
(2019年9月撮影 伊勢崎市)
だれかさんの胸に
停留所のいらないバスがあってね。
思い出を満載して走っている。
うっかり電柱・・・みたいなものにぶつかって
思い出が外へ放り出されることがある。
別なだれかさんの胸には
華やかなお祭り道具を載せたバスがあるし
茶色のよごれた本や泥だらけのゴルフボールを積んだバスもある。
もちろん 任意の場所に任意に止まるんだ。
停留所なんていらない。
見知らぬだれかさんが 乗ったり降りたりしている
思い出をたっぷりつめ込んだふくろを提げて。
黄色の点滅信号があると
すすっとスピードをおとす。
それからふたたび走り出す。
ボンネットバスみたいな錆びだらけのバスが混じっている。
おやおや もう六十五年も走ってきたの
まだ走りつづけるの
がたぴし がたぴし ぶるんぶるん
騒音まみれで走っていく。
「おおい ぼくの思い出もはこんでくれえ」
だれかさんの胸に
停留所のいらないバスがあってね。
思い出を満載して走っている。
うっかり電柱・・・みたいなものにぶつかって
思い出が外へ放り出されることがある。
別なだれかさんの胸には
華やかなお祭り道具を載せたバスがあるし
茶色のよごれた本や泥だらけのゴルフボールを積んだバスもある。
もちろん 任意の場所に任意に止まるんだ。
停留所なんていらない。
見知らぬだれかさんが 乗ったり降りたりしている
思い出をたっぷりつめ込んだふくろを提げて。
黄色の点滅信号があると
すすっとスピードをおとす。
それからふたたび走り出す。
ボンネットバスみたいな錆びだらけのバスが混じっている。
おやおや もう六十五年も走ってきたの
まだ走りつづけるの
がたぴし がたぴし ぶるんぶるん
騒音まみれで走っていく。
「おおい ぼくの思い出もはこんでくれえ」