二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

夕焼け小焼け

2011年10月05日 | Blog & Photo


お世話になっている大家さんの事務所から会社へ帰ろうとしてカインズホームの駐車場を通過したとき、美しい夕焼けを見かけたので、クルマを止めた。
町中でもよく見かけて、夕景・夜景は「夜への階段」シリーズにまとめている。
広いひろ~い駐車場で、駐車している車両はまばらだった。
カメラはCX4、レタッチで少し彩度をあげてある。そうおあつらえ向きには、トンボは飛んでいなかった。
「いい写真が撮れました?」
わたしが5、6カット撮影しているあいだ、犬をつれた妙齢の女性が後ろから声をかけてくれた。
「ええ、ご覧になりますか」
「あら。じっさいよりキレイに写ってるわ。腕がいいのね」
なんだかちょっとからかわれた気分(=_=) アッハハハ。


念のため、タテ位置もアップしておこう。
これはなに雲っていうんだろう? すじ雲かな。
鉄塔が、この広々とした風景のワンポイントとなった。




日本人が夕景、夜景の美しさに目覚めたのはいつからだろう。
平安時代末期のころに誕生した花鳥風月、雪月花の中には、夕焼けの美は登場しない。
夜景の美は、人工照明が発達した近代工業化社会の産物だとしても、文学や絵画のうちで、夕景・夕焼けの美が讃えられるようになったのは、そんなに古い時代からではなさそう。

江戸末期あたりかな?
日本の文学・絵画の伝統にお詳しいマイミクさんがいたら、その初出を、ぜひ教えていただきたいものである。
<YouTubeへのリンク>
☆夕焼け小焼け
http://www.youtube.com/watch?v=qUBn44eycv8

☆赤とんぼ
http://www.youtube.com/watch?v=GSGIAz8gLY8&feature=related

「夕焼け小焼け」
詞:中村雨紅(大正8年作)東京都八王子市生まれ。
曲:草川信(大正12年作)

「赤とんぼ」
詞:三木露風(大正10年作)兵庫県たつの市生まれ。
曲:山田耕筰(昭和2年作)

いまはどうなっているのか知らないけれど、わたしくらいの年代は、小学校の音楽の時間に、これらを童謡として教わっている。その時代には、日本中の音楽室で歌われ、人びとの記憶に定着していったのだろう。そればかりでなく、「週刊新潮」の表紙を長らく担当した谷内六郎さんの童画(じっさいは童画とはいえないが)の影響などもあるはず。
これらを考慮すると、夕焼け愛好家の出現は、案外新しく、大正~昭和初期なのかもしれない。

日本人のこころの故郷。
わたしのような世代は、夕景を見ていると、非常にありきたりではあるけれど、郷愁のようなものに胸をしめつけられる。わたしなどは、生まれ故郷に帰って生活しているにもかかわらず、「いま、ここではなく、どこか帰るべき場所がある」というおもいにつながっていくのが不思議。

魂の故郷のようなものが、きっとだれにでもあるだろう。帰れないから、ますますなつかしいのだ。これは、強烈な感情で、あばれだすと、手におえないほど・・・だと、わたしはおもっている。

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