温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

角間温泉 共同浴場めぐり(その1 大湯・源泉井)

2011年07月18日 | 長野県

信州屈指の湯処である湯田中・渋温泉郷の傍に位置していながら、まるで数十年前から時間の針がピタっと止まったかのような昔ながらの静かな佇まいを残している角間温泉。湯田中・渋を含め、この界隈の温泉地では、それぞれが共同浴場を有していますが、そのほとんどが地元民専用、あるいは地元民と宿泊客のみが利用できるもので、原則的に外来者の利用ができません。しかしながら、あまり知られていませんが角間温泉は外来者でも共同浴場を利用できるので、この界隈では貴重な存在ではないかと思います。


●共同浴場の利用方法
外来者が利用出来るとはいえ、いきなり浴場へ行っても中へ入れません。次のような手順を踏むことになります。


湯田中や渋など周辺の温泉地と同様、角間の共同浴場も常時施錠されており、利用に際しては鍵が必要になります。鍵は角間温泉の中心部、大湯や越後屋旅館の前にある黒鳥商店で借りられます。お店には屋号らしきものは掲示されていませんが、集落唯一の万屋さんなので迷うことはないはず。


商店の斜め前の駐車場(商店指定の場所)に車を止め、料金(300円)と共に車の鍵を手渡すことにより、鍵を貸してくれます。車の鍵を預けるのは、おそらくデポジットみたいな意味合いがあるんでしょう(車ではなく徒歩や路線バスで訪れた場合はどうなっちゃうんでしょうか?)。
この斜めに切られた木の板切れみたいなものがお風呂の鍵。3つある共同浴場共通です。
鍵を借りるということは、当然ながらその数には限度がありますから、もしかしたら鍵が全て貸し出されちゃっている時があるかもしれませんね。

 
各浴場とも入口は男女で分かれており、その扉の脇に小さな穴が開いています。これが鍵穴です。鍵(というか木の板切れ)の尖った方を左側にしてその穴に挿し込むと、鍵の先端が穴の奥の電磁スイッチに触れてジーーという音が聞こえますので、その音が鳴っている時に扉を開けます。

湯めぐりが終わったら黒鳥商店へ鍵を返却します。これにより自分の車の鍵もこちらへ返されます。


●大湯
 
昔ながらの木造の旅館によって三方を囲まれた温泉街の中心に建つ大湯。旅館群に負けず劣らず、こちらも風格ある立派な木造の湯屋造りです。

 
越後屋旅館や黒鳥商店に開けた妻面の方が入口なのかと思いきや、実際の玄関は側面の道路に面した場所でした。さっそく借りた鍵を穴に差し込んで中へ。

 
とっても小さい玄関を上がると、そこはいきなり脱衣所、そして浴室になっていました。古い共同浴場によくある脱衣所と浴室が一体型になっているタイプに造りで、これは角間の他の共同浴場でも共通です。地元の方の手によりとても綺麗に手入れされていました。
洗い場には水の蛇口しかないので、桶で直接湯船のお湯を汲んで使います。壁面には石鹸を置くための小さな棚のような凹みがいくつか設けられていて、実用的でありながら可愛らしくもあります。湯船は3~4人サイズで、縁は黒い御影石、他はタイル貼りです。

 
湯気抜きまわりは年季が感じられます。この湯気抜きが高い位置にあって幅も広いため、浴室内には湯気がこもりにくく、とても快適な湯浴みが楽しめました。
男湯と女湯の間の、ちょうど湯船の真上にあたる位置には、木板に揮毫された古い分析表が掲示されていました。

 
お湯は無色透明、石膏臭に加え、何かを燻したような香ばしい匂い、そして石膏味+塩気の抜けたようなダシ汁のような味が感じられます。硫酸塩の影響か、キシキシとした浴感です。白い析出が付着した湯口からは熱めの源泉が投入され、しっかりとオーバーフローしていきます。人が入るとザバーっと勢い良く溢れでていきます。湯中をよく見ると茶色い小さな浮遊物が少々舞っていました。熱めのお湯はキリリと冴え、新鮮さが実感できました。大湯という名前にふさわしい風格と、鮮度良好のお湯を有する、素晴らしい浴場です。


薬師の湯とみろくの湯の混合泉
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 73.2℃(分湯枡) その他数値は不明
(湯温調整のため加水あり、加温・循環・消毒なし)

