山形県置賜地方南部、吾妻連邦の山間に点在する米沢十湯って、いかにも秘湯然とした一軒宿が揃っていて、現実逃避したい時には最適の場所ですね。私も温泉好きを吹聴して歩いているので屡々「どこか秘湯を教えてくれ」と訊ねられるのですが、その時にはこの米沢十湯をおすすめすることが多く、旅先で出会った温泉ファンからも絶賛の声をよく耳にします。
姥湯温泉は米沢十湯の中でも吾妻連峰の最深部に位置しており、秘境感がとても強い場所。かつてスイッチバックを要したほど険しく急なカーブが連続した羊腸の小径は、今では改良されてハンドルをいっぱいに切れば何とか曲がれるようになりましたが、それでも険しいことには変わらず、運転初心者だったらオシッコちびってしまうこと必至でしょう。ご夫婦やカップル、あるいは家族で訪れることが多いかと思いますが、その時ハンドルを握っている男性諸氏の多くは、顔は涼しく「こんな山道、何でもないよ」と言わんばかりの表情ですが、内心は「対向車が来たらどうしよう」「脱輪したらお手上げだ」なんて臆病な弱音を吐き続け、脇の下は冷や汗をビッショリかいているに違いありません。男は虚勢を張って自らを鼓舞する生き物ゆえ、もしそんな内心が垣間見えても、助手席の女性は決して見下したり誂ったりしないでくださいね。ガラスのハートはたちまち砕け散って前後不覚になってしまいますから。
閑話休題、車で進めるところまで行くと、車道の潰えるところが駐車場。ここで車を降りて、宿まで徒歩で向かいます。所要15分くらいでしょうか。前方の綺麗なV字谷の底に、一軒宿の「枡形屋旅館」が望めますね。
近づいてみると、秘境の名とは縁遠い、かなり立派な建物であることがわかります。この建物は2004~5年にかけて大改築されました。いわゆる山小屋っぽい建物では通好みのお客さんしか来ませんから、集客のためにも全面刷新して居住性を高めるのはごく自然なことですね。周囲の環境になじませるべく、外観を焦茶色に統一している点は立派です。
宿の玄関の右手に日帰り入浴専用の窓口がありますので、ここで料金を支払います。専用窓口がわざわざ設けられているということは、それだけ利用客が多いんです。こんな山奥なのに、休日ともなれば露天風呂が大混雑します。
日帰り入浴で利用出来るのは露天風呂のみ。大露天風呂「山姥の湯」と女性専用風呂「瑠璃の湯」に分かれており、日中(日帰り入浴可能時間)は「山姥の湯」が混浴に設定されています。私は男性ですので「山姥の湯」へ。薦で囲っただけの質素な脱衣所があるのみです。
岩肌を剥き出しにして荒々しく屹立した断崖絶壁が両側から迫ってくる谷のどん詰まりに湧く露天風呂。奥の方では滝が轟音を響かせてて落ちています。このロケーションで感動しない人はいないでしょう。日本の自然美も捨てたもんじゃありません。
青白く濁るお湯は元々無色透明なものですが、白く細かな湯の華が無数に舞ってコロイドになり、はっきりと濁って見えています。湯口付近のお湯の流路は真っ黄色に染まっており、それ以外の浴槽の岩は硫黄で真っ白。湯口付近でタマゴ臭を濃縮したような硫化水素臭が強く漂い、口にすると口腔内が収斂する酸味が感じられますが、pH2.5という数値でもわかるように強烈な酸性ではないため、同じ硫酸系でも草津温泉みたいに攻撃的ではなく、口腔の奥の方から順々にキュっと窄まってゆくような、酸性泉にしては比較的ソフトな刺激かと思います。
露天風呂で使っている源泉は谷の奥のほうから引いているようですが、露天風呂の傍らを流れる沢を観察すると、特に対岸の岩肌のそこここからもお湯が湧出して黄色くなっていました。昔はこうしたお湯で野湯みたいなこともできたようです。
混浴が苦手な女性は女性専用風呂を利用なさっていますが、やっぱりここに来たからには「山姥の湯」に入らなきゃ! 混浴ですが意外と女性の方も多いので、思い切って入浴しちゃいましょう。
絶景露天風呂に、神秘的な青白色の硫黄泉…。新緑や紅葉など季節によって様変わりする景色はさず素晴らしいんでしょうね。宿泊して満点の星空を眺めてみたい…。私のような日帰り利用しかしたことがない上に文才のない人間が、下手に書き綴ったところで、このお風呂の魅力を伝えることは到底不可能ですので、もうこれ以上は書きません。
姥湯源泉
単純酸性硫黄温泉 51.1℃ pH2.5 自然湧出(量不明) 溶存物質817.2mg/kg 成分総計1058mg/kg
山形県米沢市大沢姥湯1 地図
現地衛星電話090-7797-5934
米沢市内の案内所0238-35-2633
