ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

グレコの消息

2009-07-08 | ペット・動植物
1年ほど前にフラりと庭に現れるようになり、2、3週間ご飯をあげていたものの、その後ふっつり姿を見せなくなったグレコ

ここでも書いていたので、ご記憶の方もいらっしゃることでしょう。

その半年後、家の前でクルマ同士の接触事故がありました。
夏の暑い盛りだったので、被害者の年配の男性に冷たいお水を渡し、加害者の若い夫婦と道に散らばったガラスの破片を拾っているときふと、初対面だった奥さんに、
「グレーの猫を飼っていませんか?」
と聞いてみると、彼女の顔色がサッと変わりました。

彼女のアクセントを聞いているうちに、
「もしかしてグレコの飼い主では?」
と思い当たったのです。姿を見せなくなったグレコの素性を知りたくご近所の何人かに尋ねてみると、
「あの家のスイス人がグレーの猫を飼っている。」
と教えてくれたので、もしや、と思ったのです。

グレコの本名はコテックでした。

ちょうど1年前、奥さんは何週間か本国に帰国していたそうです。
後をご主人に託していたそうですが、どう見てもグレコは放置されていました。ご飯の入ったボールごと噛みつきそうな勢いで、まさに死に物狂いで食べる姿に、ただ事ではないと感じたものです。

7月に入るや、香港から友人が3週間の予定で遊びに来ました。
彼女と入れ違うように、グレコはふっつりと姿を消してしまいました。最後にグレコを見かけたのは、ちょうど庭先で彼女と立ち話をしているときでした。

いつものように裏手の方からやってきたグレコは、私たちに気付くとすぐに踵を返しました。私だけだったら、そんなことはなかったので追いかけると、後を振り返り、振り返り去っていきました。
その時、ふと、
「来ないで、来ないで。」
という言葉が脳だか耳だかに響き、愕然としたものでした。

その翌日、私と友人はファンガレイに1泊2日で出かけ、留守番をしていた夫から、
「ずっとご飯を出していたけど、まったく口を付けた形跡がない。」
と知らされ胸騒ぎがし、「オーラ日記」の管理人さん、みみねっと あきこさんにアニマル・コミュニケーションをお願いしたりしていました。


その半年後にひょんなことから知らされたグレコの消息。
それは哀しいものでした。


姿を消した3、4日後、グレコは自宅で息を引き取っていました。


2、3週間かけてやっと安心してご飯を食べていくようになった我が家に客人があり、私たちが出たり入ったりしている環境の変化に、小さく小さくなっていた命の灯火が耐えられなくなったのかもしれません。

本当に疲れ切って憔悴していたグレコは、生死の境目の瀬戸際にまで追い込まれていたようです。もうそれ以上、どんなことにも耐えられなかったのかと思うと、かわいそうでなりません。

盆の送り火でグレコの牛も用意しておいたのがせめてもの慰めです。



あれから1年。
今では別のみなしごらしいタビジが、毎日のように姿を見せるようになりました。半年前はガリガリでしたが今ではふっくらし、雨の多い寒い季節も、元気に過ごしています。

チャッチャには先住猫として敬意を払い、ケンカをしないどころか伏せの姿勢で完全に恭順の意を示す賢いタビジです。なにかのご縁でうちに来る小さな命。守れるものなら守ってあげたいものです。

タビジ、
がんばろう!


(トリの置き物で遊ぶタビジ→
まだ仔猫というか相当若いの?
この大きさで?_?)