温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

2011年夏登山 那須岳(その2 三斗小屋温泉→朝日岳→牛ヶ首)

2011年07月10日 | 栃木県
涼を求めて那須岳へ登った時の記録。今回は三斗小屋温泉で夜を明かした翌朝(2日目)からです。1日目はこちらへ。

2日目:2011年7月7日 晴れのち曇り 単独行
 三斗小屋温泉(1460m) 7:20
 三斗小屋温泉源泉 7:35
 隠居倉(1819m) 8:10 / 8:20
 熊見曽根東端 8:45 / 8:55
 朝日岳山頂(1896m) 9:05 / 9:45
 峰の茶屋跡(1720m) 10:15
 牛ヶ首(1730m) 10:35  (← gooブログの字数制限のため、今回はここまで)
 飯盛温泉跡 11:00
 膳棚噴気帯(膳棚の湯) 11:10 / 11:45
 休暇村分岐 12:15
 那須温泉ファミリースキー場 12:40
 弁天温泉バス停 12:43



朝4:30に起床して、朝から露天風呂でのんびり湯浴み。早朝起床がとっても爽快。
山裾にかかる靄が幻想的です。ちなみにこの時の気温はなんと14℃。下界の最低気温は25℃前後でしたから、その差歴然。下界は寝苦しい熱帯夜なのに、山は逆に肌寒く、夜は長袖シャツを着て布団にくるまって寝たほどです。つまり・・・
山なら夏でも冷房要らずでとっても涼しく快適
なのです。電気は自家発電で照明以外は使えないので、節電とは無縁の世界。節電を気にして暑さを我慢するぐらいなら、山に行って避暑した方が、いろんな意味で賢明だと思います。


【三斗小屋温泉(1460m) 7:20】
煙草屋旅館の裏手から早速登山を開始。すぐに鳥居をくぐります。


鳥居の先には温泉神社が鎮座していました。神社というより避難小屋と表現した方が似合いそうな外観ですが、神様が祀られていることには違いないので、今日無事下山できるよう、お祈りさせていただきました。

 
三斗小屋温泉から隠居倉まではひたすら登り。まだこの辺りは大した勾配じゃありません。朝のウォームアップにはちょうど良いかも。登山道の途中には路傍に枡が設置されていますが、これは上の方にある温泉の源泉地から三斗小屋温泉の旅館へお湯を引く配管のメンテナンスに用いるもの。


登り始めてから15分弱で、弱く蒸気を噴き上げる噴気孔の小さなガレが左手に広がり…

 
【三斗小屋温泉源泉 7:35】
そのすぐ上には轟音を響かせながら濛々と真白な蒸気を上げる源泉地がありました。
温泉ファンとしては堪らない光景です。しばし、地球の息吹を実感できるこの荒々しい光景にうっとり。

 
周辺では高山植物が可愛らしい花を咲かせていました。赤紫色の花はウラジロヨウラク、黄色い花はハナニガナ。


源泉地のような噴気孔があることからもわかるように、この一帯には他でもかつて火山活動が行われた跡があり、そうした場所は森林帯の中であるにもかかわらず、ポツンと部分的な笹原が広がっています。高い樹木が育っていないおかげで見晴らしがよく、振り返ると会津方面の山々の稜線が綺麗に連なっていました。


源泉地を越えたあたりから勾配が徐々にきつくなり、悪天候時に滑らないよう、鎖が設けられているところもありました。全般的にこの登山道はよく整備されているので登りやすいです。


やがて森林限界を超えると、当然ながら見晴らしが良くなり、景色を眺めながら登れば、急坂の疲れも一気に吹っ飛びます。昨日頂上まで行った茶臼岳が綺麗だこと。

 
【隠居倉(1819m) 8:10 / 8:20】
標高差360mを一気に登って、隠居倉に到達。頂上部にはしっかりとした標識が設置されていました。


全方向に対して眺望の良い隠居倉の頂上。ちょっと雲がかかっていますが、この画像は那須岳の中で最も高い三本槍岳を望んでいます。


こちらは熊見曽根と朝日岳方向。いまから歩いてゆく方角です。


テガタチドリかな。


隠居倉からは熊見曽根の上を歩きます。多少の上下はあるものの、大した標高差のない稜線ですから、先ほどまでの登りに比べたら全然楽ちん。むしろ景色がよいので、とっても爽快な山歩きが楽しめました。たまにこんなガレ場がありますけど、気をつけて越えれば全く問題なし。


