温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

協和温泉 四郎兵エ館

2011年07月14日 | 秋田県
 
旧協和町船岡地区の長閑な在地にある、とっても素朴な農家の民宿のようなお宿です。事前情報では地元の方から共同浴場的に利用されているらしく、実際に現地へいってみたら看板に「湯元」と記されているので、良いお湯に入れるものと期待して訪ってみることにしました。


 
玄関の窓口で直接料金を支払います。窓口の向こう側は居間になっており、親子がこたつを囲んで寛いでいました。玄関から真っ直ぐ伸びる廊下を進んだ左手が浴室。男女別の内湯が1室ずつだけです。脱衣所も民宿らしく至って簡素ながらも、棚は大きくそれなりの可動範囲が確保されているので、ストレスなく使えました。

 
浴室に入った途端、石膏の匂いが香ってきます。室内には青いタイル張りの浴槽が1つあるだけのシンプルな造り。湯船は8~10人は入れそうな大きさで、訪問時は先客がいなかったため、悠々と湯浴みすることができました。鏡が貼られた洗い場にはシャワー付き混合栓が2基。よく手入れされており、室内は清潔です。


浴槽の隅っこにはライオンの湯口が設置されていましたが、現在は使われていないようで、ライオンは茫然と口を開けっ放しのまま。でもその上には人工の葉や蔓を這わせてあり、単に放置せずにきちんと飾ろうとする宿側の前向きな姿勢が窺えます。

 
実際に温泉水が出ている湯口はこの蛇口。蛇口の上には造花のリングがかぶせてあり、ここにも宿側のちょっとした飾り気が感じられます。造花を取ってみると、蛇口のハンドルが抜かれており、客は湯量を調整できないようになっています。蛇口金具には硫酸塩の白い析出が付着していました。
無色澄明、上述のように石膏臭は明瞭、石膏味・甘みと微かな塩味。トロミがあり、石膏泉らしいキシキシ浴感が強く、いつまでも長湯していたくなる絶妙な湯加減です。石膏泉好きな温泉ファンなら虜になってしまうこと必至。加温加水の有無はわかりませんが、循環装置が無いのは間違いなく、掛け流しのお湯は浴槽の縁からしっかりオーバーフローしています。

後から入ってきた常連のお爺さん曰く、夕方4~5時になるとこのお風呂はイモ洗いのような混雑になるそうです。またお爺さんは「(近所の)四季の湯と違って掛け流し」「長湯すると良い」「飲んでも体に良い」「じっくり温まった後にトドになると気持ちいい」など、このお湯の特長をいろいろと語ってくれました。地元のみなさんからかなり愛されているんですね。なるほど、そんな愛情が納得できるとても良質のお湯でした。


カルシウム-硫酸塩泉(詳細不明)
数値データは見当たらなかったのですが、なぜか源泉地だけは「協和船岡字庄内下川袋89-2」と細かく表記されており、大仙市の資料によれば、この源泉は協和温泉1号井ということになります。これは「四季の湯」で使われているのと同じ源泉であり、「四季の湯」の資料によれば、泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉、源泉温度45.2℃、pH8.7、溶存物質・成分総計ともに2194.2mg/kgとなっています。あれ? 泉質名がちょっと違って芒硝がトップに表記されてるぞ。

秋田県大仙市協和船岡字中庄内道ノ下39  地図
018-893-2760

9:00~20:30(2011年5月の時点で「しばらくの間は20:00まで」と書かれていました)
150円
備品類なし(基本的な入浴用具は販売)

私の好み:★★★
コメント
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