二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

時間のよどみ

2010年11月06日 | Blog & Photo
読書モードに切換えようとあがいているのに、
なかなかそうなってくれない。
昨夜も、家に平積みしたいろいろな本をとっかえひっかえしてみたけれど、
「よしよし、これを読んでやろう」
という本に出会わなかった。デジカメを買ったせいなのだろう。

気持ちは画像=写真へと向かっていて、
印刷物の世界に長時間ひたっていることができない。
要するに「気分転換」がへたなのだなあ(^^;)
コントロールがきかず、実生活で困った・・・ということも記憶にある。
自分のこころなのに、理性がそれに引きずり回されている、というのか。
落ち込んだときも、元にもどるのに時間がかかる。
・・・この表現も、ちょっとおかしいけどね。

さてさて――。
最近の街撮り写真のなかから、看板・標識をいくつかピックアップし、じっくり眺めてみた。
わたしは新しいぴかぴかの看板・標識より、古さびたもののほうが好きで、
よく撮影している。
琺瑯看板は愛好者が多く、専用のおもしろいサイトがある。



どうだろう、このコンクリートの質感と、看板の赤。
左の黄色みは、苔かカビの一種。銅版画のような味わいがあるように感じる。



つぎはコレ。
現像、焼付、引伸、そして、富士フィルムがいいなあ。
ロゴの古めかしさ。こういうところに、いってみれば「時間のよどみ」を見て、
いろいろなことを思い出すよすがにしている。



こちらはすっかりサビに食われてしまった「交通安全」。
この標識自体が、忘れさられた存在なのだ。
赤瀬川原平などが提唱した「トマソン」もときどき見かける。
しかし、トマソンはもう開拓されつくしてしまったようだ。



こっちはとっくに店じまいした酒屋さんの看板。
なんと・・・トリスのおじさんじゃないか!
団塊世代なら飲兵衛もそうでない人も、知らない人はいないくらいの、なつかしのキャラ。


断片はそれ自体では、文字通りなにかであったものの「かけら」でしかない。
ところが、ジグソー・パズルのように、その断片をたくさん集めてくると、
時代とか世相とかの図柄が浮かび上がってくる。
街撮りは「過去」と「現在」を往来する、小さな旅である。
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