前回取り上げた満願寺温泉の共同浴場や露天風呂は、温泉巡りに慣れていない方には雰囲気的にちょっとハードルが高いものですが、「満願寺温泉館」はいわゆる普通の共同浴場ですので、どなたでも問題なくご利用いただけるかと思います。とっても鄙びた公民館のような外観の「温泉館」は、通りから見て川の対岸に建てられていました。小さな橋で対岸に渡ります。
玄関には「湯銭箱」と書かれた料金箱が壁に取り付けられていましたが、訪問時には係員の方がいらっしゃったので、直接手渡しで料金を支払いました。
浴室は男女別の内湯で、それぞれ大小の2室(つまり計4室)に分かれています。訪問時は大きな方に先客がいらっしゃったので、まず小浴室から利用することにしました。
小浴室は文字通り本当に小さくて狭いのですが、浴室の扉を開けてビックリ。お湯が完全に洪水状態になって洗い場へ溢れ出ているのです。洪水の「ような」オーバーフローなら珍しくありませんが、「~ような」ではなく、明らかな洪水なのです。この光景を目にした私は、失禁しそうになるほど嬉しくなっしゃいました。温泉ファンのサイトにもこの小浴室の洪水について言及しているものが多く見られますが、確かにこれを見てノータッチでいられるはずありません。皆さんも歓喜したんだろうなぁ。
さて次に大浴室へ。浴槽の他には水の蛇口が二つあるだけの極めてシンプルな造りです。
浴槽は湯口側の小さな「上り湯」と排湯側の大きな「湯尻」の2つに分かれており、まずは「湯尻」のお湯で掛け湯してからその浴槽に入り、最後に「上り湯」で締める、というのがこちらの入浴流儀のようです。「湯尻」の浴槽は3~4人サイズ、小浴槽ほどではないにせよ、こちらも大量にオーバーフローしており、まるで阿蘇・白水の湧水地帯を見ているかのようです。
「上り湯」は1~2人サイズ。一応入れますが、掛け湯専用にしたほうが良さそうな感じ。
湯口は湯面下の底の方に設けられています。ここに注がれたお湯が「湯尻」へと流れ、そこでオーバーフローしてゆくわけです。
お湯は無色澄明無臭でほとんど無味ながら微かに甘みが感じられます。肌触りが滑らかで柔らかく、ほっても優しいお湯です。何しろ供給される湯量が多いため、お湯の鮮度が抜群。浴槽からふんだんに溢れるお湯を眺めながら、新鮮で優しいお湯を堪能できるこの環境は実に素晴らしい。余計なものが無い質素なお風呂だからこそ尚更です。こんな温泉に毎日入れる地元の方がとっても羨ましい。
単純温泉 42.8℃ pH7.1 237.6L/min
熊本県阿蘇郡南小国町大字満願寺 地図
6:00~22:00
200円
備品類なし
私の好み:★★★