◎ エリオット波動の、3つの大原則
① Wave 2 does not fall below the starting price of Wave 1
第2波は第1波のスタート時点を割る事はない。
② Wave 3 is not the shortist wave by price movement when compare to wave 1 & wave 5
第1波、第3波、第5波の中で第3波が最も短いと言う事はない。
つまり、第1波が最も長くなる時は、最も短い波は第5波である。
第5波が最も長くなる時は、第1波が最も短い波となる。
③ Wave 4 does not overlap the range of wave 1
第4波は、第1波と重なる事はない。
◎ Big Picture から読まないと、目先の判断では狂いが生じがちです。特に暴落時は恐怖が
生じますから、改めて原則の確認と、大きなBig Pictureから入るべきでしょう。
原則とは、上記の僅か3項目です。実際は更に細かいガイドラインは有りますが
これは、確率的に考えるべき基準です。つまり、調整波はどのパターンを
とるかは、確率の問題であり、ガイドラインと言うべきでしょう。
◎ 何故金が1万ドル/1㌉前後に成るかは、今までも何回も書いてきました。
又1000㌦/1オンス前後までは、③の原則の範囲内ですから、普通にみられる現象です。
もし前回の2波の底750㌦前後を割る事が有れば、今回の商品のバブルは
終わったと言う事に成りますが、理論上も状況上も、あり得ません。
◎ エリオット波動の原則がわずかに破られる現象は見られますが、大きく逸脱する事は有り
ません。今回の価格が1000㌦前後まで下がる事は、③の原則から判断できます。
つまり前回のプライマリー第①波の頂点は1000㌦/1㌉前後でしたから
今回の暴落の下方の抵抗線は、1000㌦前後と言う事に成ります。
◎ ジム・ロジャースは950㌦前後まで下がる可能性も指摘していましたが、これは原則から
少し逸脱しています。原則からの少しの逸脱は、エリオットが分析したころと今とは
少し事情が異なるとせいだと思われるます。つまり、
● コンピューターの進歩の為に、早いスピードで大量の売却が出来る事により、
行き過ぎが瞬間的に起りえる事。特に機関投資家はスーパーコンピューター等を使い
又、自動トレーディングをしていますから、極端に早いスピードで、暴落が過剰に
起こりうる事です。
● 売買取引上のレバレッジが簡単に出来るようになり、わずかの証拠金で大量の売買が
出来るようになり、行き過ぎが起こりうる事。
つまり、大量の資金を持つ機関投資家の、強引な価格誘導が起こりうる事。
● 1971年ニクソンショック以来、ゴールド保有量に関係なく大量の紙幣が増刷される
ことにより、市場には膨大な資金が溢れている事、等です。
例えれば、家の生活費は今までとあまり変わらないのに、お父さんの博打の費用が
大きく増え、博打場の掛け金が膨大になる=バブルが膨大になるようなものです。
云えば、この金融が家計を超えて、膨大な博打場と化するのが資本主義の崩壊の直前の
現象とも言えます。
◎ 従って、一瞬の暴落が起こりうる博打場では、前回の第②波の範囲、1000㌦~750㌦の
範囲まで暴落は起こりえますが、750㌦を超えて下がる事は、理論上はあり得ません。
従って、このまま貴金属を持った場合は、数割程度の更なる暴落は起こりえますが、
円安が進行すると思われますから、円換算では少し暴落が和らぐと思われます。
◎ 前回の私の予想=6月末が底であると採るなら、このまま持っても良いでしょう。
◎ もし、ゴールドマンやジム・ロジャースの言うように1000㌦前後まで下がると言う予想を
採用するなら、少し戻した段階でいったん売ってから、1000ドル前後で再び買い取ると
いう手は有ります。
◎ 又は長期的に何れ上がるからと思うなら、後数年はほっておいても良いのです。
ジム・ロジャースは未だバブルは来ていないとの立場ですから、
下がれば更に買い足す予定の様です。
◎ ゴールドマンサックスも前にも書いたように、商品からは全面的には撤退していません。
◎ 予想に反して、日本の量的緩和が成功しているので、つまり世界にお金が出ていく=