長野県下高井郡山ノ内町佐野 地図
 
外来者利用可能時間8:30~16:00
300円(利用方法は上述のとおり)
備品類なし

私の好み:★★★



●源泉井

さて大湯から東へ向かって緩やかな坂を上がると、すぐ目の前に薬師堂が見えてきます。


この薬師堂の右手は小さな児童公園になっているのですが、その敷地内の奥に怪しい物を発見。近づいてみると…

 
案の定、源泉井でした。櫓ではシューシューと音を立てながら熱湯が汲み上げられ、その一部がパイプから外へ捨てられています。もし都会で、児童公園内に熱湯を排出する施設があったら、危険性を指摘されて大問題になりそうですが、ここではそんな野暮な発想とは無縁のようで、子供の遊び場と温泉とが仲良く共存しているのであります。


薬師堂のさらに奥の方へ上がってゆくと、段々になっている畑の奥にも櫓を発見。

 
この源泉も勢いが良く、注意しながら接近してみると、まるで番犬が不審者を威嚇するかのごとく、こちらへ向かって熱湯が霧状にドバっと噴出してきました。あたかも間欠泉を見学しているかのようです。小屋の上部からは溢れたお湯が滴り落ちていました。湯量が豊富で、ちょっとぐらい漏れても供給量的には全然問題ないんでしょうね。ここには本物の温泉の姿がありました。

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2010年夏 秋田駒ヶ岳トレッキング

2011年07月17日 | 秋田県
前回の記事では「アルパこまくさ」のお風呂について書かせていただきましたが、入浴当日は高山植物が豊富な秋田駒ヶ岳へ登り、その際の汗を流すべく「アルパこまくさ」に寄ったわけです。そこで、前回の記事のついでみたいな形になっちゃいますが、昨年(2010年)に訪れた秋田駒ヶ岳の画像をご覧いただきたく思います。これからトレッキングなさる方の参考にして下されば幸いです。

※一応文中にてタイムを記していますが、けっこう早いペースですのであしからず。

 
秋田駒ヶ岳は8合目まで舗装道路が通じていますが、夏期は一般車の乗り入れは禁止されているため、田沢湖高原の「アルパこまくさ」から発着するシャトルバスで8合目へと向かうことになります。
(マイカー規制については仙北市のサイトを参照)
バス停前には朝から多くのハイカーが行列をつくっており、バスはほぼ満員でした。上述の仙北市のサイトでシャトルバスの時刻表も確認できますから、その時間に合わせてお出かけになるといいでしょう。

 
約20分で8合目に到着です。立派な小屋があって、山に関する情報が得られるほか、飲食物の購入もできます。目の前には水場もありました。

 
トイレを済ませ、水場で喉を潤したら、さぁ出発。見上げるとこれから目指すべき頂上もよく見えます。


登り始めて早々にこのような噴気帯と遭遇。8合目は日窒の硫黄鉱山跡ですから、おそらくこうしたガレ場は硫黄採掘が行われた跡なのでしょう。

 
そのガレ付近で早速お花を発見。ウメバチソウですね。

 
勾配が緩やかで歩きやすい道です。眺めも素晴らしい。ハエやアブが多くて鬱陶しいのが難点か…。

 
綺麗だわ。ちょっとブレてしまった…。


出発から20分で、片倉岳を通過。

 
見上げると男女岳の頂上が、見下ろすと雲下に水をたたえる田沢湖が、それぞれ眺望できました。

 
片倉岳を越えると勾配はさらに緩やかになり、やがて湿原に入り込み、木道の上を歩きます。そよ風が吹いてとっても爽快。

 
駒ヶ岳のカルデラ内部に入ると道が完全に平坦となり、そのまま快調に進んでゆくと、目の前が急に開け、小さな池が現れました。阿弥陀池です。池畔の木道をどんどん歩きます。


8合目のスタートから50分で阿弥陀池避難小屋に到達。まだスタートしてから1時間も経っていないので、ここでは休まず、まずは駒ヶ岳の中でも最も高い男女岳へ登ることにしました。

 
避難小屋から伸びる真っ直ぐな一本道を登ります。途中では阿弥陀池の全貌を見降ろせます。

 
避難小屋からわずか10分で男女岳頂上に到達(1637m)。三角点もきっちり撮影。


眺望もすばらしい! 岩手山や早池峰方面を望んでいます。この日は天候に恵まれ、最高の眺望が得られました。

 
つづいて男岳へ。一旦避難小屋へ戻り、池湖を歩いて男岳への登山道へ取り付きます。今回の行程では唯一山登りっぽい感じ。


この尾根の上をつたって歩いていきます。灌木帯なので日差しを遮る影はありませんが、下界は猛暑でも山の上はとっても涼しくて日差しがあまり気にならないほどで、むしろ時折ひんやりする風すら吹いてきます。

