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真夏の暑い日にはぬるめの露天風呂に入ったらさぞかし爽快だろうと考え、上州・猿ヶ京の東の山中、細い一本道のどん詰まりに佇む一軒宿「川古温泉 浜屋旅館」で日帰り入浴してまいりました。山奥の秘湯らしからぬ立派な建物にちょっと驚きますが、山と川に挟まれた限られた土地を有効に活かすべく、玄関の間口こそ狭いものの、奥および垂直方向にスペースを確保しているんですね。
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渓谷に面して開放的で明るいフロントおよびロビーは、立地環境をうまく活かした造りでして、大きなガラス窓により、館内に居ながらにして、美しい清流のせせらぎや山の緑が目の前に迫ってくるかのようです。
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エレベータで1フロア下へ降り、廊下を進んだ先にある浴室へと向かいます。浴室は手前から女湯・男湯・混浴の3つに分かれており、それぞれに脱衣室と内湯が用意されているのですが、今回は男湯の方を利用させていただくことに。
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脱衣室はコンクリ打ちっぱなしでモダンな感じ。洗面台にはドライヤーも備え付けられています。なお室内にロッカーは無いので、貴重品の保管には1階帳場前の100円有料ロッカーを使うことになります。
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男湯内湯の様子。コンクリ打ちっぱなしの壁に白木の木材を並べて立てかけることにより、落ち着いたクールさと木材が放つぬくもりを共存させる、モダン和風らしい空間となっています。またガラス窓からは渓谷から降り注ぐ柔らかな外光が入り、湯船を優しく照らしていました。洗い場にはシャワー付き混合水栓が2つ設けられています。
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2つのシャワーの間には上がり湯用の鉢が置かれており、くり抜かれた中央の底からは温泉が噴き上がっていました。湯量が豊富だからこそできる小業ですね。
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分厚い木の縁で囲われた浴槽は2~3人サイズ。槽内のステップには緑色凝灰岩が用いられ、底には玉砂利が敷かれており、無色澄明なお湯の清らかさが玉砂利の美しさによってより際立っていました。お湯は底より供給されており、湯面上の湯口は使用されていませんでしたが、投入量自体はかなり多く、縁から惜しげも無く贅沢に溢れ出ていました。湯船の温度は40℃くらいで実にコンフォータブル。小さな浴室ですが、そこで用いられている材質の良さがよく伝わってくる、とても贅沢で落ち着けるお風呂です。
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一方、こちらは混浴浴室の脱衣室。男湯よりもやや広めとなっており、長期滞在の湯治客のためか、洗濯機が設置されています。
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混浴内湯の様子。基本的な造りは男湯内湯とほぼ同様であり、こちらでもふんだんにお湯が掛け流されていますが、室内空間や湯船の大きさは若干広めに確保されています。でもシャワーはひとつだけ。
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ちゃんと洗い場には上がり湯がありました。
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内湯から屋外に出て軒先を進んだ先に大きな露天風呂があるのですが、その手前には飲水および飲泉所が設けられており、2つ並んでいるつくばいのうち、右側の白い析出がビッシリとこびりついている方が温泉の飲泉所です。一方、左側は川古の湧水なんだそうでして、この湧水を飲んでみますと、全身がシャキッと冴え渡るほど清冽な美味しさが喉を潤してくれました。温泉の味については後述します。
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各内湯と露天風呂を連絡する軒下は休憩スペースを兼ねており、腰掛けに座って紫煙を燻らせながら、渓流の風にあたってゆっくりと涼んでいる湯浴み客の姿も見られました。
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石灯籠が設けられた日本庭園の中で漫然とお湯を湛える大きな池のような露天風呂は、周囲を大きな岩で囲まれた岩風呂であり、山の緑と渓流のせせらぎに彩られた、とても爽やかな環境です。山の緑のみならず、お風呂の周りにはツツジなどの灌木も植えられているので、季節のよっては花や紅葉も一緒に楽しめるでしょうね。また露天の約半分は東屋で覆われているので、多少の悪天候時でも問題なく湯浴みできるでしょう。
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この露天風呂は混浴でして、女湯内湯には混浴に慣れないお客さん向けに湯浴み着が用意されているそうですが、お風呂の中央には半島のように岩が突き出ており、これを目隠しにして男女をうまく区分することもできそうです。
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露天風呂へ滝のように音を轟かせながらドバドバと湯を落としている石樋の裏には、白い析出があごひげのように付着していました。
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上述の石樋のみならず、半島状の岩の仕切りを向こう側でも、もう一つ湯口があり、ここからもしっかりとした量のお湯が投入されていました。
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露天風呂に注がれた大量のお湯は湯面を波立たせながら湯船を満たし、そして渓流に向かって用水路の如く大量に排湯されています。
毎分700リットルという湯量が自慢の川古温泉のお湯は、とても清らかな無色澄明で、お湯の中では肌が青白く見え、湯面に立つさざなみはキラキラと虹色に輝いています。内湯では石膏臭と弱タマゴ臭が嗅ぎ取れ、飲泉すると明瞭な石膏味と共に弱タマゴ味も付帯してきます。入浴すると濃い石膏泉らしいトロトロ感や引っ掛かり浴感がはっきりと全身に伝わってきます。40℃に満たないので真夏でも爽快感があり、入浴中でも体への負担が少ないので、山の緑に抱かれながらいつまでも長湯できちゃいます。
また硫酸塩泉らしいパワフルさも発揮され、ぬる湯にもかかわらず、湯上り後は体の芯で燃料を燃やしているかのような温まりが持続されますが、それでいて後腐れのない爽快感も得られるのが面白いところです。品の良いジェントリーな浴感やマイルドなフィーリングとともに、体へガツンと衝撃を与えるようなパワフルさも具有しており、多面な個性や実力を兼ね備えたこのお湯は上州のぬる湯の名湯と称しても過言では無いでしょう。
湯治目的のお客さんも滞在するほどのお宿ですから、歓楽色とは一切無縁、山深い静かな環境の中で、時間を忘れてゆっくりと過ごす温泉であります。次回は宿泊で利用してみたいものです。
浜屋の湯
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉 39.9℃ pH7.9 溶存物質1.37g/kg 成分総計1.37g/kg
Na+:129mg(29.49mval%), Ca++:262mg(68.98mval%),
Cl-:91.4mg(13.42mval%), SO4--:774mg(83.87mval%),
H2SiO3:64.8mg,
群馬県利根郡みなかみ町相俣2577 地図
0278-66-0888
ホームページ
日帰り入浴10:00~16:00
1000円
ロッカー(有料100円)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★