※今回の記事にも温泉は登場しません。あしからず。
前回記事の続きです。
【16:30 合歓山主峰登山口】
車で台湾国道最高地点(標高3275m)の武嶺へ到達した後は、歩道を散策しながら合歓山の頂上へ歩いてみることにしました。この周辺は7つの峰が集まっている合歓山という山中にあり、武嶺は主峰と東峰の間にある鞍部にあたるんだとか。各峰のピークへは歩道が整備されているのですが、今回はその中でも主峰を目指しました。武嶺には駐車場が整備されているものの、この歩道入口には駐車場が無く、ゲート前にの道路には路駐の列が長く続いていました。
天気に恵まれたハイキング日和。ちょっと肌寒いけど歩くにはちょうど良い感じです。歩道はよく整備されており、登り一辺倒ですが歩きやすくて快適でした。右or下画像で山腹を右斜め上に走っている線は台14甲線の車道で、その線が稜線を越える地点が武嶺。そしてその右側に聳える山が合歓山の東嶺となります。
空気が澄んでおり、南北に連なる中央山脈の山稜やその周辺の景色が遠くまで見通せました。すばらしい眺望です。
この合歓山主峰ではシャクナゲ(ニイタカシャクナゲ)が群生をなしており、あちらこちらで花を開いていました。私が訪れたのは5月中旬だったのですが、後日調べたところによれば、合歓山でのシャクナゲの見頃は毎年5~6月だそうですから、運がよいことにちょうどシーズンのど真ん中だったようです。
標高の高いところは電波の送受信等に適しているため、洋の東西を問わず軍事施設が設けられやすいわけですが、この合歓山もご多分に漏れずかつては軍隊(中華民国軍)が駐留しており、歩道の途中には防空監視所か歩哨の詰所だったと思しきコンクリ躯体がいくつか見受けられました。
山頂の手前にある平たい広場に設けられている公衆トイレは、鼻が曲がりそうなほど酷い悪臭。気付薬の代わりになりそう。最近はどこのトイレも綺麗になっていますが、こんな臭いトイレに入ったのは久しぶり(山の上だから仕方ないのですけど)。
このトイレがある広場から伸びるウッドデッキを上がってゆくと…
【17:00~10 合歓山主峰頂上(標高3416m)】
歩き始めてから30分で合歓山主峰の頂上へ到達です。日本第二の高峰である北岳(3193m)より220mも高いのです。日本で3000m級の山を登るには相当な時間と体力、そして装備が求められますが、傍まで車で来られる合歓山は、何の装備も要らず、いとも簡単にてっぺんまで登ってこられちゃいました。
付近には多くのハイカーが憩っていたので、その中の一人に撮影をお願いしました。気温は15℃に満たず、ハイカーの皆さんは防寒具をしっかり着込んでいましたが、耐寒仕様の体が出来上がっている私はTシャツ1枚だけ。何ともマヌケな格好だこと。
シャクナゲで彩られた山頂は360度の大パノラマ。いつまでもこの雄大な絶景を眺めていたかったのですが、既に午後5時を過ぎていたため空の明るさが漸減し始め、しかも西の方から厚い雲が流れてきたので、ここでの滞在は10分間にして、その後は一気に下山することに。
【17:30 合歓山主峰登山口・ドライブ再開】
歩道入口まで戻ってくると、空は既に薄暮状態。もたもたしていると完全な闇に呑み込まれてしまいそうです。明るい内に山を下り、今日中に台中へレンタカーを返却したかったので、ここからは寄り道せずに台中へ急ぎます。前回記事で通過した合歓山ビジターセンター付近で、既に花蓮県から南投県へ入っています。あくまで私の主観ですが、南投県側の台14甲線は、花蓮県側の台8線より道幅の狭い区間が長い気がします。でもこの時間帯は台中方向へ下山する車ばかりなので、多少狭くても離合を気にすることなく、先行する車の後をついていけば大丈夫。急勾配の下り坂が延々と続くので、エンジンブレーキかけっぱなしです。
樹林帯に入っても勾配は緩むことなく、私はエンジンブレーキを効かせ続けたのですが、先行する車の多くはフットブレーキを多用しており、もし前方の車を意中の異性が運転していたとしても「アイシテル」のサインを読み取る隙も無いほど、真っ赤なブレーキランプを点灯させっぱなし。しかもかなりのスピードでカーブへ突っ込んでゆきます。台湾で運転する度に実感しますが、この地は本当にアグレッシヴなドライビングをする方が多いですね。