  
左側に開ける展望には、サザエの貝殻を思わせる小岳の火山丘が、可愛らしい形状を見せてくれました。
登って来た道を振り返ると、阿弥陀池、そして岩手山がクッキリ眺望できます。

 
避難小屋から20分弱で男岳の頂上に到達(1623m)。いままではひたすら快晴でしたが、運悪く、私が頂上にいるときだけは山裾に雲がかかってしまいました。それでも雲の隙間から田沢湖がちょこっと姿を現してくれましたので、まぁ良しとしましょう。

 
こんどは横岳へ。男岳を下り、池へは戻らず、男岳と横岳を結ぶ尾根「馬の背」を歩きます。

 
細い道の両側から灌木の硬い枝が繁っているため、結構歩きにくいのですが、高山植物はとっても豊富なので、その花々をでながらゆっくり歩くといいかもしれません。

 
火山丘の向こう側は国見温泉でしょうね。小岳の下の白い線は「馬場の小径」と呼ばれる登山道です。やがて右手に大焼砂が見えてきたら…


男岳頂上から25分で横岳に到着です(1583m)。今回のトレッキングはここでおしまい。
後は阿弥陀池へ下って、8合目へ戻るだけ。涼しいから下界に戻りたくない…。

8合目までバスでアクセスできる利便性、高山植物が豊富な点、勾配がなだらかな点など、どなたでも楽にトレッキングできる特長を有する素晴らしい山でした。

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田沢湖高原温泉 アルパこまくさ

2011年07月15日 | 秋田県
 
昨年(2010年)夏ですが、秋田駒ヶ岳へトレッキングした際、下山後の汗を流すべく「アルパこまくさ」のお風呂へ立ち寄ってきました。現在秋田駒ヶ岳の8合目駐車場までは一般車の乗り入れが禁止されており、アクセスは路線バスのみとなっています。このマイカー規制に伴う登山客への拠点施設として開設されたのが「アルパこまくさ」なんだそうです。


広い駐車場はもちろんのこと、館内には温泉施設や食堂が設けられているほか、火山防災ステーションや秋田駒ヶ岳のビジターセンター的な役割も果たしており、秋田駒ヶ岳の防災(噴火対策や砂防)に関する様々な展示が見学できます。

 

新しい施設だけあって、館内はとっても綺麗。
脱衣所(未撮影)はウッディな雰囲気で、明るく清潔感があり、使い勝手も良好。浴室の洗い場にはシャワー付き混合栓が11基用意されていました。天井が高くて開放的。梁や柱など浴室内でも木材を多用しており、とても温かな良い雰囲気です。
こちらで使用されている温泉水は、界隈の宿泊施設にも引かれている空吹の造成泉(噴気に水を当てて人工的に造った温泉)で、内湯では灰色を帯びた青白色に濁っています。季節により加水または加温で温度調整されており(循環・消毒なし)、熱すぎずぬるすぎない心地良い湯加減でした。

 
露天風呂は岩風呂とヒバ風呂の2種類があり、男女入れ替え制になっています。訪問した日の男湯は岩風呂でした。その名前の通り?、浴槽の傍には駒ヶ岳から運んできたと思われる多孔質の玄武岩が置かれており、湯口も玄武岩でできていました。
この露天風呂からの眺めが素晴らしい。高原からの眺望には視線を遮るものが全く無く、麓の田沢湖が明瞭に見晴らせました。しかも湯船に入っていながらも、その景色を楽しめるのです。眺望の良い露天風呂は全国各地にもありますが、湯船に体を沈めると視線も下がるので、大抵の場合はその瞬間に展望が楽しめなくなります。しかし、ここはお湯に入りながらちゃんと景色も楽しめるので、そういった点で意外と珍しい貴重なお風呂だと思います。内湯では灰色掛かって見えたお湯も、露天では外の光の影響か、青みを帯びた綺麗な乳白色に濁っていました。おそらくこの手のお湯は放置しておいたらどんどん濁りが沈殿していき、透明な上澄みのお湯が現れるでしょうが、お客さんの出入りが多いのでお湯は沈殿している暇がなく、訪問時はひたすら白濁していました。ツンと鼻を突く硫化水素臭、そして軟式テニスボール的な硫黄味+苦味+渋味が感じられます。

