前回記事「夏も涼しい大菩薩嶺 2013年8月 前編」のつづきです。

【10:30~11:00 大菩薩峠(1897m)】
峠にて30分休憩し、お茶を飲みながらおにぎりを頬張る。アブが頻りに周りをブンブン飛んでいるので鬱陶しいのだが、辺りにハッカ油を軽く振りかけたら、奴らはすぐに退散してくれた。
ここまでの道では人に全く会わなかったが、峠に至って俄然人の姿が多くなった。みなさん、上日川峠から唐松尾根を通ってここへやってきたのだろう。

この稜線は眺望が素晴らしいことで知られているが、この日はあいにくの曇り空ゆえ、眺望はあまり良くない。画像左(上)は上日川ダム(大菩薩湖)方面、画像右(下)は雲取山など奥多摩方向をそれぞれ眺望した様子だが、どちらもいまいち。

せっかちな私は一箇所にじっとしていることが苦手で、休憩もせいぜい30分が限界。時計の針が11:00ちょうどを指し示したところで大菩薩峠を出発し、北へ伸びる稜線上を進む。

坂を登りきったところ(親不知の頭)で振り返り、さっきまで休憩していた大菩薩峠を見下ろす。晴れていれば富士山が綺麗なんだろうけれども、この日は全く姿を見せてくれなかった。

ちょっとした礫地の坂を下ると…

【11:10 賽の河原】
賽の河原と称するガレ場の鞍部に至る。かつてはここが大菩薩峠だったらしい。たくさんの石ころを見つけると、その石を積み上げたくなる衝動に駆られるのは、自意識の有無にかかわらず、仏教徒であることの証だろう。

稜線上にはところどころ岩が剥き出しになっている場所があり、ちょっと歩きにくいのだけれども、寧ろ山らしくて良いアクセントになる。

【11:25 2000m地点(神部岩)】
ここも晴れていれば眺めが良いんだろうな。この日はせいぜい湖や塩山の街並みが眺望できる程度。

2000m地点(神部岩)と雷岩の中間にはコウリンカの大きな群生が。

【11:37 雷岩】
大菩薩嶺・大菩薩峠・上日川峠、各方向へ至る道の三叉路となっている雷岩。

【11:43 大菩薩嶺(2057m)】
今回の行程における最高地点、大菩薩嶺。一応日本百名山らしいのだが、辺りはコメツガが生い茂って眺望は楽しめず、広場も対して広くなく、本当にここがピークなんだか実感がわかない。少なくとも雰囲気だけはちっとも百名山ではない。

三角点もあることはあるのだが、一等でも二等でもなく、三等である。標高だって2000mをちょっと超えた程度で大して高くはない。でも涼しさは本物。お昼だというのに、山頂の気温は17℃であった。ちなみにこの日の甲府の最高気温は36℃だったから、なんと20℃近い開きがあったのだ。やっぱり暑い日には登山するに限るね。

時計の針が11:50ちょうどを指し示したタイミングで、大菩薩嶺の頂上を出発し、丸川峠に向かって下山開始。コメツガ林の中をひたすら下ってゆく。

丸山峠に至る区間は一帯がコケに覆われており、深緑の美しい世界が広がる。

石垣でかためられた区間も何箇所かあった。

たまにこんな感じで塩山の市街地方向の眺望がきく場所を通過。

どんどん下って樹林帯を抜け、明るい草原を進んでゆくと…

【12:40~50 丸川峠】
青いトタンの山小屋「丸川荘」が目立つ丸山峠に到達。山小屋はいつも開いているわけではなく、事前に予約が必要らしい。この日はクローズだった。

山頂より標高は低いが、気温は21.8℃と十分涼しい。とても静かなこの峠で10分休憩。

丸川峠での休憩を終えて、最後の下りへ向かう。登山地図には「急登」と記されており、そこを逆行する私にとっては「急下」となるわけだが、とはいえ大したことないだろうと高をくくっていたら、本当に急な坂道が延々と続き、なめてかかっていた私の膝は、情けないことにカタカタと笑い始めた。登りだったら相当辛そうだ。

眺望が無いブナ林の中をただひたすら下るのみ。登りは涼しさのおかげであまり疲れなかったが、丸川峠からの下りは、眺望というご褒美がなく、アブにつきまとわれて鬱陶しく、下界へ近づくにつれてどんどん暑くなり、しかも急な下りで膝が笑い出す…最後の最後で疲れが一気に噴き出してしまった。喉もやけに乾く。とっととこの退屈な山道から脱出したいと焦りながら道なりに下っていると、やがてせせらぎの音が耳に入り、目の前に「丸川荘」の白い看板が現れた。この手のものが掲示されているということは、そろそろこの山道もおしまいか…。

案の定、その看板の先は山道の終着点であった。ここからは川に沿って、車が走れそうな凸凹の林道を駐車場に向かって歩くだけ。

川には砂防ダムが連続している。もう大した起伏は無い。

【14:00 丸川峠分岐駐車場(裂石) ゴール】
ちょうど7時間で一周し、この駐車場へと戻ってきた。口にするのも嫌だが、下界は暑い。
大菩薩嶺の稜線上は、下界の猛暑とは無縁の涼しさであった。涼を求めるならば、やっぱり山が良い。しかしながら、今回私が辿ったようなルートを周回することなく、上日川峠まで車で行って、そこから歩き始めれば、気軽に稜線上へアクセスすることができるだろう。


