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私の喜び THE GOOD LIFE / George Robert & Kenny Barron  

2014-10-30 22:03:59 | 聞いてますCDおすすめ


ケニー・バロンがD・ホランドとデュオしたアルバムは大概のJAZZファンならば注目するだろうし、ある意味聴いておかないとと思う。
デュオの名手みたいに言われるバロンだけれど、相手選びが実に上手いのが真相だと思う。ホランドほどネーム・ヴァリューもないけれど、10年前に作ったデュオアルバム「PEACE」が忘れられないアルトのジョルジュ・ロベールとの新しいデュオ・アルバムが出ている。
実はこちらの方が飛びつき度は高かった。

「PEACE」でロベールを知った様なものだったけれど、とても気に入ったからおなじくDWIからのアルバム「SOUL SEARCHING」を買っていた。



メロディをしっかりと、そして良い音色で歌っていくから、ギターのフランシス・コレッタという人とのデュオでボッサを多く吹いている「ESTATE」も地味だけれど実に良いアルバムだった。



そういえばしばらく忘れていたらばったり再会したようでこうゆうのが飛びつきなんですね。
ライナー冒頭にに師匠のフィル・ウッズが書いているように、「彼が戻ってきた!」そうだ。
「深刻な病との長い困難な戦いを経て、私の信愛なる友にして偉大なるアルト奏者ジョルジュ・ロベールが、意思の力と非凡な才能を真にすぐれた音楽の形で聴かせてくれる。」

ギターとのデュオ・アルバムが2010年録音で、病など感じさせないから、その後具合が悪くなったのでしょうか。どんな病かもわかりませんが、そのことをかんがえるとこのアルバムのデュオもひとしおです。

家族づきあいのバロンとの共演はこれが6作目になるのだから、バロンの心入れもひとしおなのでしょう。

素敵な音でメロディを丁寧に吹いていくロベールが戻ってきてくれた良かったという始まりです。
そして2曲目“HYMN TO LIFE”、ロベールのオリジナル・メロディが流れ出すと、これが人生への賛歌だと感じるのです。
アルバムを聴き終わってライナーをみると、ロベール自身が書いていました。
『「ヒム・トゥ・ライフ」は人生賛歌であり、2013年の命にかかわる病気との長い戦いを終えて、人生をエンジョイできることへの喜びの歌だ。』
聴く方に、そのことがありありと伝わってくることに感動を覚えます。そう感じてくると、一つ一つの曲案内は不要のようです。
3曲目、演奏する幸福、歌うことの喜びがにじみでています。
喜びを共有するように聴きすすんでいくことがこのアルバムの聴き方でしょう。

そして最後の曲が“GOODBYE”これもライナーによれば
「私の両親ジョアンとマルセル、兄のアンリ、義兄のパウルに捧げる曲。みんな逝ってしまったが、私たちの心の中に永遠に生き続けている。」
と書いているけれど、それは別れを表現しただけではないと感じます。
死の瀬戸際まで体験し、やがて自分もそちらにいくということを実感しているからこその、一時的な別れのような、安らいだ気持ちがつづられているように思います。

軽やかで、安らかで、よろこびがあってと、書いているうちに整理がついてとても良いアルバムだと思います。

THE GOOD LIFE / George Robert & Kenny Barron  

George Robert (as) 
Kenny Barron (p)
2014年5月19~20日録音(スイス The Ernest Ansermet Studioにて)

1. THE GOOD LIFE (Sacha Distel)
2. HYMN TO LIFE (George Robert)
3. SPRING CAN REALLY HANG YOU UP THE MOST (Thomas Wolf - Frances Landesman)
4. FLORENCE (George Robert)
5. JAPANESE GARDEN (George Robert)
6. A TIME FOR LOVE (Johnny Mandel - Paul Francis Webster)
7. BILLY STRAYHORN (George Robert)
8. PULLY PORT (George Robert)
9. LUSH LIFE (Billy Strayhorn)
10. GOODBYE (George Robert)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしいアルバムですね (バード)
2014-11-15 09:23:17
初めてコメントします。楽しく拝見しております。

私もGeorge Robertのアルトは大好きでして、今回も飛びつくように買いました。聴いてみたら、期待に違わぬ内容で、大満足でした。円熟という言葉が似合うと思います。
返信する
同感 (monaka)
2014-11-15 18:24:30
バードさん、良くいらっしゃいました、monakaです。
素晴らしいアルバムですね。
演奏だけでなく、生きていることの喜びがひしひしと伝わりますね。
これからもよろしくお願いします。
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