いつもわたしMikenekoのへたくそな詩でお目汚ししているので、今日は吉野弘さんの作品を2編、ご紹介し、お口直ししていただこう。というのも、「虹の足」(詩集「北入曾」所収)を読んで、ひどく感動したから。こんな作品。雨があがって 雲間から 乾麺(かんめん)みたいに真直な
陽射しがたくさん地上に刺さり 行手に榛名山が見えたころ 山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。 眼下にひろがる 田圃(たんぼ)の上に 虹がそっと足を下ろしたのを!
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ファインダーの向こうでかすかに傾いた地平線が乱れ雲とそのあいだから射し込む鮮やかな夕焼けをささえている。それはほんのいっときのこと。だけどぼくはその光景に心をかき乱される。
なんてことだろう?ほんとうは水平線が見たいと思いながら海までの距離を計算する。ついさっき「二人目の孫が生まれたんだってねおめでとう! どっちだい男・・・女?」そんな電話を旧友と交わしたばかり。
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