温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

京町温泉郷 湯の谷温泉

2012年01月26日 | 宮崎県

宮崎県えびの市の京町温泉郷に点在する小規模温泉共同浴場のひとつです。結論を先に申し上げますと、ここのお湯はとっても気に入りました。まずロケーシションですが、京町温泉駅方面から岡松橋を渡って100mほど進んだ右手に位置しています。なお湯の谷温泉には目立った看板が無いので、気を付けていないと見逃す可能性大ですが、端を渡った直後に道路から見えるこのタンクが数少ない目印となるでしょう。もっとも、百戦錬磨の温泉ファンの皆さんなら、看板が無くとも雰囲気だけですぐに察知できてしまうかと思います。



画像の左が住居兼受付の母屋、右手の古びた平屋が湯屋です。母屋にはかつて商売をなさっていたような面影が残っていました。



母屋には窓口があり、その小窓で料金を支払います。訪問時にはおばあちゃんがニコニコしながら迎えてくれました。


 
母屋の向かいが湯屋。長い歳月を経ているような年季の入った建物です。入口の脇の棚には常連さんのお風呂道具がたくさん置かれていました。屋内ではなく戸の外に置いてあるのが意外です。盗まれるような心配なんてないのでしょう。


 
湯屋側は無人です。脱衣所はこんな感じ。古風な共同浴場らしく簡素な造りでまとれられているのですが、柱には扇風機の他に団扇まで用意されており、湯上りのクールダウン対策にぬかりありません。汗っかきの私にはとっても嬉しい備品です。


 
浴室にはPの字を横に倒したような浴槽が据えられいます。また浴槽手前に設けられた洗い場には混合栓が2基取り付けられており、うち1基はシャワー付きです。


 
P字形の浴槽は2分割されており、右側は3~4人サイズの普通の湯船、左側は浅い寝湯で、半分に割った竹が枕として置かれていました。また訪問時はちょうど冬至の頃だったため、管理者さんの小粋な計らいにより、湯船には柚子が浮かべられていました。
薄い鼈甲色の透明、お湯の色自体は薄いのですが、浴槽内も鼈甲色に染まっているので、色が濃く見えます。モール臭に加え、ほうじ茶のような香ばしい匂いと特徴のある揮発油的な油臭が優しく湯面から香り、湯口に置かれたお玉で飲んでみる、上述の香りが混ざって鼻から抜けるとともに、いかにもモール泉的なほろ苦さや、イタリアンローストのコーヒーのような奥深い味わいが仄かに感じられました。

いかにも純重曹泉らしいツルツルスベスベの非常に気持ち良い浴感で、弱めながら気泡の付着もあり、この泡付きが余計にスベスベ感を強調してくれます。やや熱めの湯加減なのですが、私はこのお湯の香り、そしてツルスベ且つ爽快な浴感にハマってすっかり虜になってしまい、出ようにも出られず、湯船を出たり入ったりしながらお湯に酔いしれている間に、完全に茹であがってしまいました。湯上りは脱衣所の扇風機と団扇のコンボで自分の体を急速冷却、重曹のおかげで非常に爽快な心地を味わえました。
お湯で体を温める冬はもちろん、汗でべたつく夏でも重曹のクレンジング効果ですっきり爽快な湯上りが期待できるでしょうね。こんなお湯には毎日入りたいなぁ。


ナトリウム-炭酸水素塩温泉
76.5℃ pH7.8 108.1L/min(動力揚湯) 溶存物質1.448g/kg 成分総計1.453g/kg
Na:344.1mg(91.17mval%),
HCO3:821.5mg(81.28mval%),
H2SiO3:116.5mg, 遊離CO2:4.8mg,

JR吉都線・京町温泉駅より徒歩12~3分(1.1km)
宮崎県えびの市大字岡松字水流198-3  地図
0984-37-1710

7:00~21:00
350円
備品類なし

私の好み;★★★

コメント (2)
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