昨年スェーデンの知らない人のアルバムをカンで拾ったら、これが大正解で、次を楽しみにしていました。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20091007
それでも1年もたてば忘れてしまいました。ショップでLINDEBORG名前が少し気になって検索したら自分の記事にいき会いました。
ジャケがなんとも胡散臭いけど、期待して拾いました。
中のライナーにもこんな絵があるし、スウェーデンあたりからロケットが飛んだりしていて、これは怪しい、12曲60分以上で全てLINDEBORGの曲、一つ一つに小文が書いてあって、やはりかなり怪しい感じです。
1曲目重たいモーダルなイントロ、その重たさを4分42秒弾きつづけるのですから、若々しい意思を感じます。
2曲目、こちらも重いリズムからドラムスはロックのリズム、付いた文は「The journy has started.」から始まって、12曲「Time」連なりのようです。
3曲目はチック・コリアの“マトリックス”を思わせる曲調でかなりカッコいい。
4曲目、このトリオのベーシストかなりのパートを担って、しっかりと弾いていて好感です。
5曲目、重厚ガンガンとくるし6曲目ドンドンと太いベースから4ビート、強いドラムスと重なって重量級です。
7曲目“初雪”はスェーデンでも物思いにふけるのか、しんみりとした思索的な曲。
8曲目、出だしから重たい4ビート、昔のマッコイ・タイナーが弾いているような、低音のハーモニーに高速パッセージ、前作でもそうでしたが、きっとフェバリットなのでしょう。
ガンガンと弾きまくった後は静かな始まりのピアノ・ソロ、まじめに変化もつけています。
10曲目はズンズンと響くベースソロからしっかりと11曲目はアバンギャルドな味付けと、ほんとにまじめに良く弾きます。
12曲目はボッサのリズムで静かな曲、こんな感じを入れるのも若者らしい生真面目さ。
こんなジャケットでしたが、聴いていて思い浮かんだのはまるで違うもの、五木寛の古い小説「青年は荒野をめざす」、トランペット片手に青年がヨーロッパを彷徨する物語で、もちろん昔読みました。内容は忘れてしまいましたが、フォーク・クルセーダースが歌った同名の歌は覚えています。
「 ひとりで行くんだ 幸せに背を向けて
さらば恋人よ 懐かしい歌よ友よ
今 ウウーウウ 青春の河を越え
青年は 青年は 荒野をめざす 」 五木寛 作詞
スウェーデン気質の若者は自らのやりたい音楽を、全てをまじめに並べてくれました。
幾つか抜いて欲しい話も全て付き合うと、逆に印象が不確かになる感はありますが、それは若者だからしょうがない。
この新人をお薦めして良いかYou Tubeで確かめてみました。1作目のライブの映像がかなり在ってそれを観て気がつきました。
今度のアルバム、リズム隊が変わっているのです。前作のドラムスはオーソドックスな4ビートでベースもピアノとの間を上手く取り持っていましが、一寸おとなしい。
新作ではリズムを強力にして、うねる様なラインと、それでいてソロパートもきちんと作る、ESTの始まりみたいな感じです。
おどけたジャケットも小文もこれは若者のはにかみみたいで、実は青年は荒野をめざす、今年26才の新人2作目でした。
Time / ERIK LINDEBORG
ERIL LINDEBORG(p)
KRISTIAN LIND(b)
ROBERT MEHMET(ds,per)
1. IN THE LIGHT OF TOMORROW
2. WE KNOW TIME
3. SIX SECONDS UNTIL I SEE YOU AGAIN
4. TRAVELLER
5. SPACE ELEVATOR
6. BIG BANG
7. FIRST SNOW
8. WHITE DWARF
9. TIMELESS
10. TOUR DE FRANCE
11. DOCTOR'S PRESCRIPTION
12. LIGHT YEARS AWAY