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中国経済の大崩壊はあるのか?漂い始めたソ連末期と同じ空気感
2016年2月1日 317
GDPの伸び率が25年ぶりの低水準となるなど、大減速の様相を呈する中国経済。無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では、現在の中国にはソ連崩壊時と同じような空気感が漂っていると指摘、さらに中国、そして世界の行く末は3月の全人代で発表される「新五か年計画」にかかっていると分析しています。
中国GDP6.9%に鈍化…中国の大崩壊はあるか?
先月、中国のGDPが発表されたが、成長率は6.9%と鈍化。伸び率は25年ぶりの低水準。背景には過剰投資、いわゆるつくりすぎ。このつくりすぎが東南アジアやヨーロッパにまで波及して世界全体の景気を悪くしている。これらを「新チャイナリスク」というような言い方をしている。
V字回復は不可能
最近の中国の動きを見ると、マンションをつくりすぎており、中国専門家の試算では業者が購入済みの分譲地や住宅は63億平方メートル、1人30平方メートルとするとなんと2億人分余るというような状況。マンションに電気がついておらず、幽霊城みたいだということがいわれるがそのような状況だと思う。
さらに鉄鋼もつくりすぎで、余剰の鉄鋼物の量は日本の鉄鋼生産量の4倍ともいわれ、これらがアジア内に輸出され、不況に陥れているというようなこともある。中国共産党の機関紙では経済の先行きについて「V字回復は不可能だ」と掲載し、注目を集めた。
中国の過剰投資
また、貿易も落ち込み昨年の輸出は2.8%減で6年ぶりに減少。貿易も相当落ち込んでいる。輸入も-14%。中国がモノをつくりすぎて、過剰投資があるのではないかと言われている。李克強首相は「腕を1本切り落とすつもりで構造改革をやれ」と言っているくらいで、中国の過剰生産が世界に影響を与え、デフレ状況を作っているとうことが言える。
中国がこれでもってすぐに大崩壊するかどうかはわからないが、本当に今危ないところにきた。そういうことでいえばこれまで様々な取材をしてきたが、今回のこととソ連の崩壊を重ねて思い出した。
過去のソ連から見えるもの
ソ連崩壊は89年から90年にかけ、あの当時ソ連はモノをつくりすぎ、そのつくりすぎというのは一般の生活用品などではなく、対アメリカの軍備競争に一生懸命になりおカネをつかいすぎた。そこへもってきて石油価格が下がりすぎ、金が売れなくなりソ連の経済がおかしくなってくる。
そこでゴルバチョフ氏は軍備競争は止め、仲良くやっていこうではないかとペレストロイカを実施しようとした。レーガン氏は当初それを信用しなかったが、ブッシュ副大統領(当時)にゴルバチョフ氏の本当の心根を探って来てくれと探りにいかせたところ、どうも本当だということがわかりレイキャビック(アイスランド)で首脳会談が行なわれ、それが冷戦崩壊の1つの始まりという大転換を図った。
そういうようなソ連の崩壊の動きに今の中国が少し似ているように感じるが、アメリカのウォールストリートジャーナルは昨年「中国共産党のたそがれ」という論文を掲載。中国共産党は政治的に深刻な状況で軍部との関係もある。さらに行政当局が大衆からの信頼を失っている、成長率もどんどん下がってきている。必ずしもソ連の崩壊とは一致しないけれども、中国はソ連の末期的な症状と似てきているように感じる。
当時のソ連の状況
当時私はソ連も訪れているが、駅の裏に行くと戦後の日本のような状況であったし、デパートやスーパーにモノがなかった。そこで、近郊の村々からトラックに野菜などを載せてそれらを買っていた。結局ソ連は軍備競争の為に鉄鋼などを多量に作りGDPは大きくなったが、生活用品は作っていない。当時「ソ連にはアイロンが1種類しかない」と言われたほどで、生活必需品を作らないので種類もデザインも何もないというのがあの当時の実態であった。
そしてソ連は金や石油を売ることで、おカネを儲けていたが、それらもだんだん売れなくなり崩壊していく。つまり、モノを作ってそれらを輸出するという経済になっていなかったということだ。
ソ連のクーデター
当時のソ連の動きはエリツィン氏がゴルバチョフ氏を批判し、その一方で保守派は「ペレストロイカ」に関して気に入らない。ゴルバチョフ氏はクリミア半島の保養地フォロスで休暇中、大統領府長官ら一行が面会を要求し、副大統領への全権移譲と非常事態宣言の受け入れを迫ったがゴルバチョフ氏は拒否。ソ連ではクーデターが起こりモスクワで銃撃戦が行なわれたこともあった。エリツィン氏は強面で勇気もあった、戦車の上でクーデターを阻止したことにより民衆の支持を得た。
このようにしてソ連ではゴルバチョフ氏からエリツィンへという流れで崩壊していく図式になり、西側も一時エリツィン氏を支持し連戦を終らせようという動きになっていく。
同じような空気感
