旧新治村エリアの国道17号を走っていたら、以前拙ブログで取り上げたことのある「漣温泉 のぞみの湯」の外壁が白く塗り替えられ、屋根のトタンも葺き替えられていることに気づいたので、久しぶりに再訪してみることにしました(以前の記事はこちらです)。建物自体は以前のままなのですが、老朽化が激しかった箇所を中心に改修工事が行われたようですね。
施設前の低い屋根が掛けられているところには源泉井らしき設備があり、そこから湯屋脇のボイラーに向かって配管が通っています。
脱衣室内はほぼ以前のままでして、「施設が老朽化しておりますので台風並みに強風の時には事故防止のため入浴をを控えるようお願いします」という、この湯屋ならではの注意書きも相変わらずです。
壁に括りつけられている料金箱に100円玉を投入すると、チャリンと乾いた音が室内に響きます。無人施設であるために1円玉で誤魔化して利用する輩もいるそうですが、このお湯の利用者にそんな人がいるかと思うと、とても残念です。
以前のままだった脱衣室とは打って変わって、浴室には手が加えられて小奇麗になっており、以前は裸の石膏ボードが剥き出しになっていた内壁はクリーム色の塗装が施されており(一部は早くも剥げ始めていますが…)、浴槽も以前より分厚い木の板で組まれた頑丈なものに生まれ変わっていました。湯船の容量は以前同様3人サイズです。
お湯には変化がなく、見た目は無色透明、ふんわりとタマゴの味と匂いが感じられ、ほんのりと芒硝感も帯びているようです。源泉温度が34~5℃であるためボイラーで41℃前後に加温していますが、加水循環消毒などは行われておらず、しっかり放流式の湯使いです。ここのお湯に入浴すると忽ち全身が夥しいほどの気泡に覆われ、この気泡付着によるフワフワ感や、アルカリによるツルツルスベスベ浴感が実に気持よく、程よい加温による絶妙な湯加減も加わって、一度入ると出るのが躊躇われてしまうほど、いつまでも浸かっていたくなる魔力を有しています。北毛地域に湧く温泉はグリーンタフ系、すなわち無色透明の硫酸塩か食塩泉が大半を占めるわけですが、この漣温泉は確かに芒硝系のお湯でありながら、ツルスベ感が強くて気泡の付着が激しいアルカリ性単純泉であり、周辺の温泉とはちょっと毛色が違うんですよね。何度でも再訪したくなる本当に素晴らしいお湯です。
私の入浴中に後からやってきた地元の爺様から話を伺ったところ、この浴場は役場を退職した方々などを中心にして運営管理が行われているそうでして、2年程前に役場からの助成を受けて改修工事が実施されたんだそうですが、近年は地元の利用者の高齢化によってどんどん減少しているんだそうです(つまり次々と三途の川の向こう側へ旅立っているわけですね)。このままいくと、近い将来に浴場の運営が困難になるほど定期利用者が減少してしまうのではないかと心配したくなりますが、そんな心配が杞憂に終わるよう、末永く浴場を維持していただきたいと願っております。
アルカリ性単純温泉 34.8℃ pH9.3 30L/min(掘削自噴) 溶存物質0.72g/kg 成分総計0.72g/kg
Na+:216mg(93.08mval%), Ca++:13.5mg(6.69mval%),
Cl-:102mg(27.12mval%), SO4--:303mg(59.44mval%), CO3--:25.2mg(7.67mval%), HS-:0.4mg,
H2SiO3:41.7mg,
群馬県利根郡みなかみ町某所
15:00~21:30
100円
備品類無し
私の好み:★★★