写真とひとくちにいっても、いろいろな愉しみ方がある。
そのひとつが、「動きの一瞬」をとらえる写真術。
ムービー(動画)ならなんでもないことなのに、スチールだと、これがなかなかむずかしい。
カメラマンのフットワークがよくなければならない。
そして、反射神経。
あるいは、事前に予測してカメラをセットする・・・なんてこともある。花火写真などは、その典型。三脚を据え、レンズをその方向に向けて、マニュアルで8秒露出するなんてことは、スナップショットの真逆かもしれない。
しかし、これも、広い意味では「動きの一瞬」をとらえる写真術となる。
わたしのカメラ選びで大切な要件のひとつは、レリーズから撮影までのレスポンスのよしあし。昔ライカのM3、M6を使っていたので、その味が忘れられない。あるいは、OM-1、とか、ニコンF3。
デジタルになって、この要件を満たしてくれるカメラを、ずっと探していた。
レスポンスがいいといっても、EOS1Dとか、ニコンD3とかは、大きすぎて機動性に欠ける。気楽に持ち歩けるライカ並のコンパクト・サイズで、さりげなく手の中に握り込めるような機種がいいだろう。
トップにあげた写真は、猫(わが家のテンちゃん)の一瞬の動きを切り取ったもの。
そしてこちらは、アメ横で、たまたま“撮れた”一枚。
レリーズに指をおき、ノーファインダーで、ある被写体をねらっていたところ、突然、右の路地から男性が走り出てきた。一瞬の出来事で、わたしはほんのちょっとカメラを右に振って、シャッターを押した。
カメラはRICOHのCX4。この機種は0.5秒、あるいは、それ以上のタイムラグがあるから、成功する確率は低い。それだけに、成功したときの達成感(・・・大げさ!)はある。
いつでもこんな写真が撮れるわけではない。
いい被写体にめぐり遇うことができる、できないは、いわば時の運。
視神経が敏感になっているときでないと、「動きの一瞬」をとらえることはできない。
へたな鉄砲も数撃ちゃあたる・・・ということばは、“際どい”真理を衝いている・・・と、いまだにわたしは信じている(~o~)