今年の映画祭3作目は
フィンランドの鬼才アキ・カウリスマキ監督の最新作
だそうで、何も知らずに出かけました
「ジ・アザー・サイド・オブ・ホープ(原題)」
ググッたら、朝日の記事が出てきました
観終わってから勉強してるという
この映画を選んだのは、このシーンが目を引いたから。
まるで絵画のよう
(※壁の肖像画まで構図に加わってる)
そして、
「シリア難民をコメディー仕立てって、どーゆこと」
という好奇心でした。
世界報道写真展で本国や難民たちの惨状をさんざん目にした後で
「あれがどうやって笑いどころが、笑顔になるの」
という思いで出かけていきました。
まず驚いたのは、この動画全盛時代に全編を貫く
動く静止画のような構図
動かないことでこうも印象が深くなるのかと驚愕でした。
動きもなけりゃ、台詞も少なく、演技も表情も乏しい
フィンランドの人ってみんなこうなの(笑)
なんでも過剰に溢れかえった時代に、ここまで抑えると
観客は本能的に足りないと感じる部分を補おうとして
行間を読み、沈黙の意味を探り、わずかな表情も見逃さず
想像力をフル回転させながら、頼まれもしないのに
銀幕に映し出されるもの以上のものを勝手に追い求める
結果的にどっぷり深入りし、払った映画代と費やした時間以上に
楽しめる
なんなの、この究極のエンタメ
朝日の記事ではシリアからフィランドに逃れてきた青年カレドの
働くレストランが、怪しげな寿司屋に鞍替えし・・・・
とサラっと書いてありますが、難民ですからそこまでが命がけ。
石炭の山に埋まって真っ黒になって密入国。
駅でシャワーを浴び、難民申請をしようと警察がどこか尋ねると
「正気か」
と驚かれ、
「よく考えろ」
とも言われる始末。
生きるか死ぬかのカレドとフィンランドの淡々とした日常の対比。
その中でニコリともせず彼を助ける人々と、
「このユダヤ野郎!」
とその対極にあるイスラムであることも構わずに彼を刺す男も。
レストランを営むウィックストームの怪演とカレドの抑えた演技。
Yシャツの行商をしていたのに自分はヨレヨレのスーツ姿の
ウィックストームと、本国では自動車修理工だったという設定が
不自然に思えるほど真っ白でアイロンの効いたシャツ姿のカレド
その高潔さは高貴とでも呼びたいほどで、密入国の不法滞在者が
一番まともで知的に見えてくる不思議
色彩も音声も抑えた中で、やたらに挿入される音楽演奏のシーン。
まるで抑制されたものを吐き出すかのように繰り返され
その中のストリートミュージシャンの1人が監督自身で
音楽で狂言回しの役を担っていたわけです
退屈そうなフィンランドの日常から踏み出さずに
普遍の人類愛という壮大な存在への希望を描き
究極の中にもユーモアが見出せることを証明し
観る者すべてをホッとさせ、笑わせ、最後には
「世界はまだまだ捨てたもんじゃない。」
と勇気づけてくれる映画。
カレド役のシャーワン・ハジはスター誕生となったのでは?
本当にシリア出身の俳優で王族のような風貌。
英語もできるし、今後はイスラム役でブレイクしそう
いや~、映画ってホントにいいもんですね
サヨナラ
サヨナラ
サヨナラ
フィンランドの鬼才アキ・カウリスマキ監督の最新作
だそうで、何も知らずに出かけました
「ジ・アザー・サイド・オブ・ホープ(原題)」
ググッたら、朝日の記事が出てきました
観終わってから勉強してるという
この映画を選んだのは、このシーンが目を引いたから。
まるで絵画のよう
(※壁の肖像画まで構図に加わってる)
そして、
「シリア難民をコメディー仕立てって、どーゆこと」
という好奇心でした。
世界報道写真展で本国や難民たちの惨状をさんざん目にした後で
「あれがどうやって笑いどころが、笑顔になるの」
という思いで出かけていきました。
まず驚いたのは、この動画全盛時代に全編を貫く
動く静止画のような構図
動かないことでこうも印象が深くなるのかと驚愕でした。
動きもなけりゃ、台詞も少なく、演技も表情も乏しい
フィンランドの人ってみんなこうなの(笑)
なんでも過剰に溢れかえった時代に、ここまで抑えると
観客は本能的に足りないと感じる部分を補おうとして
行間を読み、沈黙の意味を探り、わずかな表情も見逃さず
想像力をフル回転させながら、頼まれもしないのに
銀幕に映し出されるもの以上のものを勝手に追い求める
結果的にどっぷり深入りし、払った映画代と費やした時間以上に
楽しめる
なんなの、この究極のエンタメ
朝日の記事ではシリアからフィランドに逃れてきた青年カレドの
働くレストランが、怪しげな寿司屋に鞍替えし・・・・
とサラっと書いてありますが、難民ですからそこまでが命がけ。
石炭の山に埋まって真っ黒になって密入国。
駅でシャワーを浴び、難民申請をしようと警察がどこか尋ねると
「正気か」
と驚かれ、
「よく考えろ」
とも言われる始末。
生きるか死ぬかのカレドとフィンランドの淡々とした日常の対比。
その中でニコリともせず彼を助ける人々と、
「このユダヤ野郎!」
とその対極にあるイスラムであることも構わずに彼を刺す男も。
レストランを営むウィックストームの怪演とカレドの抑えた演技。
Yシャツの行商をしていたのに自分はヨレヨレのスーツ姿の
ウィックストームと、本国では自動車修理工だったという設定が
不自然に思えるほど真っ白でアイロンの効いたシャツ姿のカレド
その高潔さは高貴とでも呼びたいほどで、密入国の不法滞在者が
一番まともで知的に見えてくる不思議
色彩も音声も抑えた中で、やたらに挿入される音楽演奏のシーン。
まるで抑制されたものを吐き出すかのように繰り返され
その中のストリートミュージシャンの1人が監督自身で
音楽で狂言回しの役を担っていたわけです
退屈そうなフィンランドの日常から踏み出さずに
普遍の人類愛という壮大な存在への希望を描き
究極の中にもユーモアが見出せることを証明し
観る者すべてをホッとさせ、笑わせ、最後には
「世界はまだまだ捨てたもんじゃない。」
と勇気づけてくれる映画。
カレド役のシャーワン・ハジはスター誕生となったのでは?
本当にシリア出身の俳優で王族のような風貌。
英語もできるし、今後はイスラム役でブレイクしそう
いや~、映画ってホントにいいもんですね
サヨナラ
サヨナラ
サヨナラ