途中で振り返ってみると、先ほどまでいた隠居倉やそれに連なる稜線がクッキリ映えて見えますね。あの稜線の真上を辿ってきたわけだ…。

 
【熊見曽根東端 8:45 / 8:55】
登山道の丁字路。左へ進むと清水平・三本槍岳方面、右は朝日岳・峰の茶屋跡方面。今回は右へ進みます。眺めが素晴らしいので、ここでもちょっと休憩。


こちらは清水平・三本槍岳方面。


で、こっちがこれから向かう朝日岳方面。尖がっている先っちょが朝日岳頂上です。

 
熊見曽根東端から朝日岳頂上までは尾根の上を歩いてすぐ。ひと踏ん張りして登ればあっという間。

 
【朝日岳山頂(1896m) 9:05 / 9:45】
全方向に対して眺望が開けている朝日岳頂上。名称と標高が切り文字で記された木板の標識は、先月立てられたばかりの新しいもの。強風で破損しないかしら(ちょっと心配)。
眺めは最高。その上涼しいそよ風が常に吹いており、とっても爽快。あまりの居心地の良さに、下山したくなくなっちゃいました。


風に吹かれながらノンビリしていると、ひと組の御夫婦とお会いしました。山で出会う方々とは一期一会にもかかわらず、まるで十年来の付き合いのように親しくお話させていただくことが多いのですが、このご夫婦も実に親切且つ柔和な方で、いろいろと会話がはずむうちに、魔法瓶に入れてわざわざ背負ってきた熱々のコーヒーを分けて下さいました。山頂で飲むコーヒーって、なんであんなに美味いんでしょう。本当にありがとうございました。尚、この画像は下山後にメールで送ってくださったものです。座ってピースしているのが私。

 
さて、まだ今日の行程の半分しか消化できていないので、御夫婦に失礼して、先へ進むことに。
今日の行程で最も高い場所が朝日岳の頂上ですから、あとは多少の上下はあるものの、殆ど下る一方です。断崖をトラバースするルートなので、悪天だったら足元が怖いかもしれませんが、この日みたいに晴れていれば問題なし。風が強くても鎖につかまれば大丈夫。

 
茶臼岳方向を目指し、鎖に導かれながら朝日岳を下ります。本当にいい景色ですね。

 
【峰の茶屋跡(1720m) 10:15】
昨日も通った峰の茶屋跡に戻ってきました。さっきから何度も休憩しているので、ここはそそくさと通過。昨日は茶臼岳頂上から下ってきましたが、今日はその道を戻らず、牛ヶ首方面への道へ進みます。
等高線上をトラバースするようなルートなのでほぼ平坦。噴気孔を見上げながら歩いていきます。

 
木の橋で噴気孔を跨ぎます。あちこちでシューシューと音を立てながら噴気が上がっており、このような地熱活動を間近で見られる光景が大好きな私は大興奮です。地面には硫黄の黄色い結晶がたくさん散らばっていました。


目を噴気孔とは逆の西側へ転じてやると、山裾の下方で、森に囲まれた池を発見。ズームして撮ってみました。ひょうたん池ですね。この一帯は紅葉の時期になると、とっても綺麗なんだそうです。

 
無限地獄。那須岳で最も大きな噴煙地帯。地面を触ると結構温かく、蓆を敷いて寝っ転がったら岩盤浴にちょうど良さそうな感じ。でも硫化水素ガスには要注意。

 
【牛ヶ首(1730m) 10:35】
登山道が十字にクロスする牛ヶ首。見晴らしがよく、ベンチが設けられており、休憩にはもってこいの場所。

もう少し続きますが、gooブログの投稿字数制限に引っ掛かってしまうので、その2はここまで。

その3へつづく】















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2011年夏登山 那須岳(その1 茶臼岳から三斗小屋温泉へ)

