二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

斜光線の町・伊勢崎を歩く

2010年11月04日 | Blog & Photo
街撮りの第6弾。

秋になると、街のおもむきがあらたまる。
空気が澄んで遠景がよく見えるし、斜光線が、もののテクスチャーを際立たせるからだろう。歩いてみると実感するけれど、旧市街からは、年々人が消えていく。
郊外に出現した巨大ショッピング・モールには、あんなにたくさんの人びとが群れつどっているのに・・・。

紅葉や観光地はマイミクの皆さんにおまかせして、わたしは今日は(すでに日付がかわっているけれど)ぶらりと近隣の町、伊勢崎を歩いてきた。
ここには、わたしのいわば「第二」の青春がうもれている。
高度成長期の末期、十数年を、住宅の営業マンとして、ばりばり仕事をしたのが、この伊勢崎市だったからだ。

祝日だというのに、驚くほど閑散としている。

以前勤務したことのある会社が倒産し、歩いていても頻々と携帯の着メロが鳴る。
出たり、でなかったり・・・。
そのころの知り合いがずいぶんいるからだ。
コップのなかのあらし。
しかし、小さいとはいえ、相当な修羅場が展開しているはずだ。

わたしの胸のうちにも、大きな石や、小さな石が、ごろんごろんと、ころがってくる。
こういう感情を味わうのは、はじめてではないが、ずいぶん久しぶりのことである。





いいお天気。
高速道路は、終日渋滞情報が出っぱなしだった。

なぜ人は、人がいるところにいきたがるのだろう?



煙突を見かけると、近寄っていく。
なぜか、不可解な引力がある。

しかし、猫の子一匹いない。
郵便配達のバイク、宅配のトラックが止まっているところをみると、
家のなかには、高齢者がいたりするのだろう。



このあたりには、大昔、祖父と歩いたおもかげが、
かすかに残っている。
あのころの人びとは、皆、立ち去ってしまった。
ガランとした斜光線の町。

遠くから、救急車のサイレンが聞こえてきた。
すれ違った通行人は、耳慣れない外国語を話していた。

アラブ人、ベトナム人、韓国・朝鮮人・・・そして日系ブラジル人など、
伊勢崎は外国人の在住者がしめる割合が、非常に高い。
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