to be with my dogs

犬と私と羊...合言葉は「自然体」

ボーダーコリーについて思うこと

2011年05月13日 | 日々の出来事

ボーダーコリーって、運動能力も高く、頭も素晴らしく良い。

動くことが大好きで、ディスクやアジリティー、ダンス等、ドッグスポーツと呼ばれる種目には、

無くてはならない犬種です。

そして、繊細に人の心の動きを読める能力も持っている。

一見、人に対しては、友好的。

だが、その頭の良さから、自分がどういう態度をとるべき相手なのか、

瞬時に調査することも欠かさない。

犬に対しては、あまり興味が無い。あっても、追うか狙うかを楽しむ程度。

動くものは、絶対に追いたい!!それが生きがいというくらい熱心に取り組む。

大きな音や、始めて見るものは、苦手。

いつも通り、同じ日常を好む。

頭が良いので、常に自問自答して、結果自分に自信が無いので、精神的には未熟。

1度楽しいと思う結果から得た、自信を持てた行動に、集中し、執着する。

 

こんな彼らなので、訓練するのは、実はちょっと大変です。

 

ちょっと、新しいことを教えようとすれば、どよ~~ん。。。

出来てることをさらにステップアップしようとすれば、

今までの動きに執着し、教えようとすればするほど、どよ~~ん。。。

 

ボーダーコリーを訓練するには、強制的な手法を使うと、

一般的に、犬が萎えると言われる原因です。

でも、果たしてそれは本当でしょうか?

 

強制的な手法が原因なのではなくて、彼らの考える

いつもの行動、いつもの日常を変えられることが、どよ~~んの原因なのです。

この辺は、↑上に書いた、ボーダーコリーの性格や特徴を理解していないと、

間違った解釈をしやすいと思います。

 

では、どのように訓練に取り組んで行ったらよいのか?

 

新しく教えようとすることは、とにかく褒める、自信を持たせる。

失敗しても、こちらが気にしない。

責めれば責めるほど、落ち込んで行くので、気にしない。

頭が良いので、今まで出来てることをして、安易に褒められようとするので、

そういう時は、褒めないで、スルー。

教えようとしていることは、どよ~~んとしても、やらせる。

その代わり、誘導でも何でも、できたら褒めて、とにかく自信を持たせる。

 

ここを間違って、どよ~~んとする様子から、やる気のない犬になってるとか、

嫌がってるとか思うと、

犬によっては、人の言うことを聞かなくても良いんだ、

自信を持てている行動に、執着しても良いんだ、と、考え始める。

さすがに、頭が良いので、こういう思考に至る速度は、物凄く速い。

 

犬によっては、行動を変えられることが嫌で、パニック的に行動したり、

時には、噛みついたりしても、行動への執着を止めないと言った、

厄介な問題行動を起こす。

 

彼らにとって、執着は、未熟な精神を守る盾だったりもするのだ。

 

時に、自信のある行動は、堂々とやる遂げるので、誤解を招きやすいが、

実は、新しいことに、とても慎重に状況を観察しているのだ。

怖がりだからとか、繊細だからと、認識されやすいが、

実は頭の良さから、物事を慎重に状況観察できる能力がありすぎるので、

二の足を踏んだり、キャパシティを超える状況だと、パニックを起こしているだけなのだ。

ここを誤解し、一緒になって慎重に扱い過ぎて、

犬に、余計な悪い刷り込みをしているから、どよどよ~~んと連鎖し、

好きなことだけやってれば、楽しそうだし、良いか~ってなっちゃうわけです。

好き勝手に、ヘラヘラと動き回ってるボーダーが多いのは、こういう理由です。

精神的な未熟さから、飼い主には依存しているので、

飼い主の傍は離れない。。。だから、良いとも思ってしまう。

 

彼らは、自分より大きな羊を100頭でも扱える、強さと自立心を

本当は持っている犬なのです。

慎重な状況判断能力は、仕事をする上で、彼ら自身の身を守るために必要な能力です。

彼らが何のために、この世に生み出されたのかを考えれば、

家庭犬として厄介な問題行動、パニック的行動も、

納得して付き合えるのではないでしょうか。

 

そして、過度な保護や、丁寧さよりも、彼らに必要なのは、

飼い主の「傍にいるよ!」「見守ってるから、頑張ってごらん。」と言った心の余裕です。

 

訓練性能だけ言ったら、良いと言えるボーダーコリーなんですが、

実は、執着をいかに作り、いかに崩すか、

彼らが叩く石橋を、渡りきったら、叩き壊して、新しい楽しみの世界を開拓してやる、

そんな風に取り組まないと、なかなか前へ進みたがらない犬です。

以前にも書きましたが、「メンドクサイ」心を持った犬です。

そして、そこがとっても魅力的な犬なんです。 

 

どうぞ、誤解の無いように。