悲観論（ポエムNO.3-22）

夏野菜を頬張りながらぼくはバルコニーに立って
遠くを眺めるふりをしながらボンヤリ考えている。
この地球について。
この地球が犯した過ちについて。

この地球の過ち
それは人類を生み出しちまった　ってことさ。
生み出された者たちは
それぞれの権利を主張する。

義務を果たそうとする前に。
そこいら中ガヤガヤとうるさいのは
権利を主張し　だれかに
何か注文をつけているからさ。

巨大カルデラ噴火か
直径10kmほどの隕石が衝突すれば
ゴミたちのざわめきも終息するときがくる。
悲観論といわれるだろうが

楽観論を述べるほど　もう若くない。
テレビもラジオもしゃべらずにはいられない。
プツン　とスイッチを切らないと
意味があることないこと　永遠にしゃべりつづけるだろう。

人間どもはこの地上で最大の　厄介極まりないゴミ。
そうだったんだね。
気が付かなくてごめん　という人は滅多にいないけど
そろそろだれかがいうさ。

神様がいたとしたら　スイッチをOFFにする時期がきているんだ。
原爆やパンデミックや戦争ではもう間に合わない。
プツン　とスイッチを切らないと　永遠にしゃべりつづける
きみもぼくも。

ついさっき畑のキュウリをガリガリ噛んだら歯が一本欠けた。
そういうなさけない老いのとっぱずれにたたずんでいる。
そうか　そんなこと心配しなくてもいいんだ。
ぼくという存在のスイッチが

もうすぐOFFになるのは決まっているのだから。
そうしたら地球の外へ出てこの地球を
自由気儘に眺めていられる。
きみもいっしょにくるかい　そのとき。