二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

パーソナルなまなざしとは何だろう

2011年09月21日 | Blog & Photo

わたしはお友達(マイミク)のdenimroadさんのアルバムの大ファンである。新作、あるいは新アルバムがアップされると、気がついたときすぐに見にいって、コテンコテンに愉しませていただいている。被写体は猫や日常風景のスナップ、人物スナップ、ブツ撮りなど。
かつて地元の出版社から「DENIMのように生きてみたい」という写真&ファッションの本を出していらっしゃるし、プライベート・ジーンズまで発売しているというから、こちらが本業なのかな? ファッション音痴の三毛ネコとは大違いで、denimさんの写真の味をどこまで語れるのか、まったくのところ、自信がないまま、この日記を書きはじめている。
プロフィール欄を拝見していると、じつにたくさんの情報サイト、写真サイトを運営なさっていて、そのパワフルな活動ぶりに圧倒される(^^;)

http://www.geocities.jp/denimroad/jyonikaete.html
http://www.geocities.jp/denimroad/scene3.html

いつかも、写真はファッションから入ったと書かれていたから、そういった観点からのアプローチが、随所にばらまかれていて、わたしのにごった目玉を洗ってくれる。古着のおもしろさを、いずれdenimさんから、少し学んでみたいとおもっているくらいであ~る。
カメラはRICOH CX2、オリンパスのデジタル一眼、ハーフサイズのレトロなフィルムカメラ、iPhon写真も撮っているので、これがdenimさんの写真だと、単純化して論じるのはむずかしい。

そこで、ハーフサイズのフィルムカメラで撮影されたもの限定でなにか語れないかと考えていた。所有カメラの一覧やアルバムを眺めているとわかるように、なにしろ、ほとんど蒐集家といってもいいくらいのカメラ・マニア(^_^)/~ フィルムで撮影し、カメラ店でスキャンしてもらって、CDに記録するという方法をとっていらっしゃるとのことである。

「denimさんのまなざしを浴びると、これらの写真が、なぜこうも不思議ななつかしい光景に見えるんだろう?」
わたしはそこに、ふんだんにパーソナルな臭いが立ちこめているのを感じる。
ここにあるのは、詩人のまなざしであるとおもったり、デザイナーのセンスだとおもったり・・・見るたび、こころの奥底に眠っている、名状しがたい感情をゆさぶられる。いいなあ。この味わいはどう表現したらいいんだろう? ふとユーミンの歌が聞こえてきたりする。

写真はことばによるアートではないから、ことばによる定義をすり抜けた彼方に成立している。鉄道写真だとか、ネイチャーだとか、スナップだとか、風景写真だとかという単純なカテゴリー分けが通用しないフォトグラファーは決して珍しくはないが、denimさんのケースもそれが該当する。
しかし、正直なところ、iPhoneのカメラアプリで撮影したものの中には、その「味」がディープに出すぎて、わかりにくく、わたしにはイラストのように見えるものがある。
とはいえ、おおよそはわたし的に見て、写真として絶妙なバランス感覚をもっていて、「うまいなあ」と感じながら、その独特な「味つけ」を愉しむことができる。

こういうふうに、本来の意味で「個性」の刻印をもったフォトグラファーは、プロ、アマを問わず、それほど多くはない。撮影地はお住まいのある青森だろう。古いものが、古いまま、ゆっくりと時間の中を旅し、風土へとかえっていくのが見えるのである。
ハーフサイズはレンズ交換ができない機種が大部分。
したがって、レンズはズームではなく、35~50mm(35mm換算)あたりの単焦点となる。はじめは「この人はかなりのベテランかな?」と思ってお訊きしたら、写歴は2~3年だとのこと。これはほとんど「奇蹟」に近い。当然のことながら、すぐれたパーソナリティーの持ち主には、だれもがなれるわけではないのだから。

引用のご承諾をいただいたので、さらに3枚をアップしよう。











黒いフレームが片側に入っているのは、ハーフサイズのフィルムからのスキャンであるあかしなのである。

どうだろう。このあたりの画角のあつかいは、じつにすばらしく、チャーミングといわざるを得ないレベルに達しているとおもうのだけれど(~o~)
写真には、人柄もあらわれるんだろうか?
まずは「被写体の発見」がある(^_^)v
それは有名な撮影地ではなく、まさにdenimさんにとって、パーソナルな空間であり、景物である。風景、風光、風物という日本語を思いおこす。ここには風土と分かちがたくむすびついた人びとの暮らしのにおいが、濃厚にたちこめている。わたしはしばしば、そこに「ときめき」を覚える(笑)。 いや、冗談ではなく。
「青森って、なんてステキなんだろう」などと。

そこはかとなくただようポエジーと、やさしさと、上品なフレーバー感覚と・・・この味わいの源はどこからくるんだろう。フィルムのもっている、なめらかな質感表現についてはいまさらいうまでもない。レンズがいまのそれのように、カリカリとした高コントラスト、高解像ではなく、香りやかでレトロな空気感(残存収差)がある。そういった要素を、denimさんは、ふんわりとすくい取っていて、希望(ポップ)と絶望(シック)のまざり方が絶妙で、見る者をとりこにする。
お見事である・・・とおもう。
レトロなハーフサイズのカメラで写真を撮ったら、だれにもこんな写真が撮れると勘違いしないでほしい。
denimroadブレンドとでも名づけたいような、その独自の‘light & flavor’な味わいをひめた存在感は、ここに引用させていただいた4枚で十分理解していただけるものと考えるが、いかがなものだろう?



※引用は「タテ位置」で統一させていただきました。

※わたし三毛ネコの写真への「イイネ!」マークがまもなく6000件となります。いつもご覧いただき、ありがとうございますm(_ _)m
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ぼくというゴミがある(ポエ... | トップ | ついに登場ニコンのミラーレ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Blog & Photo」カテゴリの最新記事