【10:30~11:00 大菩薩峠(1897m)】
峠にて30分休憩し、お茶を飲みながらおにぎりを頬張る。アブが頻りに周りをブンブン飛んでいるので鬱陶しいのだが、辺りにハッカ油を軽く振りかけたら、奴らはすぐに退散してくれた。
ここまでの道では人に全く会わなかったが、峠に至って俄然人の姿が多くなった。みなさん、上日川峠から唐松尾根を通ってここへやってきたのだろう。


この稜線は眺望が素晴らしいことで知られているが、この日はあいにくの曇り空ゆえ、眺望はあまり良くない。画像左(上)は上日川ダム(大菩薩湖)方面、画像右(下)は雲取山など奥多摩方向をそれぞれ眺望した様子だが、どちらもいまいち。


せっかちな私は一箇所にじっとしていることが苦手で、休憩もせいぜい30分が限界。時計の針が11:00ちょうどを指し示したところで大菩薩峠を出発し、北へ伸びる稜線上を進む。

坂を登りきったところ(親不知の頭)で振り返り、さっきまで休憩していた大菩薩峠を見下ろす。晴れていれば富士山が綺麗なんだろうけれども、この日は全く姿を見せてくれなかった。

ちょっとした礫地の坂を下ると…


【11:10 賽の河原】
賽の河原と称するガレ場の鞍部に至る。かつてはここが大菩薩峠だったらしい。たくさんの石ころを見つけると、その石を積み上げたくなる衝動に駆られるのは、自意識の有無にかかわらず、仏教徒であることの証だろう。

稜線上にはところどころ岩が剥き出しになっている場所があり、ちょっと歩きにくいのだけれども、寧ろ山らしくて良いアクセントになる。


【11:25 2000m地点(神部岩)】
ここも晴れていれば眺めが良いんだろうな。この日はせいぜい湖や塩山の街並みが眺望できる程度。


2000m地点(神部岩)と雷岩の中間にはコウリンカの大きな群生が。


【11:37 雷岩】
大菩薩嶺・大菩薩峠・上日川峠、各方向へ至る道の三叉路となっている雷岩。


【11:43 大菩薩嶺(2057m)】
今回の行程における最高地点、大菩薩嶺。一応日本百名山らしいのだが、辺りはコメツガが生い茂って眺望は楽しめず、広場も対して広くなく、本当にここがピークなんだか実感がわかない。少なくとも雰囲気だけはちっとも百名山ではない。


三角点もあることはあるのだが、一等でも二等でもなく、三等である。標高だって2000mをちょっと超えた程度で大して高くはない。でも涼しさは本物。お昼だというのに、山頂の気温は17℃であった。ちなみにこの日の甲府の最高気温は36℃だったから、なんと20℃近い開きがあったのだ。やっぱり暑い日には登山するに限るね。

時計の針が11:50ちょうどを指し示したタイミングで、大菩薩嶺の頂上を出発し、丸川峠に向かって下山開始。コメツガ林の中をひたすら下ってゆく。


丸山峠に至る区間は一帯がコケに覆われており、深緑の美しい世界が広がる。

石垣でかためられた区間も何箇所かあった。

たまにこんな感じで塩山の市街地方向の眺望がきく場所を通過。


どんどん下って樹林帯を抜け、明るい草原を進んでゆくと…


【12:40~50 丸川峠】
青いトタンの山小屋「丸川荘」が目立つ丸山峠に到達。山小屋はいつも開いているわけではなく、事前に予約が必要らしい。この日はクローズだった。

山頂より標高は低いが、気温は21.8℃と十分涼しい。とても静かなこの峠で10分休憩。


丸川峠での休憩を終えて、最後の下りへ向かう。登山地図には「急登」と記されており、そこを逆行する私にとっては「急下」となるわけだが、とはいえ大したことないだろうと高をくくっていたら、本当に急な坂道が延々と続き、なめてかかっていた私の膝は、情けないことにカタカタと笑い始めた。登りだったら相当辛そうだ。


眺望が無いブナ林の中をただひたすら下るのみ。登りは涼しさのおかげであまり疲れなかったが、丸川峠からの下りは、眺望というご褒美がなく、アブにつきまとわれて鬱陶しく、下界へ近づくにつれてどんどん暑くなり、しかも急な下りで膝が笑い出す…最後の最後で疲れが一気に噴き出してしまった。喉もやけに乾く。とっととこの退屈な山道から脱出したいと焦りながら道なりに下っていると、やがてせせらぎの音が耳に入り、目の前に「丸川荘」の白い看板が現れた。この手のものが掲示されているということは、そろそろこの山道もおしまいか…。


案の定、その看板の先は山道の終着点であった。ここからは川に沿って、車が走れそうな凸凹の林道を駐車場に向かって歩くだけ。


川には砂防ダムが連続している。もう大した起伏は無い。


【14:00 丸川峠分岐駐車場(裂石) ゴール】
ちょうど7時間で一周し、この駐車場へと戻ってきた。口にするのも嫌だが、下界は暑い。
大菩薩嶺の稜線上は、下界の猛暑とは無縁の涼しさであった。涼を求めるならば、やっぱり山が良い。しかしながら、今回私が辿ったようなルートを周回することなく、上日川峠まで車で行って、そこから歩き始めれば、気軽に稜線上へアクセスすることができるだろう。