二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

偽ライカ/ファースト・インプレ ニッカ3-S&ニッコール5cmF2

2017年05月19日 | Blog & Photo
(12,000円という値段につられて買ってしまったニッカ)


ネガカラーをもう一本撮影してからインプレッションを書こうと思っていた。
しか~し、「つぎの一本」を撮り了えるのに、かなり時間がかかりそうなので、ここいらで書いておこう。

ニッカとレオタックスは、バルナックライカのコピー機としては、Aクラスに入る機種である。そういう記事を、カメラ情報誌等で過去にさんざっぱら読まされてきた。旧ソ連製や中国製と比較し、工作精度が高い。
ライカM3は使っていたことがあるけど、バルナック型には手を出したことがない。

結論をさきにいえば、単体の外付けビューファインダーでもつけない限り、撮影の第一線に投入するにはムリがあるというのがわたしの判断。
ピント合わせ、視野の確認は、初心者にはとてもやりにくく、相当な熟練を必要とする。
もちろんバルナックやこのニッカをいまでもお使いになっていらっしゃる方がいる。またバルナックライカの専門店というのは、世界中にいくつもあるだろう。

買ったその日から「だれにでも」(このだれにでもというのは大変なことだ)失敗のない写真が撮れる昨今のデジタル機器とは、別世界の住人である。
まず失敗からスタートするのだから。

製造後65年。
IT製品では考えられない、息の長いメカニカルカメラであると思う*゚д゚*
ほぼオール金属のため、大きさのわりにずっしり重い。金属部品類の工作の精度はすばらしいものがあり、それが物欲を刺激してやまない。
バルナック型はM型よりさらに小さく、手の中にすっぽり隠れてしまう。これで35ミリのフルサイズかと考えると、ニコンF3やキヤノンF-1がいかに肥大したカメラかわかろうというもの(ノ_・。)

フィルム装填に難があることは、だれもがいう。わたしも大汗をかいた。
1/25以下はシャッターダイアルが、ボディ前面についている。はじめ作動しなかったが、空シャッターを切っているうち、作動するようになった。絞りバネにグリースのしみが見られたけど、それほど問題のないレベル。

レンズはニッコール5cmF2の前期型シルバー鏡胴。このレンズが付属していなければ、買わなかったことは確か(^^♪
しばらくいじっているうち気がついたが、前玉、後玉とも、かなりの拭き傷があり、逆光の場合、盛大なハレーションが発生する。


コントラストが高いものはわりと正確に結像する。


逆光で撮ってみた。
フードがないのみならず、レンズ表面の拭き傷が影響している。傷は前玉、後玉両方にある。
前所有者が、せっせとクリーニングしたのだろう。



距離計連動範囲は1mまで。
しかし、レンズはいったん止まったあとさらに回るので、目測で50cmあたりに合わせたが、大ハズレだった(笑)。
距離指標のフィート表示に慣れないせいもあるが・・・。


最短1m付近でレンズのディストレーションを調べたが、よくわからなかった。わずかな樽型歪曲収差があるかもしれない。

・・・ということで、ニッカ3-Sはほぼ趣味のコレクションとあいなった´Д゜
わたしと同年にこの世に製造され、長いながい時間のトンネルを潜り抜けてきたニッカ3-S。
こういうコレクションをしているわけではないけど、研いたり、空シャッターを切ったり、被写体として愛でてみたりと・・・そんなふうにつきあっていくことになるだろう。





※露出はすべてキヤノン5Dで計測。
また絞りは開放~F5.6の範囲で撮影した。
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