ホームページ
2011年度営業期間 4月28日~11月7日
立ち寄り入浴可能時間9:30~15:30
500円
備品類なし
携帯はドコモなら使用可能
私の好み:★★★
姥湯温泉は米沢十湯の中でも吾妻連峰の最深部に位置しており、秘境感がとても強い場所。かつてスイッチバックを要したほど険しく急なカーブが連続した羊腸の小径は、今では改良されてハンドルをいっぱいに切れば何とか曲がれるようになりましたが、それでも険しいことには変わらず、運転初心者だったらオシッコちびってしまうこと必至でしょう。ご夫婦やカップル、あるいは家族で訪れることが多いかと思いますが、その時ハンドルを握っている男性諸氏の多くは、顔は涼しく「こんな山道、何でもないよ」と言わんばかりの表情ですが、内心は「対向車が来たらどうしよう」「脱輪したらお手上げだ」なんて臆病な弱音を吐き続け、脇の下は冷や汗をビッショリかいているに違いありません。男は虚勢を張って自らを鼓舞する生き物ゆえ、もしそんな内心が垣間見えても、助手席の女性は決して見下したり誂ったりしないでくださいね。ガラスのハートはたちまち砕け散って前後不覚になってしまいますから。
閑話休題、車で進めるところまで行くと、車道の潰えるところが駐車場。ここで車を降りて、宿まで徒歩で向かいます。所要15分くらいでしょうか。前方の綺麗なV字谷の底に、一軒宿の「枡形屋旅館」が望めますね。
近づいてみると、秘境の名とは縁遠い、かなり立派な建物であることがわかります。この建物は2004~5年にかけて大改築されました。いわゆる山小屋っぽい建物では通好みのお客さんしか来ませんから、集客のためにも全面刷新して居住性を高めるのはごく自然なことですね。周囲の環境になじませるべく、外観を焦茶色に統一している点は立派です。
宿の玄関の右手に日帰り入浴専用の窓口がありますので、ここで料金を支払います。専用窓口がわざわざ設けられているということは、それだけ利用客が多いんです。こんな山奥なのに、休日ともなれば露天風呂が大混雑します。
日帰り入浴で利用出来るのは露天風呂のみ。大露天風呂「山姥の湯」と女性専用風呂「瑠璃の湯」に分かれており、日中(日帰り入浴可能時間)は「山姥の湯」が混浴に設定されています。私は男性ですので「山姥の湯」へ。薦で囲っただけの質素な脱衣所があるのみです。
岩肌を剥き出しにして荒々しく屹立した断崖絶壁が両側から迫ってくる谷のどん詰まりに湧く露天風呂。奥の方では滝が轟音を響かせてて落ちています。このロケーションで感動しない人はいないでしょう。日本の自然美も捨てたもんじゃありません。
青白く濁るお湯は元々無色透明なものですが、白く細かな湯の華が無数に舞ってコロイドになり、はっきりと濁って見えています。湯口付近のお湯の流路は真っ黄色に染まっており、それ以外の浴槽の岩は硫黄で真っ白。湯口付近でタマゴ臭を濃縮したような硫化水素臭が強く漂い、口にすると口腔内が収斂する酸味が感じられますが、pH2.5という数値でもわかるように強烈な酸性ではないため、同じ硫酸系でも草津温泉みたいに攻撃的ではなく、口腔の奥の方から順々にキュっと窄まってゆくような、酸性泉にしては比較的ソフトな刺激かと思います。
露天風呂で使っている源泉は谷の奥のほうから引いているようですが、露天風呂の傍らを流れる沢を観察すると、特に対岸の岩肌のそこここからもお湯が湧出して黄色くなっていました。昔はこうしたお湯で野湯みたいなこともできたようです。
混浴が苦手な女性は女性専用風呂を利用なさっていますが、やっぱりここに来たからには「山姥の湯」に入らなきゃ! 混浴ですが意外と女性の方も多いので、思い切って入浴しちゃいましょう。
絶景露天風呂に、神秘的な青白色の硫黄泉…。新緑や紅葉など季節によって様変わりする景色はさず素晴らしいんでしょうね。宿泊して満点の星空を眺めてみたい…。私のような日帰り利用しかしたことがない上に文才のない人間が、下手に書き綴ったところで、このお風呂の魅力を伝えることは到底不可能ですので、もうこれ以上は書きません。
姥湯源泉
単純酸性硫黄温泉 51.1℃ pH2.5 自然湧出(量不明) 溶存物質817.2mg/kg 成分総計1058mg/kg
山形県米沢市大沢姥湯1 地図
現地衛星電話090-7797-5934
米沢市内の案内所0238-35-2633
ホームページ
2011年度営業期間 4月28日~11月7日
立ち寄り入浴可能時間9:30~15:30
500円
備品類なし
携帯はドコモなら使用可能
私の好み:★★★