旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

法界寺(日野薬師)

2019年07月06日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区日野西大道町に法界寺(日野薬師)があります。
 東光山法界寺(ほうかいじ)は真言宗醍醐派の古刹で、日野薬師とも呼ばれています。醍醐寺の南方に位置し、宇治市との境界に近い伏見区日野にあります。平安時代後期の永承6年(1051)、出家した日野資業(すけなり)が山荘に、薬師如来を安置する堂を建てたのが法界寺の始まりとされています。
 日野は平安時代、遊猟地として知られ、日野氏の先祖 藤原の北家の荘園がありました。弘仁13年(822)に藤原家宗が慈覚大師最澄が刻んだという薬師如来を賜り、祀っていました。資業はこの小像を胎内に収めた薬師如来を造り本尊として祀りました。この木造薬師如来立像は秘仏で、国の重要文化財に指定されています。
 その後、平安後期の阿弥陀信仰の高まりや末法思想の普及で、法界寺にも阿弥陀堂が建てられました。当時は観音堂、五大堂など多くの堂塔が建ち並んでいましたが、現存するのは阿弥陀堂のみです。平安時代後期の法界寺には、5体の丈六の阿弥陀如来像が存在していたそうです。
 阿弥陀堂と11世紀末頃に造られた木造阿弥陀如来坐像は国宝に指定されています。また本堂の薬師堂は明治になってから伝燈寺から移築され、国の重要文化財に指定されています。秘仏の木造薬師如来立像、木造十二神将立像、阿弥陀堂内装飾画、阿弥陀如来並坐像、飛天図などが国の重要文化財に指定されています。

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