二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

この世の光景

2011年01月09日 | Blog & Photo
このあいだアメリカのカメラの情報サイトを見ていたら、オリンパスのLUMIX LX5の対抗機種とみられるカメラとならんで、PEN E-PL2のレビューが載っていた。
オリンパスはE-PL1sをまだリリースしたばかり。ここ2、3年のオリンパスの動きはめまぐるしいばかりで、買おうと考えている人は、そのタイミングを計るのがむずかしいだろう。価格.comなどを見ると、デジタルカメラの値落ちのスピードはすさまじいが、むろん、いまにはじまったことではない。
「えー! もうですか」である。
ことしになってE-PL1を買ったような人は、ずいぶんがっかりするだろう(=_=)

当然といえば当然ながら、新機種の登場によって「型遅れ」となったカメラは、急激に値を下げ、たちまち消えていく。フィルム・カメラのように、10年、20年使い続けるなんて、到底不可能。(やってやれないという意味ではない。)
わたしなど、いまどきのカメラには、どうしても、昔のような、道具に対する職人的な愛着がもてないが、それはわたしばかりではないだろう。たとえ、フラッグシップ機のような高額なカメラを買っても、新機能満載のつぎのモデルが発売されたら、やっぱり買い換えを検討するに違いない。時代の流儀には、さからえないからだ。

パソコンやデジタルカメラは、ほぼ100%、旧型より新型がすぐれている。
デジタルになってから写真をはじめた世代では、それは「あたりまえ」のことと受け止めている。
一方では、家にある昔のフィルム・カメラや、あらたに中古カメラを買って、それを愉しむ人も、少数ながら徐々にふえているという。
お金がかかる
手間ヒマがかかる
時間がかかる

わたしも、老後はそういったスローライフを愉しむことができたらいいなぁ・・・などと夢想してしまう。いなかのフラヌール(遊歩者)を気取って、近隣の町々を歩き回り、のんびりと、昭和ロマンの発見などにいそしむのだ(笑)。
デジタルはいまさら棄てられないから、もちろん豪華二本立て(-_-)

写真は「見る人が決めるもの」とかの写狂人アラーキーもいっている。
皆が撮りたがるものを自分も撮るのではなく、
被写体を発見して歩く愉しみ。それこそ、カメラをもったフラヌールの、最大の逸楽なのだ。
たとえば、これ。
左下に白い犬がいる。
ラブホテルと釣り堀と、木と、鉄塔。
――おまけに、白い犬。
道具立てがそろいすぎ!!



しかし・・・わたしという観察者を一瞬興奮させずにおかない、長く記憶に残る、すばらしいこの世の光景なのだ。写真でしかつたえることのできないイメージとして。
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