二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

写真を変えよう

2012年02月26日 | Blog & Photo
わたしに限ったことではないだろうが、「自分の写真」といえるようなものは、たえず更新され、微妙に変化していく。むろん劇的に変化する場合もある。たとえば、わたしが昆虫写真から、元の街撮りに復帰したように。世界へ向けられる眼と、写真は、そのままイコールではないにせよ、とても密接にむすびついている。だから、「変えよう」と意識的になっても、無意識がそれに抵抗し、また元のもくあみになってしまうことだってある。わたしのケースでいうと、カメラへの物欲というのがあって、それが定期的に襲ってくる。しかし、考えてみると「カメラが欲しい」という欲望は、写真が変わるかもしれない・・・ちょっと変えてみたい・・・変わるだろう・・・という予感と不可分なところがある。 あのカメラではあれを撮った。あのカメラでは・・・と、連想はどんどん拡がる、ひろがる(笑)。 . . . 本文を読む
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写真集を振り返る Part3

2012年02月26日 | Blog & Photo
写真は上左から右へウィリアム・クライン(WILLIAM KLEIN)「ニューヨーク(NEWYORK)」、北島敬三「NewYork」、ロバート・フランク「MOVING OUT」、アジェ「THE WORK OF ATGET」、森山大道「光と影」の順。 1)ウィリアム・クライン(WILLIAM KLEIN)「ニューヨーク(NEWYORK)」アメリカ直輸入版 価格不明。 クラインの「ニューヨーク」は、写真史の解説には必ず登場する。その後の写真の潮流を大きく変えてしまった偉大なる写真集である。いつかは手に入れたいとずっと考えていたが、1994年、そのリメイク版を見かけたので、高価だったが、ムリをして買ってきた。この写真集がなければ、世界の写真シーンは、ずいぶんと違ったものになったろう。 “VIVO”の奈良原一高さん、東松照明さん、細江英公さんなど、皆クラインのふところから出てきたといってもいいだろう。森山大道さん、中平卓馬さんら「プロヴォーク」につどった写真家も、ウィリアム・クライン、ロバート・フランクの衝撃をうけて、写真家としての仕事をはじめている。「LIFE」流のドキュメンタリー写真ではない。第二次大戦後の、狂乱と熱気が坩堝のようにうずまく、“現代の”世界都市が、クラインによってとらえられた。28mmレンズを使ったノーファインダーによるキャンディッド・フォトの精華。クラインは、カルチェ=ブレッソンが発明した手法をさらに徹底しておしすすめ、写真の新たなる地平線をきり開いたのである。英文による解説、クラインの年譜付。 . . . 本文を読む
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