高原の風に吹かれながら絶景を眺めていると、いつまでも露天風呂に入っていたくなりました。しかも、実質的には公営と表現しても差し支えないような第三セクターの運営にもかかわらず、お湯は造成泉の共同源泉ながら、循環・消毒されていません。えてしてこの手の公営の入浴施設はお湯の質的にハズレの場合が多いのですが、お湯良し、施設良し、景色良し、と三拍子が揃っており、その(良い意味での)意外性に驚かされました。ちょっと奥へ進めば人気の「秘湯」(人気の秘湯って言葉として矛盾がありますが…)である乳頭温泉郷が控えているので、わざわざ遠方から来てこのお風呂に入ろうという方は少ないかと思いますが、もし付近まで来たら立ち寄ってみてもいいかと思います。特に駒ヶ岳の下山後の入浴には最適です。



空吹1号・2号・4号混合泉
単純硫黄泉(硫化水素型) 59.1℃ pH不明(表示無し) 溶存物質(概算)316.2mg/kg 成分総計(概算)473.05mg/kg

(↑サムネイルをクリックで拡大)
溶存物質と成分総計の数値は私が分析表の数値をもとに単純計算したものです。館内掲示の分析表には「溶存物質4066.1mg/kg 成分総計4066.1mg/kg」と表記されていますが、これは明らかに誤記でしょう。

秋田県仙北市田沢湖生保内字駒ヶ岳2-16  地図
0187-46-2101
ホームページ

9:00~19:00(受付は18:00まで)
5・9・10月:第3木曜定休、6~8月:無休、11~4月:毎週木曜定休(年末年始は無休)
※休館日以外の木曜と、毎週金曜は18:00まで(受付17:00まで)
500円
100円リターン式ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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海老鶴温泉

2011年07月15日 | 山形県
 
最上川に架かる河北橋から右岸の土手の上を数百メートル進んだ、ちょうど土手の真下にある一軒の温泉入浴施設。SLを模造した構造物が目印です。
画像では見切れていますが、右隣に建つアクリル波板屋根の小屋が廃墟寸前のボロボロで、醸し出している古さや雰囲気が、温泉もその小屋もどことなく似ているので、土手の上から俯瞰で見たときに温泉は営業しているのかちょっと不安でしたが、玄関にはちゃんと「営業中」の札が提げられていました。

 
目の前を最上川が流れ、周囲には田んぼや果樹園が広がり、西を向くと月山が、東を向けば蔵王連峰がそれぞれ綺麗な姿で聳えている、実に長閑で美しい風景が広がっている場所です。

 
玄関を入るとおばちゃんが笑顔で対応してくれました。直接お金を支払います。内部は古民家っぽい小さな食堂のような造りで、元々はそのような使われ方をされていたのでしょうが、今はちょっと雑然としており、あまり寛げるような雰囲気ではなく、あくまで湯上がりの休憩で腰かけるだけに使う空間だと思った方がよいかも。
脱衣所はごくシンプル。壁には川柳が張られていました。いわゆるサラリーマン川柳的なものなんでしょうか、「少子化を 食い止めたいが 相手なし」「うしろ髪 ひかれるほどの 髪は無し」「昔から 女性天皇 我が家では」などなど、どこかで聞いたことのあるような…。壁紙には落書きもたくさん。けっこう古い施設なんですね。

 
浴室は男女別の内湯がひとつずつ。浴室自体はそんなに大きくはありません。洗い場のカランはシャワー付き混合栓が5基、カランから出てくるお湯は源泉です。浴槽は7~8人サイズで、縁からはお湯がしっかりオーバーフローされていました。脱衣所ないの表示によれば、加水加温循環消毒は無しとのこと。
浴槽近くには外へ出られそうなアルミのドアがありますが、鍵がかかっていました。


お湯はごく薄い麦茶みたいな色で透明です。湯口にコップが置かれているので飲んでみると、弱い塩味+重曹味+ほろ苦味、モール臭+インクのような油臭が感じられました。お湯に体を沈めると、湯口付近では細かな気泡が付着します。食塩泉と重曹泉の特長がよく顕れているツルスベ感の強い浴感で、湯上がりの保温力も強く、なかなか汗が引きません。見た目、味や匂い、浴感などなど、泉質的には青森県津軽平野に良く見られる温泉に似ている気がします。館内の分析表によれば、使用している源泉は2種類(1号と2号)あるようですが、どのような使い分けをしているのか、あるいは混合しているのかはわかりません。

風呂から上がり、着替えて帰ろうとすると、この施設を守るおばちゃんが「湯上がりにどうぞ」とお茶とを出して下さいました。おばちゃん曰く、この温泉はおばちゃんのお父様が、身体障害を抱えるご自身の体の不自由を何とかして克服しようと、昭和58年に掘り当てたもので、お父様の願いが神様に届いたのか、自分が掘り当てた温泉の効果は覿面、体はすっかり回復し、達者な者が世間に甘えてはならないと考えて、何と今まで受給していた年金を返納してしまったんだそうです。意志と克己心の強さには驚かされます。温泉のパワーを改めて思い知らされる話でした。


