続けばたいしたものだと書いたら、その後は結構落ち着いた素晴らしジャズをきかしてくれて、秋口に哀愁ある感じだったので、2011年の「Gravity」が"この先を曲がると秋”で2013年の「Running」が"秋の芳醇”なんて感じだった。
秋を感じさせる時にアルバムを運んでくれていた兄弟も、今回は春、それも何とも若者らしく「ブルックリンにやってきたぜ!」だ。
時代は違うけれど、ヨーロッパの人たちがアメリカの地をふむというのは一つの感慨があるのだろう。
1曲目タイトで軽快なリズムに、これも軽やかなペット、無理なくアンサンブルを楽しんでいる感じです。
2曲目、エレベのベースがラインを決めて、十分リハがあったのだろう、スインギーな進行はブルックリン効果だと思う。
3曲目、モーダルなハモニーの生ピアノ、ペットとテナーのユニゾンのテーマの後、アコベの4ビートウォーキングでテナーのソロ。映画「LALALANNDO」で演奏されていたスタイル。映画の中でジャズ・ピアニストのライアン・ゴスリングが言うセリフ。「ジャズは死んだ音楽だと言われるけれど、俺はジャズを復活させるんだ」で演奏されていたスタイルです。ブルックリンでジャズは復活しているのかもしれません。
4曲目、マリンバのリズムにテナーの長いソロ、それを引き継ぐペットのラインがとても良い。これがブルックリンでのこのアルバムの収穫、いや逆にこの兄弟がブルックリンに降り立ってジャズを救っているような気もします。
デヴュー時のかわいらしい弟君もしっかりアンチャンになっています。
ここで終盤のシンセ音に注目。
5曲目はフォギーなスローバラッド。こういう演奏もすんなりこなせるのがこの兄弟の魅力です。
メロディアスな曲が、聴きやすさと軽やかさ、演奏のうまさ、上手いアレンジで続いていきます。
8曲目スティングの"Seven Days”後半シンセにしては要素が組み合わさったダイナミックなサウンド、「seabord」ってミスプリかと思った楽器が使われています。
さっきからこじつけている「LALALAMD」には訳があって、主人公が友人のジョン・レジェンドのバンド「メッセンジャーズ」に入って演奏する"START A FIRE”、女性バック・コーラスやダンサーが加わる今売れているバンドになっていて本意じゃないけれど、ここで弾いているのが「seabord」です。
映画の方で最初にみていたから、なんだこの楽器、シリコンで出来ているようなボードの上を上下左右に指を動かして演奏するのが、結構しっかりと撮っていて、だからこれがナウってことでしょう。
映画の最後では自分の店をもって「セブ'ス」、このアルバムのようなジャズを演奏しています。
ブルックリンの降り立った現実の天使たちかもしれません。
landed in Brooklyn / Julian & Roman Wasserfuhr
Julian Wasserfuhr / trumpet & flugelhorn
Roman Wasserfuhr / piano, marimba, seaboard
Donny McCaslin / tenor saxophone
Tim Lefebvre / electric & double bass
Nate Wood / drums
1 Bernie`s Tune ( Julian & Roman Wasserfuhr)
2 Tutto ( Julian & Roman Wasserfuhr)
3 Tinderly ( Julian & Roman Wasserfuhr)
4 Durch den Monsun ( P. Benzner, P. Hoffmann, D. Jost, D. Roth & B. Kaulitz)
5 Carlo ( Julian & Roman Wasserfuhr)
6 S.N.C.F. ( Julian & Roman Wasserfuhr)
7 Ella ( Julian & Roman Wasserfuhr)
8 Seven Days ( Sting)
9 First Rays Of Dawn ( Julian & Roman Wasserfuhr)
本作に関して,TBして頂いたとのコメントを頂戴しましたが,届いていないようですので,確認,リトライをお願いします。
このアルバムを聞いても,この兄弟の音楽性の高さは不変で,コンテンポラリーな中にもきっちりジャズを感じさせる部分もありますね。アメリカのミュージシャンと組んでも,ちゃんと個性を打ち出せるのは大したものと思います。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
ミスったみたいですね。もう一度行きます。
兄弟がフォローし合ってとても良いグループになっていますね。これは続きそうですね。