二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

写真集が好き!

2012年05月01日 | 写真集、画集など


近ごろ女性写真家の活躍が目覚ましい。
わたしは以前も書いたように、撮影だけでなく、写真集を見るのが大好き。
40代半ばころから、2、3年かけて、県立や市立の図書館通いをして、浴びるように写真集を見た時期がある。いまでも書店へいくと、必ずといっていいほど、写真集を立ち読み(立ち見)するのがクセになっている。写真集は高価なので、手が出ないものが多いが、それでもたまに多少予算をやり繰りし、手に入れる。
パラパラと眺めるだけでなく、本を読むように、写真集を読む。あるいは、そういう「読み筋」を待っている写真集と出会うと、うれしくなる。
カメラメーカーがまとめたアンソロジーや「新日本百景」のような写真集ではなく、わたしのこころの深部をゆさぶってくれるようなアート系の写真集が大好きなのだ。
女性写真家では――、
武田花
川内倫子
市橋織江
・・・さんあたりだろうか。

男性写真家だと――、
鬼海弘雄
渡部さとる
中里和人
さんあたりは、意識して、見かけるたびに眼をさらす。

トップにピックアップしたのは、鬼海さんの「東京ポートレイト」(巡回展のためのアンソロジー)と、市橋さんの「BEAUTIFUL DAYS」の二冊。この二冊はまるで違った世界観の所産ということになるだろうけれど、わたしにはそれぞれにおもしろい。共通しているのは、ただ一つ。どちらもフィルムを使用していること。
鬼海さんは、ハッセルブラッドを使い、眼が覚めるほどクォリティーの高いモノクロ・ファインプリントをオリジナルとし、市橋さんは、マミヤRZを使い、ほんわかしたハイキー調のカラーネガをオリジナルとしている。

「アサヒカメラ」「日本カメラ」は、一昨年写真に復帰してからほぼ毎月買って、グラビアページは割と丹念に読むようにしている。しかし、一作家あたりの掲載枚数が少なく(せいぜい6~7ページ)、見せ方が中途半端なので、めったに感動はない。
「これは」と狙いを定めたら、一作家あたりなぜ、10ページ、いや20ページ、ドド~ン! と掲載しないのだろう。わたしが編集長なら・・・いや、アホな妄想はやめておこう(笑)。

世の中、写真集というと、セクシーなグラビアモデルさんやタレントの写真集を思い浮かべる方が大半。BOOK OFFにも、その手の「写真集」は、たくさん置いてあるが、わたしがさがしているような写真集は、BOOK OFFにも、在来の古書店にもめったに出ない。

作家系の写真家の写真集は、売れないのがあたりまえ。土門拳賞や、木村伊兵衛賞を受けたような評価の高い写真集でも、せいぜい1000~2000部止まりではあるまいか(たいして根拠のないわたしの想像)。だから、すぐれた写真集は、営業的には、プロといえども、半自費出版となる。

そこへWeb時代の到来となり、クォリティーさえ気にしなければ、プロの作品がほとんど「見放題」。また写真家の中には、「公式ホームページ」や、Blogを積極的にアップしている方がふえている。
ではなぜ、高価な写真集に大枚(数千円だからたいしたことはないが)を支払うのかというと、クォリティーの違いや、「写真集」としての完成度を、ゆっくり時間をかけて賞味したいということにつきるだろう。

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