【18:10~15 清境農場のセブンイレブン(標高2050m)】
台中まで寄り道をするつもりは無かったのでしたが、山下りの途中で清境農場のセブンイレブンに差し掛かったので、台中までの水分とおつまみを確保すべく、ちょっと止まって買い物しました。このセブンイレブンは数年前まで台湾最高地点の営業店舗として有名だったそうですが、現在はここより高い阿里山にお店がオープンしたため、最高地点としての栄誉を阿里山店へ譲ることになったそうです。そういえば日本最高所のコンビニってどこなんだろう?(ネットでは長野県のローソン「白樺湖蓼科店」だという情報を見かけましたが…)
清境農場のセブンイレブンを出発してから、信号以外はノンストップで台中へ。途中、霧社付近の止人関で行楽帰りの車による渋滞が発生していました。かつて止人関は険しい地形ゆえ、清朝が漢族の通行を止めていたとされる場所ですが、いまでは交通量が多すぎて車の流れが止まってしまうのですから、「止人関」とは何とも皮肉な地名ですね。
埔里からは高速道路を飛ばして台中へ。台中手前のジャンクションでも渋滞にハマってしまい、結局台中のレンタカー会社営業所に到着したのは、合歓山主峰登山口を出てから3時間後の20:30でした。
【20:30 台中到着】
台湾には中央山脈を横断する道が3本あり、そのうち最も北にある「北横公路」は2年前に走行しました(拙ブログでも紹介させていただきました)。一方、南側の「南横公路」東側は、この前日に栗松温泉へ向かった際に走行したばかりです。そしてこの日、真ん中の「中横公路」の東半分を利用しながら台湾を東西に横断したわけですが、3本の横貫公路の中で今回の「中横」は最も走りやすく、見晴らしも良く、それゆえ交通量も桁違いに多い観光道路でした。日本では体験できないことを一日で触れることができた、とてもエキサイティングなドライブでした。
.
前回記事の続きです。
【16:30 合歓山主峰登山口】
車で台湾国道最高地点(標高3275m)の武嶺へ到達した後は、歩道を散策しながら合歓山の頂上へ歩いてみることにしました。この周辺は7つの峰が集まっている合歓山という山中にあり、武嶺は主峰と東峰の間にある鞍部にあたるんだとか。各峰のピークへは歩道が整備されているのですが、今回はその中でも主峰を目指しました。武嶺には駐車場が整備されているものの、この歩道入口には駐車場が無く、ゲート前にの道路には路駐の列が長く続いていました。
天気に恵まれたハイキング日和。ちょっと肌寒いけど歩くにはちょうど良い感じです。歩道はよく整備されており、登り一辺倒ですが歩きやすくて快適でした。右or下画像で山腹を右斜め上に走っている線は台14甲線の車道で、その線が稜線を越える地点が武嶺。そしてその右側に聳える山が合歓山の東嶺となります。
空気が澄んでおり、南北に連なる中央山脈の山稜やその周辺の景色が遠くまで見通せました。すばらしい眺望です。
この合歓山主峰ではシャクナゲ(ニイタカシャクナゲ)が群生をなしており、あちらこちらで花を開いていました。私が訪れたのは5月中旬だったのですが、後日調べたところによれば、合歓山でのシャクナゲの見頃は毎年5~6月だそうですから、運がよいことにちょうどシーズンのど真ん中だったようです。
標高の高いところは電波の送受信等に適しているため、洋の東西を問わず軍事施設が設けられやすいわけですが、この合歓山もご多分に漏れずかつては軍隊(中華民国軍)が駐留しており、歩道の途中には防空監視所か歩哨の詰所だったと思しきコンクリ躯体がいくつか見受けられました。
山頂の手前にある平たい広場に設けられている公衆トイレは、鼻が曲がりそうなほど酷い悪臭。気付薬の代わりになりそう。最近はどこのトイレも綺麗になっていますが、こんな臭いトイレに入ったのは久しぶり(山の上だから仕方ないのですけど)。
このトイレがある広場から伸びるウッドデッキを上がってゆくと…