そういった状況と必ずしも一致はしないが、今の中国は何となく似ているようなところがあるというように思う。中国の方々に取材をしてみたが、なんとなく湿っぽい。贅沢禁止令もあり、うまく商売が運営できないからつぶれるのではなく突然国の方針が変わることによってその企業をつぶすということもあるため、中国の人達は何となく萎縮している。
中国は陸軍を縮小し改革しようとしているが、その反面太平洋に進出するため海軍や空軍の強化をはかっていることから内部分裂もあるようだ。習近平氏を守っているのは海軍であるとも言われており、当然不満分子も出て来てくる。
今後の注目点
中国は間もなく「新五か年計画」を3月の全人代で発表するが、ここで国民が納得するような内容が出てこないと習近平政権は「チャイナリスク」と言われるようなことが世界に広まっていくだろう。ここでは数字も発表されると思うが、これまで中国が発表した数字は信用ならず、その数字がどうなのかという点も注目される。
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● 当時のソ連とは、状況は全く異なります。
❶ ソ連は西側には閉鎖経済でしたが、中共は擬態資本主義化=社会主義的市場経済
を成功させて、現在は資本主義経済とリンクしています。
❷ ソ連は技術革新が遅れましたが、USAや世界が技術とお金と人材をせっせと
貢ぎ、今後も貢と思いますので、中共は困る事は無いでしょう。
何しろ世界一の外貨準備がある国です。
❸ 1体制270年寿命論から言えば、当時のソ連は武人時代の末期=老人で死ぬ=崩壊する
のは、必然だったのです。ロシアの武人体制がスタートしたのは、つまり
ロシア帝国が誕生したのは1720年であり、ツアーリの独裁体制だったのを
共産主義者がクーデターで政権を握ったのがロシア革命だったのです。
その証拠に独裁は酷くなり、虐殺も酷くなったのです。
● フランス革命等は、体制が全く変換したのです。絶対王政から近代資本主義国へと
代わったのが、1789年のフランス革命だったのです。ソ連は独裁は変わって
いない、つまり体制は変わらなかったのです。
● ロシア革命は、例えれば、支配者が上杉謙信から武田信玄に代ったようなものです。
● 中国の体制変換は、1910年の清王朝の崩壊ですから、それからまだ105年しか経って
いませんから、武人の独裁と言う体制は2180までは変わらないのです。
もし変わるとすれば、小中共=地方軍閥の支配する幾多の国に
別れる事は有っても、軍閥の独裁は全く変わらないのです。
● 中共は人間に例えれば、中年に突入したのです。もし私が独裁者なら次の様に不景気を乗り切ります。
ヒントは第一次大戦後に極度に疲弊し、二度と立ち上がれないだろうと思われたドイツを
見事に回復させて、ヨーロッパ一の軍事大国を作ったヒットラーのやり方です。
● アウトバーン等のインフラを大々的に作ったり、軍需産業を育成したりして、内需を
強力に拡大させて、富国強兵国家にした事です。世界大恐慌のさ中の1933年に
政権を執ってから、10年もしないうちにヨーロッパ一の強国を作ったのです。
● このようなやり方をすれば、中共は2049年までは、USAを追い抜くことは可能でしょう。
USA/大西洋ヨーロッパ資本主義国家群の崩壊は、2046には起こりますから
理論上は逆転は可能です。仏は2059年に崩壊。
● 問題は日本も今後は大繁栄をしますから、中共が日本を追い越すことは有りえない事です。
今のUSAとて、技術的・資本主義的競争では、すでに日本にかなわないのです。
西欧の先進資本主義国が崩壊すれば、日独の我が世の春が訪れますから、
中共の太平洋進出は夢となるでしょう。例え台湾を併合しても・・。
● だからといって、中共包囲網の手綱を緩めてはいけません。未来は自由と民主主義を
絶対守るという意志で作られるものです。油断は禁物です。
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● 日経平均=16000を割って以降の2月の上昇波動は、いわゆるインパルスつまり、
真の上昇㌟ではないようです。もう一度の日経225の調整がありそうです。
● つまり、限りなく16000円前後まで再度下がるか、又は15000円前後まで、またはそれ以下まで
下がる可能性が出てきました。更なる金融緩和を待っているのでしょう。
催促しているように見えます。
● 3月の中国の全人代の金融政策と、ヨーロッパの更なる金融緩和策を持っているような
雰囲気です。少なくとも当分は、日経=16500円を割ると予想されます。
中国経済の大崩壊はあるのか?漂い始めたソ連末期と同じ空気感
2016年2月1日 317
GDPの伸び率が25年ぶりの低水準となるなど、大減速の様相を呈する中国経済。無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では、現在の中国にはソ連崩壊時と同じような空気感が漂っていると指摘、さらに中国、そして世界の行く末は3月の全人代で発表される「新五か年計画」にかかっていると分析しています。
中国GDP6.9%に鈍化…中国の大崩壊はあるか?