円安になっているので、世界の株式市場が活気づき、株の時代がまだ続く事による
商品からの資金の逃避が、一時期的な判断の混乱を招いているのでしょう。
◎ もし今回の商品のバブルが終わったと見るなら、以下の事は自動的に起こりえる事に成ります。
● 株価の調整も終わったので、2009年からの上昇は次の好景気サイクルの始まりである。
● 商品の時代は終わったので、資源国の例えば豪の株や商品の価格の崩壊が起こる。
つまり、原油や鉱物、食料品なども全て、価格が崩壊する。
◎ これは今までの経験やエリオット波動の原則に反します。
好景気と不景気は略同じ期間を要した”過去の経験を無視する事に成ります。
1929年の崩壊は調整に1949年までかかりました。つまり第二次大戦を経て初めて調整が
終わったのです。直前の好景気は2020~2029年でしたから、合計9+20=29年。
前回の不景気は1966~1982年で、好景気は1949~1966年で、合計16+17=33年。
今回直前の好景気は1982~2000年=18年でしたから、今回の不景気も18年が予想されます。
2000年~2018年までです。
もしバブルが終わったとすれば、2009年の3月が底に成りますから、不景気は9年となり
極端に短くなり、今までの過去の例から合いません。むしろ調整期間は好景気より
長いのが経験であり、理論上もサイクルの山と谷は同じです。
◎ 商品のサイクルの理論、すべてエリオット波動を破る事に成ります。
例えば銀の前回1979年のサイクル第Ⅰ波の頂点は50ドル弱でしたので、今回の第Ⅲ波は
少なくとも100㌦を超えないといけない事に成りますが、前回と同じように50ドル弱で
終わるなら大原則の②と③を破る事に成り、すべての理論が崩壊する事に成ります。
◎ 又このまま価格が暴落すれば、鉱山の経営は今がぎりぎりと言う事ですから、これも全て
崩壊と言う事に成ります。又崩壊は好景気の期間を通じて徐々に起こるのが過去の
経験です。つまり好景気の終わり頃が商品の価格は最も低いのです。
◎ 実を云えば、価格が暴落していく資源を使って、工業国の新たなる好景気が始まるのが
サイクル理論であり、ジムの需給論です。この論理も完全に崩壊する事に成ります。
◎ つまり、もしこのまま商品のバブルが終われば、次は工業国にすべての好景気が訪れてしまい
資源国は略崩壊してしまい、又今までの経済の理論が全て崩壊する事に成ります。
◎ つまり、過去の経験も、エリオット波動論も、一般の経済理論も、世界の状況も
全てが商品のバブルは残っている事を示している訳ですから、バブルは続きます。
◎ 私の今回の波動での悩みは、小さな波動の読み違いが有る可能性を示したので有り、大きな
波の事では有りません。つまり6月末が底で有ったのか、ジムやゴールドマンが言う
1000㌦前後が底に成るのか?”が予測の能力を超えたと言う事です。
◎ ジムもソロスも私も予測するように、例え1000㌦が底でも、次は2000㌦をはるか越えて
10000万ドルまで行くのですよと言っているのです。こればバブルであり、
ゲームなのです。投資は実はお金儲けのゲームなのです。
◎ 貴金属も1971年のニクソンショック以来、他の商品と同じゲームの世界に入ってきたのです。
食料品とは異なり、貴金属が上がったからと特に食えなくなる国は有りませんから、
幾らでもバブルに成る可能性が有ります。
◎ 小麦粉でさえもゲームの対象に成り、暴騰し世界各国で暴動が起こるように、儲けのゲームは
革命を誘発するのが原則です。その商品≒原油を求めて、世界は世界大戦を2度も
起こしたのです。今回のゲームによる中東の混乱はこれからが本番なのです。
◎ 平和を求める日本人の心に合わせて、中国が日本と永遠に仲良くなると言う事が無いように、
必ず、儲けのゲームは完結するまでは終わりません。
◎ そもそも、アジア全域に軍を進めてアジア全域を一時的にとはいえ、支配したのは
理由が何であれ、それは日本です。何故中国が同じことをしないと言う保証が
有るのでしょう。平和は求めても、来ない時はこないのです。
◎ 好き嫌いに関係なく、欲する欲しないに関係なく、サイクルは回り、欲望は肥大し、
投機は消えることなく、資源や景気はバブルを作り、、
革命や戦争は起こるのが人間の世界です。