【17:00~10 合歓山主峰頂上(標高3416m)】
歩き始めてから30分で合歓山主峰の頂上へ到達です。日本第二の高峰である北岳(3193m)より220mも高いのです。日本で3000m級の山を登るには相当な時間と体力、そして装備が求められますが、傍まで車で来られる合歓山は、何の装備も要らず、いとも簡単にてっぺんまで登ってこられちゃいました。
付近には多くのハイカーが憩っていたので、その中の一人に撮影をお願いしました。気温は15℃に満たず、ハイカーの皆さんは防寒具をしっかり着込んでいましたが、耐寒仕様の体が出来上がっている私はTシャツ1枚だけ。何ともマヌケな格好だこと。
シャクナゲで彩られた山頂は360度の大パノラマ。いつまでもこの雄大な絶景を眺めていたかったのですが、既に午後5時を過ぎていたため空の明るさが漸減し始め、しかも西の方から厚い雲が流れてきたので、ここでの滞在は10分間にして、その後は一気に下山することに。
【17:30 合歓山主峰登山口・ドライブ再開】
歩道入口まで戻ってくると、空は既に薄暮状態。もたもたしていると完全な闇に呑み込まれてしまいそうです。明るい内に山を下り、今日中に台中へレンタカーを返却したかったので、ここからは寄り道せずに台中へ急ぎます。前回記事で通過した合歓山ビジターセンター付近で、既に花蓮県から南投県へ入っています。あくまで私の主観ですが、南投県側の台14甲線は、花蓮県側の台8線より道幅の狭い区間が長い気がします。でもこの時間帯は台中方向へ下山する車ばかりなので、多少狭くても離合を気にすることなく、先行する車の後をついていけば大丈夫。急勾配の下り坂が延々と続くので、エンジンブレーキかけっぱなしです。
樹林帯に入っても勾配は緩むことなく、私はエンジンブレーキを効かせ続けたのですが、先行する車の多くはフットブレーキを多用しており、もし前方の車を意中の異性が運転していたとしても「アイシテル」のサインを読み取る隙も無いほど、真っ赤なブレーキランプを点灯させっぱなし。しかもかなりのスピードでカーブへ突っ込んでゆきます。台湾で運転する度に実感しますが、この地は本当にアグレッシヴなドライビングをする方が多いですね。
【18:10~15 清境農場のセブンイレブン(標高2050m)】
台中まで寄り道をするつもりは無かったのでしたが、山下りの途中で清境農場のセブンイレブンに差し掛かったので、台中までの水分とおつまみを確保すべく、ちょっと止まって買い物しました。このセブンイレブンは数年前まで台湾最高地点の営業店舗として有名だったそうですが、現在はここより高い阿里山にお店がオープンしたため、最高地点としての栄誉を阿里山店へ譲ることになったそうです。そういえば日本最高所のコンビニってどこなんだろう?(ネットでは長野県のローソン「白樺湖蓼科店」だという情報を見かけましたが…)
清境農場のセブンイレブンを出発してから、信号以外はノンストップで台中へ。途中、霧社付近の止人関で行楽帰りの車による渋滞が発生していました。かつて止人関は険しい地形ゆえ、清朝が漢族の通行を止めていたとされる場所ですが、いまでは交通量が多すぎて車の流れが止まってしまうのですから、「止人関」とは何とも皮肉な地名ですね。
埔里からは高速道路を飛ばして台中へ。台中手前のジャンクションでも渋滞にハマってしまい、結局台中のレンタカー会社営業所に到着したのは、合歓山主峰登山口を出てから3時間後の20:30でした。
【20:30 台中到着】
台湾には中央山脈を横断する道が3本あり、そのうち最も北にある「北横公路」は2年前に走行しました(拙ブログでも紹介させていただきました)。一方、南側の「南横公路」東側は、この前日に栗松温泉へ向かった際に走行したばかりです。そしてこの日、真ん中の「中横公路」の東半分を利用しながら台湾を東西に横断したわけですが、3本の横貫公路の中で今回の「中横」は最も走りやすく、見晴らしも良く、それゆえ交通量も桁違いに多い観光道路でした。日本では体験できないことを一日で触れることができた、とてもエキサイティングなドライブでした。
.