先月、中国のGDPが発表されたが、成長率は6.9%と鈍化。伸び率は25年ぶりの低水準。背景には過剰投資、いわゆるつくりすぎ。このつくりすぎが東南アジアやヨーロッパにまで波及して世界全体の景気を悪くしている。これらを「新チャイナリスク」というような言い方をしている。
V字回復は不可能
最近の中国の動きを見ると、マンションをつくりすぎており、中国専門家の試算では業者が購入済みの分譲地や住宅は63億平方メートル、1人30平方メートルとするとなんと2億人分余るというような状況。マンションに電気がついておらず、幽霊城みたいだということがいわれるがそのような状況だと思う。
さらに鉄鋼もつくりすぎで、余剰の鉄鋼物の量は日本の鉄鋼生産量の4倍ともいわれ、これらがアジア内に輸出され、不況に陥れているというようなこともある。中国共産党の機関紙では経済の先行きについて「V字回復は不可能だ」と掲載し、注目を集めた。
中国の過剰投資
また、貿易も落ち込み昨年の輸出は2.8%減で6年ぶりに減少。貿易も相当落ち込んでいる。輸入も-14%。中国がモノをつくりすぎて、過剰投資があるのではないかと言われている。李克強首相は「腕を1本切り落とすつもりで構造改革をやれ」と言っているくらいで、中国の過剰生産が世界に影響を与え、デフレ状況を作っているとうことが言える。
中国がこれでもってすぐに大崩壊するかどうかはわからないが、本当に今危ないところにきた。そういうことでいえばこれまで様々な取材をしてきたが、今回のこととソ連の崩壊を重ねて思い出した。
過去のソ連から見えるもの
ソ連崩壊は89年から90年にかけ、あの当時ソ連はモノをつくりすぎ、そのつくりすぎというのは一般の生活用品などではなく、対アメリカの軍備競争に一生懸命になりおカネをつかいすぎた。そこへもってきて石油価格が下がりすぎ、金が売れなくなりソ連の経済がおかしくなってくる。
そこでゴルバチョフ氏は軍備競争は止め、仲良くやっていこうではないかとペレストロイカを実施しようとした。レーガン氏は当初それを信用しなかったが、ブッシュ副大統領(当時)にゴルバチョフ氏の本当の心根を探って来てくれと探りにいかせたところ、どうも本当だということがわかりレイキャビック(アイスランド)で首脳会談が行なわれ、それが冷戦崩壊の1つの始まりという大転換を図った。
そういうようなソ連の崩壊の動きに今の中国が少し似ているように感じるが、アメリカのウォールストリートジャーナルは昨年「中国共産党のたそがれ」という論文を掲載。中国共産党は政治的に深刻な状況で軍部との関係もある。さらに行政当局が大衆からの信頼を失っている、成長率もどんどん下がってきている。必ずしもソ連の崩壊とは一致しないけれども、中国はソ連の末期的な症状と似てきているように感じる。
当時のソ連の状況
当時私はソ連も訪れているが、駅の裏に行くと戦後の日本のような状況であったし、デパートやスーパーにモノがなかった。そこで、近郊の村々からトラックに野菜などを載せてそれらを買っていた。結局ソ連は軍備競争の為に鉄鋼などを多量に作りGDPは大きくなったが、生活用品は作っていない。当時「ソ連にはアイロンが1種類しかない」と言われたほどで、生活必需品を作らないので種類もデザインも何もないというのがあの当時の実態であった。
そしてソ連は金や石油を売ることで、おカネを儲けていたが、それらもだんだん売れなくなり崩壊していく。つまり、モノを作ってそれらを輸出するという経済になっていなかったということだ。
ソ連のクーデター
当時のソ連の動きはエリツィン氏がゴルバチョフ氏を批判し、その一方で保守派は「ペレストロイカ」に関して気に入らない。ゴルバチョフ氏はクリミア半島の保養地フォロスで休暇中、大統領府長官ら一行が面会を要求し、副大統領への全権移譲と非常事態宣言の受け入れを迫ったがゴルバチョフ氏は拒否。ソ連ではクーデターが起こりモスクワで銃撃戦が行なわれたこともあった。エリツィン氏は強面で勇気もあった、戦車の上でクーデターを阻止したことにより民衆の支持を得た。
このようにしてソ連ではゴルバチョフ氏からエリツィンへという流れで崩壊していく図式になり、西側も一時エリツィン氏を支持し連戦を終らせようという動きになっていく。
同じような空気感
そういった状況と必ずしも一致はしないが、今の中国は何となく似ているようなところがあるというように思う。中国の方々に取材をしてみたが、なんとなく湿っぽい。贅沢禁止令もあり、うまく商売が運営できないからつぶれるのではなく突然国の方針が変わることによってその企業をつぶすということもあるため、中国の人達は何となく萎縮している。
