ボーダーコリーって、運動能力も高く、頭も素晴らしく良い。
動くことが大好きで、ディスクやアジリティー、ダンス等、ドッグスポーツと呼ばれる種目には、
無くてはならない犬種です。
そして、繊細に人の心の動きを読める能力も持っている。
一見、人に対しては、友好的。
だが、その頭の良さから、自分がどういう態度をとるべき相手なのか、
瞬時に調査することも欠かさない。
犬に対しては、あまり興味が無い。あっても、追うか狙うかを楽しむ程度。
動くものは、絶対に追いたい!!それが生きがいというくらい熱心に取り組む。
大きな音や、始めて見るものは、苦手。
いつも通り、同じ日常を好む。
頭が良いので、常に自問自答して、結果自分に自信が無いので、精神的には未熟。
1度楽しいと思う結果から得た、自信を持てた行動に、集中し、執着する。
こんな彼らなので、訓練するのは、実はちょっと大変です。
ちょっと、新しいことを教えようとすれば、どよ~~ん。。。
出来てることをさらにステップアップしようとすれば、
今までの動きに執着し、教えようとすればするほど、どよ~~ん。。。
ボーダーコリーを訓練するには、強制的な手法を使うと、
一般的に、犬が萎えると言われる原因です。
でも、果たしてそれは本当でしょうか?
強制的な手法が原因なのではなくて、彼らの考える
いつもの行動、いつもの日常を変えられることが、どよ~~んの原因なのです。
この辺は、↑上に書いた、ボーダーコリーの性格や特徴を理解していないと、
間違った解釈をしやすいと思います。
では、どのように訓練に取り組んで行ったらよいのか?
新しく教えようとすることは、とにかく褒める、自信を持たせる。
失敗しても、こちらが気にしない。
責めれば責めるほど、落ち込んで行くので、気にしない。
頭が良いので、今まで出来てることをして、安易に褒められようとするので、
そういう時は、褒めないで、スルー。
教えようとしていることは、どよ~~んとしても、やらせる。
その代わり、誘導でも何でも、できたら褒めて、とにかく自信を持たせる。
ここを間違って、どよ~~んとする様子から、やる気のない犬になってるとか、
嫌がってるとか思うと、
犬によっては、人の言うことを聞かなくても良いんだ、
自信を持てている行動に、執着しても良いんだ、と、考え始める。
さすがに、頭が良いので、こういう思考に至る速度は、物凄く速い。
犬によっては、行動を変えられることが嫌で、パニック的に行動したり、
時には、噛みついたりしても、行動への執着を止めないと言った、
厄介な問題行動を起こす。
彼らにとって、執着は、未熟な精神を守る盾だったりもするのだ。
時に、自信のある行動は、堂々とやる遂げるので、誤解を招きやすいが、
実は、新しいことに、とても慎重に状況を観察しているのだ。
怖がりだからとか、繊細だからと、認識されやすいが、
実は頭の良さから、物事を慎重に状況観察できる能力がありすぎるので、
二の足を踏んだり、キャパシティを超える状況だと、パニックを起こしているだけなのだ。
ここを誤解し、一緒になって慎重に扱い過ぎて、
犬に、余計な悪い刷り込みをしているから、どよどよ~~んと連鎖し、
好きなことだけやってれば、楽しそうだし、良いか~ってなっちゃうわけです。
好き勝手に、ヘラヘラと動き回ってるボーダーが多いのは、こういう理由です。
精神的な未熟さから、飼い主には依存しているので、
飼い主の傍は離れない。。。だから、良いとも思ってしまう。
彼らは、自分より大きな羊を100頭でも扱える、強さと自立心を
本当は持っている犬なのです。
慎重な状況判断能力は、仕事をする上で、彼ら自身の身を守るために必要な能力です。
彼らが何のために、この世に生み出されたのかを考えれば、
家庭犬として厄介な問題行動、パニック的行動も、
納得して付き合えるのではないでしょうか。
そして、過度な保護や、丁寧さよりも、彼らに必要なのは、
飼い主の「傍にいるよ!」「見守ってるから、頑張ってごらん。」と言った心の余裕です。
訓練性能だけ言ったら、良いと言えるボーダーコリーなんですが、
実は、執着をいかに作り、いかに崩すか、
彼らが叩く石橋を、渡りきったら、叩き壊して、新しい楽しみの世界を開拓してやる、
そんな風に取り組まないと、なかなか前へ進みたがらない犬です。
以前にも書きましたが、「メンドクサイ」心を持った犬です。
そして、そこがとっても魅力的な犬なんです。
どうぞ、誤解の無いように。