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NEW MACROECONOMY・経済の新しい見方・

2013年12月07日 12時42分46秒 | 金融・経済
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE9B502520131206
コラム:米国は日本に学べるか、「長期的停滞」からの脱出策   By Nicholas Wapshott

米国経済は停滞の海をさまよっているのだろうか。少なくともサマーズ元米財務長官はそう考えているようだ。   サマーズ氏は先月開かれた国際通貨基金(IMF)の経済フォーラムで、

● 米国の需要や成長力などが低迷している現状を「長期的停滞」と表現した。

  「われわれは今後数年にわたって、どのように経済を動かしていくのか十分に考える必要があるだろう。

● 現状ではゼロ金利が経済活動を慢性的かつ体系的に抑制しており、潜在能力を下回るレベルに経済を押し   とどめている」と語った。・・・・・・・・・・。

●サマーズ氏は 「大規模バブルでさえも、超過需要を生み出すには十分ではなかった」と批判的だ。

● 同氏は、こうした金融政策が現在の苦境を解決するための手段として不適切だと指摘。その理由として、   完全雇用を達成する「自然利子率」がマイナスである可能性を挙げた。・・・・・・・・。

● 量的緩和は目的の達成に有効だったかもしれないが、今となっては力不足の政策だ。さらに、量的緩和が   繰り返されると市場がそれに依存するようになり、バーナンキFRB議長が緩和縮小(テーパリング)を示  唆するたびに混乱することになる。

● 気を付けなければ日本のようになってしまう──サマーズ氏はこう警告しているように思える。日本は過   去20年、成長力の低下が賃金の下落を誘い、それが需要低下を招き、さらに雇用の悪化を呼ぶという負の  スパイラルに陥ったが、米国も同じ状況に直面する恐れがあるのだ・・・・・・・・・・・・。

● ところが、20世紀末までに日本は深刻な事態に陥った。成長には急ブレーキがかかり、資産バブルがは   じけた。政府は公共事業への投資で景気を刺激しようとしたが、こうした政策はうまくいかなかった。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

● 昨年、日本では安倍晋三首相が「アベノミクス」として知られる先鋭的なプログラムを導入した。日銀は   資金供給量(マネタリーベース)をわずか2年で2倍に引き上げる異次元緩和を実施し、円高に歯止めをか  けることで輸出の競争力を高めた。金融政策に加え、安倍政権は積極的な財政出動や増税も打ち出した。こ  れは前例のない試みであり、日本はIMFの支援や他国の影響なしで、谷底から脱け出す道を歩き始めた。

安倍首相が示した治療薬を服用してから1年、回復の小さな兆しがわずかに見え始めた。・・・・・・・。

● ただ、明るい話題だけではない。賃金はなかなか上がらず、設備投資も十分とは言えない。しかし安倍首   相は、世界経済が上向けば、日本も利益を得られるだけでなく世界に繁栄をもたらすことができると自信を  見せる。ただ、これはあくまでも仮定の話だ。米経済がこのままの状態を続ければ、日本の成長へのスピー  ドも加速させることはできない。

● 他の国もリーダーとしての米国の復活を切望している。人員整理や債務削減など、自分たちのことで手一   杯の欧州は、米国が欧州を低迷から引き上げてくれるのを心待ちにしている。

サマーズ氏が先月警告したように、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

● 一部の議員らは、選んでくれた国民にどれだけ損害が出ようと、自分たちの目指す「小さな政府」の達成   を望んでいる。だが、自らの利益を賢明に追求することが、知らず知らず自らを傷つけることもある。政府の関与を縮小すれば、米国は日本のようになりかねず、米国民は何十年にもわたって低成長にあえぐ可能性がある。

● 「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」という日本のことわざがある。危険を冒さなければ、大きな成果は挙   げられないという意味だ。安倍首相は日本経済の低迷に終止符を打つため、勇気ある第一歩を踏み出した。米議会では共和党の少数派が鍵を握る状態にあるが、これが続く限り、われわれは日本が犯した過ちを繰り返すだけではなく、世界中を泥沼に引きずりこむことにもなる。

