温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

金島温泉 富貴の湯

2012年01月07日 | 群馬県
 
吾妻線・金島駅前の「富貴の湯」には約10年前に1回訪れたことがあるのですが、それ以来久しくご無沙汰だったので、八ッ場ダム関連の温泉を巡った正月休みの某日、その帰路に再訪してみました。
金島駅は相変わらず無人ですが、10年程前にヨーロッパの街中のバス停を思わせるようなガラスの駅舎に改築されたんだそうです。以前この駅で降りた時にはワム(有蓋貨車)を改造した待合室でしたから、場所柄にもなく小ざっぱりしましたね。吹きっ晒しなのが難点ですが、なかなか良い外観だと思います。駅前には「富貴の湯」の看板が立っているので、これを見つければ迷うことは無いでしょう。看板の描かれた地図に従ってグルっと回っても良いんですが、上りホームのスロープからセメント工場脇の自転車置き場を抜けちゃえば、かなりショートカットできますよ。


 
こちらは建築資材を扱う企業(株式会社ホリグチ)が自社の福利厚生を目的として平成7年に開設された温泉でして、隣接するセメント工場はこの会社のグループ企業です。駐車場もしっかり完備。夜7時頃に訪れたのですが、駐車場は7割近く埋まっていました。なかなかの人気を集めているようです



玄関の左脇には飲泉所があり、源泉そのままのぬるいお湯が飲めます。口にしてみると、金気が強い伊香保っぽいお湯です。



料金は玄関を上がったところにある受付で直接支払います。脱衣室にもロッカーは設置されていますが、この受付の斜前にも貴重品用ロッカーが用意されています。



玄関入って右手にはお座敷の休憩室。群馬県の観光関係施設ではおなじみ、中山秀征&井森美幸のポスターが貼ってありました。


 
内湯です。浴室は1号と2号に分かれており、毎週日曜日に男女が入れ替るんだそうですが。この時男湯(この画像の浴室)は1号でした。浴室の右手に逆さにしたような形状の浴槽が据えられ、左手にはシャワー付き混合栓が5基取り付けられています。カランのうち一つは手すりが取り付けられており、バリアフリーとはいかないまでも、老人に対する配慮がなされていました。


 
石板貼りの浴槽には33℃の源泉が加温されて注がれており、浴槽内でさらにボイラーを通して加温し、湯加減を調整しています。この時の内湯は40℃くらいだったでしょうか。縁から常時オーバーフローしており、2~3人が同時に入ると、洗い場の床はちょっとした洪水状態になりました。金気の多いお湯が溢れて床を洗っているため、その床は全体的に赤く染まっていました。


 
こちらは露天風呂。庭園の中に据えられた岩風呂のような作りです。周囲を塀で囲まれているので景色は望めませんし、頭上の半分近くを屋根が覆っているので、露天らしい開放感にはやや欠けますが、塀の上から風が流れてきますから、火照った体を涼むにはもってこいです。この日は上州名物カラっ風が吹き下りて冷え込んでいたため、とても涼むような状況ではありませんでしたが、露天の方が加温が強くて内湯よりも熱めの湯加減に調整されていたため、露天で数分全身入浴した後に、浴槽縁の岩に腰かけて風に当たると、その温度差がとっても爽快でした。


 
露天の湯口の脇には石のカエルが置かれています。内湯・露天双方の湯口にはコップが置かれ、またその上には「源泉(加温10度)かけ流しです」と書かれたプレートが掲示されています。飲める温泉を浴槽へ投入していることはもちろん、そのお湯を加温していることを正々堂々と正直に説明している点は好感が持てますね。



露天エリアの隅っこにも洗い場が設けられ、シャワー付き混合栓が2基設置されています。さすがに冬はここを使う人はおらず、水栓を含む周囲はカラカラに乾燥して使われた形跡が見当たりませんでした。

さて肝心のお湯ですが、見た目は薄い赤茶色に弱く濁り、良く見ると赤茶色の浮遊物がちらほら見られました。飲んでみると血のような(つまり鉄の赤錆味)が強くてこれに石灰の味と薄い塩味が混じって感じられました。想像通り臭覚面は金気というか赤錆の匂いです。ご近所の伊香保温泉に似たような知覚ですね。ギシギシと引っかかる浴感です。



(↑画像クリックで拡大)
館内にはあちこちにお湯の加温に関する説明プレートが掲示されています。上述のように源泉温度が33℃と入浴するにはちょっと低い温度なので、まず浴槽投入前にボイラーで加温し、浴槽でさらに(循環させるような形で)加温して温度調整をしているんですね。細かく丁寧に利用者へ温泉について説明しようとする姿勢が立派です。また私が利用中にも、スタッフの方が約1時間おきに浴室チェック(清掃など)や温度計測を行っていました。訪問時は老若を問わず多くのお客さんで賑わっていましたが、きめ細かなメンテナンスとお湯の良さが常連の支持を集めているんでしょうね。


カルシウム・ナトリウム-塩化物温泉 33.1℃ pH6.7 蒸発残留物2.36g/kg 成分総計2.18g/kg
Na:349mg, Ca:308mg,
Cl:944mg,

JR吾妻線・金島駅より徒歩3~5分
群馬県渋川市川島99-1  地図
0279-23-0001
ホームページ

10:00~21:30(受付は21:00まで) 毎月15日休業(土日祝の場合は翌日)
400円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント (10)
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