さっき吾妻郡を撮影したアルバムを見返しながら、いろいろなことを感じたり、考えたりした。
ほんの短い旅にもかかわらず、こちらのまなざしがある成熟(・・・年齢相応の)に達しているためか、シャッターを押した光景との情交は、単に「過ぎ去りし時」との情交というにとどまらないように思えてきた。
川原湯を中心とするあたりは、八ッ場ダムが完成すれば、人造湖の底に沈んでしまう。人家や温泉のかなりの部分が、すでに高台へ移転して、新しい街並みができつつある。
つまり、ここいらは新旧交代が、急ピッチですすんでいる地域ということになる。
国道145号線でも、道路の拡幅工事が着々とすすんでいる。
そのために、わたしが撮りたかった家並みが取り壊されたり、移転をおえ、すでに姿を消してしまったのだ(=_=)
調べた上でいうのではないから、まちがっているかも知れないが、ここが堰堤となるのだろう。目の前にある坂路をクルマで下りていくと、川原湯の旧温泉街(といえるほどの規模ではないが)。
ひとつの夏がはじまり、もうひとつの夏へと時は移ろい、いつか「最後の夏」がやってくる。ささやかなフォトがそれを記録していく。
人びとは豊かさを手に入れようとして、もうひとつの豊かさを失っていく。
孤独になって・・・ひとりになって、年老いて、それから失ったものを思い出す。
それはむろん、いまにはじまったことではないだろうけど、昔は具体的に記録する手段がなかった。ある時代を特徴づけた風韻が、風景とそこに暮らす人びとの心から消えていく。
ある日、カメラをぶらさげた男がふらりとやってきて、往時をなつかしむように、キョロキョロなにかを探している。どこかに痕跡くらいは残っているのではないか、と?
しかし、往来は静まりかえっている。今年はどうしたわけか、セミの声も例年に較べてずっと少ない。
高崎まで帰ってきて、よく立ち寄るBOOK OFFの前を通ったら、少年がバイクにまたがって、なにかをのぞき込んでいた。
新作のゲームをしているのか、それとも見えない相手にメールを打っているのか。
「あーあ、なんて孤独な光景だろう!」
わたしは不意に胸を衝かれた。
感傷的になっていやしないか・・・とすぐに自分に反問する。
カメラもレンズもキカイだが、目撃者には感情がある。ときにはセンチメンタルにだってなるさ(~o~)
「さよなら、さよなら」
わたしはこの日見て、撮影できた風景に挨拶を送る。
http://www.youtube.com/watch?v=eu6RlZGFxWE
来生たかおの「夢の途中」という歌をご存じの方はいるかしら?
さよならは別れの言葉じゃなくて
再び逢うまでの遠い約束
現在(いま)を嘆いても
胸を 痛めても
ほんの夢の途中
これは中年だったころ、わたしの大事な持ち歌だった、カラオケの(笑)。
そうか「再び逢うまでの遠い約束」なんだね。
わたしはそれを果たそうとしているのかも知れない。
ほんの短い旅にもかかわらず、こちらのまなざしがある成熟(・・・年齢相応の)に達しているためか、シャッターを押した光景との情交は、単に「過ぎ去りし時」との情交というにとどまらないように思えてきた。
川原湯を中心とするあたりは、八ッ場ダムが完成すれば、人造湖の底に沈んでしまう。人家や温泉のかなりの部分が、すでに高台へ移転して、新しい街並みができつつある。
つまり、ここいらは新旧交代が、急ピッチですすんでいる地域ということになる。
国道145号線でも、道路の拡幅工事が着々とすすんでいる。
そのために、わたしが撮りたかった家並みが取り壊されたり、移転をおえ、すでに姿を消してしまったのだ(=_=)
調べた上でいうのではないから、まちがっているかも知れないが、ここが堰堤となるのだろう。目の前にある坂路をクルマで下りていくと、川原湯の旧温泉街(といえるほどの規模ではないが)。
ひとつの夏がはじまり、もうひとつの夏へと時は移ろい、いつか「最後の夏」がやってくる。ささやかなフォトがそれを記録していく。
人びとは豊かさを手に入れようとして、もうひとつの豊かさを失っていく。
孤独になって・・・ひとりになって、年老いて、それから失ったものを思い出す。
それはむろん、いまにはじまったことではないだろうけど、昔は具体的に記録する手段がなかった。ある時代を特徴づけた風韻が、風景とそこに暮らす人びとの心から消えていく。
ある日、カメラをぶらさげた男がふらりとやってきて、往時をなつかしむように、キョロキョロなにかを探している。どこかに痕跡くらいは残っているのではないか、と?
しかし、往来は静まりかえっている。今年はどうしたわけか、セミの声も例年に較べてずっと少ない。
高崎まで帰ってきて、よく立ち寄るBOOK OFFの前を通ったら、少年がバイクにまたがって、なにかをのぞき込んでいた。
新作のゲームをしているのか、それとも見えない相手にメールを打っているのか。
「あーあ、なんて孤独な光景だろう!」
わたしは不意に胸を衝かれた。
感傷的になっていやしないか・・・とすぐに自分に反問する。
カメラもレンズもキカイだが、目撃者には感情がある。ときにはセンチメンタルにだってなるさ(~o~)
「さよなら、さよなら」
わたしはこの日見て、撮影できた風景に挨拶を送る。
http://www.youtube.com/watch?v=eu6RlZGFxWE
来生たかおの「夢の途中」という歌をご存じの方はいるかしら?
さよならは別れの言葉じゃなくて
再び逢うまでの遠い約束
現在(いま)を嘆いても
胸を 痛めても
ほんの夢の途中
これは中年だったころ、わたしの大事な持ち歌だった、カラオケの(笑)。
そうか「再び逢うまでの遠い約束」なんだね。
わたしはそれを果たそうとしているのかも知れない。