          (2日 ロイター)    By Nicholas Wapshott


私の批評

◎ 上記の記事の悩みは、すべて経済の再帰性を理解できない所からくるのです。

世界的投資家のソロスは、リーマンショック後の議会証言で、経済は再帰性であると語りました。
ジムロジャースは、商品の価格は原則として、需給の関係で決まると語り、1998年まだ株価が
崩壊していない時期に、需給の関係から見て、既に商品の時代の到来を見ていました。

そしてこのブログでも、価格の上がり方や調整の仕方が、エリオット波動の理論に従う事を見てきました。
価格は、自然の波動の一部であるので、人間の英知で、ある程度の修正を加える事は出来ますが、
本質的な変更は出来ません。つまり2000年から始まっている不景気を1982~2000年の好景気に
することは絶対できません。不景気の期間も、好景気とほぼ同じ時間を要するのです。

◎ これが再帰性であり、需給の関係によるサイクルであり、エリオット波動であり、フラクタルなのです。
  ある程度の修正は出来ると書きましたが、これは具体的には以下の様に修飾します。

○ CT=収縮型トライアングルを、ET=拡大型トライアングルへ
○ ZIGZAG=ジグザグ修正を、SIDEWAY=サイドウエイ修正に替えることは出来ます。
○ 上記の調整波動を、推進波=上昇波=impuls型にすることは出来ません。

◎ 一言でいえば、急激に縮小する形を、エネルギー=お金を注入して、滑らかな波に変えて、
  激しい暴落と混乱-1929年のような事態を防ぐことです。この政策は、

○ 1966~1982年の米の不景気をサイドウエイにしたし、2000年~(2018)からの今回のトライアングルを
  拡大型トライアングルにして、日本の様なsharp=ZIGZAG型の急激な低下を防いでいます。

○ アンプの様に電気で音の増幅が出来るように、エネルギー=お金をつぎ込めば、増幅により急激な
  低下を防ぐことは出来るのです。つまり急激なGDPの低下を防ぐことが出来るのです。
  USAは1929年の恐慌から学んだのです。過去に日銀をけなしたのは正解ですが、
  今後は日本の様になると卑下したりする必要はないのです。
  政策を尽して、天命を待てば良いのです。

◎ ただ、敵は本能寺、獅子身中の虫が問題なのです。量的緩和=増税を嫌がる共和党やティーパーティの
  抵抗は歴史の必然です。つまり810年前の英国で、1215年のマグナカルタで、貴族が反乱を起こし
  増税は貴族の許可なくすることが出来なくなり、王の権限は奪われました。

◎ この時代、1215年~1485年は武人の時代=戦国時代ですので、王は軽んじられ=下剋上、100年戦争
  1337~1453年へと続く事になったのです。サーカー氏の社会循環論の正しさが分かります。
  現在の共和党の反乱は、810年前の貴族の反乱と同じなのです。

◎ 貴族=共和党の反乱と、王=大統領の増税の権利の制限は、その後に続く資本主義の崩壊と
  戦国時代の到来を意味します。ただ私の分析では、このまま崩壊ではなく2018~2029年の
  最後の繁栄後に、英米型の資本主義が崩壊(2029~2046年)すると見ています。

◎ つまり、日独伊を除く米英型の金融資本主義の崩壊と戦国時代への移行=中国・朝鮮と同じ時代への
  移行ですから、世界史的なカタストロフィーが想像できます。810年前の英仏間の100年戦争が、
  世界的に展開したと思えば間違いないのではないでしょうか?

◎ 多分後世から見たら、第二次共産主義運動の時期と見られるでしょう。勿論第一次共産主義運動は
  ヨーロッパから起こり、最後はソ連・東欧・キューバ・中国・北朝鮮で成功した時代です。
  第二次では、英米型の国家が、その内部で共産主義と戦うと言う事に成ります。

◎ 日本では当分≒100年余は、共産主義の心配はしなくても良いですが、大陸の共産国家との
  100年戦争に突入したとみるべきでしょう。

コメント
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