中国は陸軍を縮小し改革しようとしているが、その反面太平洋に進出するため海軍や空軍の強化をはかっていることから内部分裂もあるようだ。習近平氏を守っているのは海軍であるとも言われており、当然不満分子も出て来てくる。
今後の注目点
中国は間もなく「新五か年計画」を3月の全人代で発表するが、ここで国民が納得するような内容が出てこないと習近平政権は「チャイナリスク」と言われるようなことが世界に広まっていくだろう。ここでは数字も発表されると思うが、これまで中国が発表した数字は信用ならず、その数字がどうなのかという点も注目される。
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● 当時のソ連とは、状況は全く異なります。
❶ ソ連は西側には閉鎖経済でしたが、中共は擬態資本主義化=社会主義的市場経済
を成功させて、現在は資本主義経済とリンクしています。
❷ ソ連は技術革新が遅れましたが、USAや世界が技術とお金と人材をせっせと
貢ぎ、今後も貢と思いますので、中共は困る事は無いでしょう。
何しろ世界一の外貨準備がある国です。
❸ 1体制270年寿命論から言えば、当時のソ連は武人時代の末期=老人で死ぬ=崩壊する
のは、必然だったのです。ロシアの武人体制がスタートしたのは、つまり
ロシア帝国が誕生したのは1720年であり、ツアーリの独裁体制だったのを
共産主義者がクーデターで政権を握ったのがロシア革命だったのです。
その証拠に独裁は酷くなり、虐殺も酷くなったのです。
● フランス革命等は、体制が全く変換したのです。絶対王政から近代資本主義国へと
代わったのが、1789年のフランス革命だったのです。ソ連は独裁は変わって
いない、つまり体制は変わらなかったのです。
● ロシア革命は、例えれば、支配者が上杉謙信から武田信玄に代ったようなものです。
● 中国の体制変換は、1910年の清王朝の崩壊ですから、それからまだ105年しか経って
いませんから、武人の独裁と言う体制は2180までは変わらないのです。
もし変わるとすれば、小中共=地方軍閥の支配する幾多の国に
別れる事は有っても、軍閥の独裁は全く変わらないのです。
● 中共は人間に例えれば、中年に突入したのです。もし私が独裁者なら次の様に不景気を乗り切ります。
ヒントは第一次大戦後に極度に疲弊し、二度と立ち上がれないだろうと思われたドイツを
見事に回復させて、ヨーロッパ一の軍事大国を作ったヒットラーのやり方です。
● アウトバーン等のインフラを大々的に作ったり、軍需産業を育成したりして、内需を
強力に拡大させて、富国強兵国家にした事です。世界大恐慌のさ中の1933年に
政権を執ってから、10年もしないうちにヨーロッパ一の強国を作ったのです。
● このようなやり方をすれば、中共は2049年までは、USAを追い抜くことは可能でしょう。
USA/大西洋ヨーロッパ資本主義国家群の崩壊は、2046には起こりますから
理論上は逆転は可能です。仏は2059年に崩壊。
● 問題は日本も今後は大繁栄をしますから、中共が日本を追い越すことは有りえない事です。
今のUSAとて、技術的・資本主義的競争では、すでに日本にかなわないのです。
西欧の先進資本主義国が崩壊すれば、日独の我が世の春が訪れますから、
中共の太平洋進出は夢となるでしょう。例え台湾を併合しても・・。
● だからといって、中共包囲網の手綱を緩めてはいけません。未来は自由と民主主義を
絶対守るという意志で作られるものです。油断は禁物です。
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● 日経平均=16000を割って以降の2月の上昇波動は、いわゆるインパルスつまり、
真の上昇㌟ではないようです。もう一度の日経225の調整がありそうです。
● つまり、限りなく16000円前後まで再度下がるか、又は15000円前後まで、またはそれ以下まで
下がる可能性が出てきました。更なる金融緩和を待っているのでしょう。
催促しているように見えます。
● 3月の中国の全人代の金融政策と、ヨーロッパの更なる金融緩和策を持っているような
雰囲気です。少なくとも当分は、日経=16500円を割ると予想されます。