たくさんある阿蘇内牧温泉の共同浴場のひとつです。2軒ほど隣にはやはり共同浴場の「雲海薬師温泉」があるので、どちらに入ろうか迷ったのですが、今回はアットホームな雰囲気が漂っていそうな「新穂湯」を選択しました。
画像では庭木に阻まれて湯屋がよく見えませんが、「新穂湯」と彫られた石が置かれていなければ、普通の民家と勘違いしてしまいそうな外観。本当にここで良いのかあたりをウロウロしていると…
湯屋の左隣に建つ母屋から小学生の坊やが「お風呂はここですよ」と言いながら出てきました。その声を聞いて安心した私の顔を見るやいなや、坊やは「200円です」とすかさず口にし、まさか子どもが対応するとは思わずにキョトンとしていたら、続けてそつなく「あそこがお風呂の入り口です」と離れの湯屋を指さしました。よほど接客に慣れていると思われますが、小さいうちから客の先手が打てる能力を持っているのですから、将来どんな大人になるんでしょうか。
後ほど母屋を改めて見てみると、玄関に「番台はこちらです」と書かれた紙や料金表が貼ってありました。そして表札には「新穂」の2文字が。浴場名はこちらのオーナーさんの苗字だったんですね。
湯屋は無人ですが、近年新築(改築?)されたらしく、館内はどこも綺麗で清潔、特に脱衣所では建材の匂いが漂っていました。
お風呂は男女別の内湯がひとつずつ。石板貼りの扇形の浴槽があるのみです。無色透明で芒硝の匂いと味を有し、トロミのあるお湯です。湯温は42℃くらいでしょうか。しっかり掛け流されています。
浴室内には画像のような上がり湯(掛け湯)専用槽があるのですが、どうやらここのお湯はどうやら浴槽のお湯と異なる源泉を使っているのです。見た目はごく薄い褐色透明、モールのような匂い+アンモニア的匂い+弱い金気臭と金気のような味を帯びており、浴槽のお湯とは明らかに違う特徴です。つまりこの施設では2つの源泉を持っているわけですね。さすが阿蘇内牧、源泉数が豊富なだけあります。2つの源泉の内、片方を掛け湯限定にしているのは、例えば湧出量が限られているなど、浴用とするには支障があるからでしょうか。
民家の軒先に建てられた離れの小さな湯屋ですが、綺麗でシンプルでお湯も良く、ほのぼのしていてなかなか面白い共同浴場でした。こうしたお風呂が街角にごく自然に存在しているんですから、内牧って素敵な場所ですね。
内牧温泉(新穂湯)
ナトリウム・マグネシウム-硫酸塩泉 44.0℃ pH7.6 67L/min(動力揚湯) 溶存物質1560mg/kg 成分総計1570mg/kg
熊本県阿蘇市内牧46-1 地図
0967-32-1131
7:00~22:00 無休
200円
備品類なし(新穂さん宅でタオル・石鹸の販売あり)
私の好み:★★★