温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

北軽井沢温泉 絹糸の湯

2012年01月08日 | 群馬県

一昨年(2010年)5月のゴールデンウィークに開業した北軽井沢(応桑)地区では貴重な日帰り入浴施設。表通りからちょっと奥へ入ったわかりにくいロケーションなのですが、看板や幟が随所に立っているので、それを目印に進んだら問題なく辿りつけました。路地の敷地入口から更に坂を下って駐車場へ。



駐車場の奥には源泉施設が据え付けられています。



ちょっと上がった周辺の畑からは浅間山が望め、その手前の高原耕地には嬬恋村らしくキャベツ畑が広がっていました。



この画像は浴室入口および食堂周辺です。玄関入って右手が食堂、左手奥が浴室です。館内にはまだまだ新しさがそこかしこに漂っていました。玄関では下足箱のカギと引き換えに食堂などで使う館内精算用のリストバンドが手渡されます。受付では割引券の利用は無いかと何度も確認されましたが、その口調からして、もしかしたらこの施設では割引の利用が当たり前なのかもしれません。



(↑画像クリックで拡大)
玄関付近にはボーリングした源泉井の地層断面図が掲示されていました。平成19年4月に掘削され同8月に温泉湧出、その深さは1000mで、湧出量400L/minなんだそうです。



脱衣所はそれほど広くありませんが、ロッカーもドライヤーも完備された、清潔感みなぎる使い勝手の良い室内です。


 
太い柱が目立つ木材と石材の味を活かした和風の内湯。洗い場のカランはシャワー付き混合栓が9基、L字型に並んでいます。四角い浴槽は10人以上は余裕で入れそうな大きなもので、窓に面しているので湯舟や浴室内には日の光が燦々と降り注いでいます。



湯口から出てくるお湯はやや熱めですが、浴槽の表面積が広いためか浴槽では程良く冷めて丁度良い湯加減でした。浴槽縁からのオーバーフローは無く、端の排水口から排湯されていきます。掛け流しの湯使いかと思われます。
深緑色を帯びた黄土色に濃く濁るお湯で、透明度は20cmくらいおでしょうか。湯中では黄土色の細かい浮遊物がたくさん漂っています。味覚面では薄い塩味+鮮度感のあるキリっとした金気味+土気味+ゴムが焦げたような味、臭覚面では土気臭+金気臭+ゴムが焦げたような臭いが、それぞれ感じられました。また弱いスベスベと土類泉的な引っかかりが混在する浴感が得られました。


 
こちらは露天風呂。こちらの浴槽はまるで庭園の池のように岩造りで広々としており、20人近くは入れそうです。ただ、浴槽内へと入ってゆく箇所にはステップがあるのですが、お湯の濁りが強いためにそのステップすら見えず、足元を確認できない不安に駆られて手すりにつかまりながら足裏の感触で探りつつ浴槽へと入ってゆくのが、ちょっと怖かったです。浴槽が広いために温度ムラが発生しやすく、このため浴槽下面6箇所からお湯が噴出されていました。またこれだけでは足りないのか、あるいはビジュアル面で「お湯をちゃんと投入していますよ」とアピールするためか、上述のステップ付近にも湯口が設けられており、この周辺だけヤケに湯加減が熱めでした。
露天風呂は日の光を直接受けているためか、内湯と異なり色彩面で緑っぽさが消え、黄土色が明るく強調されて見えました。また、内湯も露天も、浴槽側面や縁は黄土色に染まっていました。
露天は谷底のような地形に設けられており。周囲の崖や木立に視界を阻まれて眺望を楽しむことはできませんが、屋根や塀があるわけではないので十分に開放感が味わえ、さわやかな高原の風に吹かれて心地よい湯あみが楽しめました。


なおこの「絹糸の湯」はシルキーハイランドと称する民間業者の開発の一部なんだそうでして、まず温泉を掘り当てて日帰り温泉を建設するのが第一次計画、宿泊施設を新設して大露天風呂を増設するのが第二次計画、温泉利用の水耕栽培や農業プラントを展開するのが第三次計画として企図されているんだそうです。
施設面も濃いお湯もなかなか好感触で気に入ったのですが、特段ラグジュアリー感があるわけでもないのに、場所柄なのか、あるいは資金回収を急いでいるのか、1000円というかなり強気な料金設定がちょっと引っかかります。付近には「かくれの湯」というライバルも出現しましたから、計画の進捗と共に、今後両者が料金面などで切磋琢磨していくことを期待しています。


ナトリウム-塩化物温泉 58.8℃ pH6.9 400L/min(動力揚湯・1000m) 溶存物質5.41g/kg 成分総計5.70g/kg
Na:1610mg(85.93mval%),
Cl:1950mg(70.26mval%), HCO3:874mg(18.28mval%), 遊離CO2:285mg

群馬県吾妻郡長野原町応桑1544-150
0279-85-2641
ホームページ

毎週水曜定休
営業時間は季節や曜日により変則的
4月~9月:毎週火曜13:00~21:00(受付20:30まで)、火曜以外11:00~21:00(受付20:30まで)
10月~3月:毎週火曜13:00~20:00(受付19:30まで)、火曜以外11:00~20:00(受付19:30まで)
1000円(各種割引あり)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

コメント
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