過去の、あるいは現役の有名作家は別として、わたしが写真を撮っていくうえで、師匠とお呼びしている方が三人いる。
「はぐれ雲」のメンバーだったAさん、Hさん。
それから、この方「かぜくさ」さん。
私の回り道
http://nono22.sakura.ne.jp/
2003年5月21日開設とあるけれど、記憶をたどってみると、その掲示板へ遊びにいくようになったのは、2005年の後期ころ・・・ではなかったろうか(?_?)
わたしのホームページ「メディアプラネット」が、まだ動いていて、mixiには参加していなかった。たいへんにぎわっていた掲示板は、その後廃止。
偶然ご本人と西上州でお遇いできたとき「掲示板はそろそろやめようと思うの。体力的にも、物理的にも、これ以上は運営できそうにないから」とおっしゃっていた。
出会いのいきさつは、過去の日記に書いたことがあるから、省略しよう。
「私の回り道」は、ナチュラリスト(そう単純にはいいきれないが・・・)かぜくささんの精髄がいかんなく展開された、ちょっと比較するものがないウェブサイトに仕上がっていて、わたしは現在でも、ときおり閲覧のため、お邪魔している。
そこに「枯れ姿」というコーナーがある。
これである。
http://nono22.sakura.ne.jp/karesugata/karesugataindex.htm
本日のお題は、ここからいただいた。
「冬の野道で光っている・・・これは何の花のあと?」
「ようやくわかった・・アキノキリンソウ!」
「綿毛の種を飛ばしたあとが光ってる」
「丈高いこれは・・・」
「アキノノゲシ」
こういったことば、一語一語に胸をときめかせて見入ったあの日のこと。
かぜくささんによって、わたしはキバネツノトンボを撮影することができ、タマムシの棲息地を発見することができたのである。
さて、かぜくささんの「枯れ姿」にあやかりながら、わたしの枯れ姿をさがして、たどりついたのが、トップの一枚。
こんな風情に、自然界の「わびさび」が、極まっている。
晩秋の空気につつまれた、赤城山麓。
仕事のあいまをぬうようにして、数日間、マクロレンズをたずさえて散策してみた。
時間さえあれば、いろいろな枯れ姿に出会える。
これはアジサイの一種。
すっかり枯れ色となった花弁と、まだその色香をたもっている花弁。
左が短気で怒りっぽい夫に、右がおっとりした妻に見えてくる。
「あんた、そうカッカしても仕方ないでしょう」
こちらは、古い絵図にでも出てきそうな、不気味な妖怪の顔がある。
まあ、一種のロールシャッハテストなので、「なにに見えるか」というところに、見る者の心理のアヤがある。
そしてこれ。
風にのってやってきた、タンポポの綿毛とたわむれている枯れ姿。
さらに、久々にシャープに写し止めることができた、ヤマトシジミ。
気温が高めの日には、まだ、日溜りで活動している。
どこにでもいる、目立たない、地味な普通種。
ここにわたしはわたしの自画像のようなものを仮託している・・・というと、キザに聞こえるだろうか?
かぜくささんのはるか後ろを、わたしはわたしなりに、ついていく。