海老鶴1号源泉
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 46.3℃ pH7.8 溶存物質1541mg/kg 成分総計1557mg/kg
ナトリウムイオン460.4mg/kg(89.70mval%)、塩素イオン616.5mg/kg(75.61mval%)・炭酸水素イオン334.3mg/kg(23.82mval%)

海老鶴2号源泉
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 49.4℃ pH7.9 溶存物質1100mg/kg 成分総計1112mg/kg
ナトリウムイオン324.4mg/kg(94.26mval%)、塩素イオン380.4mg/kg(69.27mval%)・炭酸水素イオン284.3mg/kg(30.08mval%)

山形県西村山郡河北町谷地海老鶴164  地図
0237-72-5151

6:00~20:00
250円
石鹸のみ備え付けあり、他は販売

私の好み:★★★
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協和温泉 四郎兵エ館

2011年07月14日 | 秋田県
 
旧協和町船岡地区の長閑な在地にある、とっても素朴な農家の民宿のようなお宿です。事前情報では地元の方から共同浴場的に利用されているらしく、実際に現地へいってみたら看板に「湯元」と記されているので、良いお湯に入れるものと期待して訪ってみることにしました。


 
玄関の窓口で直接料金を支払います。窓口の向こう側は居間になっており、親子がこたつを囲んで寛いでいました。玄関から真っ直ぐ伸びる廊下を進んだ左手が浴室。男女別の内湯が1室ずつだけです。脱衣所も民宿らしく至って簡素ながらも、棚は大きくそれなりの可動範囲が確保されているので、ストレスなく使えました。

 
浴室に入った途端、石膏の匂いが香ってきます。室内には青いタイル張りの浴槽が1つあるだけのシンプルな造り。湯船は8~10人は入れそうな大きさで、訪問時は先客がいなかったため、悠々と湯浴みすることができました。鏡が貼られた洗い場にはシャワー付き混合栓が2基。よく手入れされており、室内は清潔です。


浴槽の隅っこにはライオンの湯口が設置されていましたが、現在は使われていないようで、ライオンは茫然と口を開けっ放しのまま。でもその上には人工の葉や蔓を這わせてあり、単に放置せずにきちんと飾ろうとする宿側の前向きな姿勢が窺えます。

 
実際に温泉水が出ている湯口はこの蛇口。蛇口の上には造花のリングがかぶせてあり、ここにも宿側のちょっとした飾り気が感じられます。造花を取ってみると、蛇口のハンドルが抜かれており、客は湯量を調整できないようになっています。蛇口金具には硫酸塩の白い析出が付着していました。
無色澄明、上述のように石膏臭は明瞭、石膏味・甘みと微かな塩味。トロミがあり、石膏泉らしいキシキシ浴感が強く、いつまでも長湯していたくなる絶妙な湯加減です。石膏泉好きな温泉ファンなら虜になってしまうこと必至。加温加水の有無はわかりませんが、循環装置が無いのは間違いなく、掛け流しのお湯は浴槽の縁からしっかりオーバーフローしています。

後から入ってきた常連のお爺さん曰く、夕方4~5時になるとこのお風呂はイモ洗いのような混雑になるそうです。またお爺さんは「(近所の)四季の湯と違って掛け流し」「長湯すると良い」「飲んでも体に良い」「じっくり温まった後にトドになると気持ちいい」など、このお湯の特長をいろいろと語ってくれました。地元のみなさんからかなり愛されているんですね。なるほど、そんな愛情が納得できるとても良質のお湯でした。


カルシウム-硫酸塩泉(詳細不明)
数値データは見当たらなかったのですが、なぜか源泉地だけは「協和船岡字庄内下川袋89-2」と細かく表記されており、大仙市の資料によれば、この源泉は協和温泉1号井ということになります。これは「四季の湯」で使われているのと同じ源泉であり、「四季の湯」の資料によれば、泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉、源泉温度45.2℃、pH8.7、溶存物質・成分総計ともに2194.2mg/kgとなっています。あれ? 泉質名がちょっと違って芒硝がトップに表記されてるぞ。

秋田県大仙市協和船岡字中庄内道ノ下39  地図
018-893-2760

9:00~20:30(2011年5月の時点で「しばらくの間は20:00まで」と書かれていました)
150円
備品類なし(基本的な入浴用具は販売)

私の好み:★★★
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