2011年07月10日 | 栃木県
関東地方は例年より早く梅雨があけて猛暑の日々が続いていますが、節電が叫ばれる昨今、冷房の設定温度を上げるなどして、全身にしつこく纏わりつく高湿度の暑さに耐え忍ばねばならず、暑さに弱い私のような軟弱人間は今にも発狂しちゃいそうです。そこで避暑を求め、且つ日ごろの不摂生でたるんだ体を叩き直すべく、今年も夏登山をしてきました。第一弾として選んだ山は栃木県の名峰、那須岳。三斗小屋温泉に泊まる1泊2日の、時間的にも体力的にも余裕のある行程です。
 
1日目:2011年7月6日 晴れのち曇り 単独行
 那須ロープウェイ山頂駅(1690m) 12:10
 茶臼岳山頂(1915m) 12:40 / 12:50
 峰の茶屋跡(1720m) 13:15
 無間谷 13:30
 延命水 13:40 / 13:45
 三斗小屋温泉(1460m) 14:00

まずは1日目について書き綴ってみます。

 
まずはロープウェイに乗って高さを稼いじゃいます。18分毎の運行で山頂駅までわずか4分。
なお駅には登山届を投入するポストがあり、専用の用紙も用意されているので、しっかり記入して届け出ましょう。

 
【那須ロープウェイ山頂駅(1690m) 12:10】
ロープウェイを降りたら登山スタートです。上を仰ぎ見ると、これから目指す山頂が聳えています。また、目の前には早くも活動中の火山らしい荒涼とした広がっています。


麓の方を眺めると、那須が原はもちろん、福島県白河の市街地も明瞭に見えました。夏らしい青空だ。

 
火山灰や礫ばかりのガレ場なので足元が掬われちゃって歩きにくく、ロープウェイでここまできた観光客も、歩きにくさと急勾配ゆえに、みなさんすぐに引き返していきます。富士山を登っているような感覚で、意外にも疲れてしまいました。


途中に白い蒸気を上げる小さな噴気孔を発見。

 
その噴気孔の周りには高山植物が可憐な花を咲かせていました。これはマルバシモツケでしょうね。

 
【茶臼岳山頂(1915m) 12:40 / 12:50】
ガレ場をひたすら登り続けること約30分で鳥居が見えてきました。茶臼岳山頂に到着です。小さな祠があるのでこれからの無事を祈りました。


祠の傍には温度計が柱に設置されていました。下界は30℃を超える暑さだというのに、山頂は20℃ちょうど。暑くも無く寒くもない、ちょうどよい気温です。山頂を吹き抜ける風がとっても心地よい。


山頂の西側からは、無限地獄からの真白な噴気が、轟音とともにまるで雲のように吹き上がっています。

 
さて、一休みしたところで、茶臼岳の噴火口外縁をグルっと廻って、外輪山経由で峰の茶屋跡へと下りていきます。噴火口跡って本当に茶臼みたいにまん丸の臼状なんですね。西側には大小いくつかの噴気孔が白煙を上げています。


稜線の鞍部に峰の茶屋跡の避難小屋が見えてきました。その奥には那須連峰唯一の鋭鋒である朝日岳の頂上が聳え立っています。なるほどニセ穂高という異名を持つだけあって、切り立った岩が屹立する姿はなかなか勇ましいではありませんか。

 
避難小屋手前には柱だけが残る廃屋が。これがその茶屋跡?
そんな廃屋のそばにもマルバシモツケが。


【峰の茶屋跡(1720m) 13:15】
ここは風の通り道として有名で、しばしば強風に見舞われるんだとか。たしかに那須連峰の中でもガクンと低くなっている鞍部ですから、風がここに集中しやすいのも納得できます。でもこの日は太平洋高気圧が比較的安定していたので、そよ風程度でした。


峰の茶屋跡避難小屋から峠の茶屋方向を臨んでみました。右側のなだらかな山腹に筋が確認できますが、これが峠の茶屋へと続く登山道。利用者がとっても多い道ですが、今回私は利用しません。


同じく峰の茶屋跡避難小屋から、今度は朝日岳方向を眺めます。明日はこの画像の奥から手前側へと戻ってくる予定です。

 
さて、峰の茶屋跡から三斗小屋方面へと下りましょう。しばらくはガレの下りが連続します。雨が降ったら一部滑りやすそうな個所がありました。


ガレ場を抜けると森林帯へ突入です。どんどん下ります。


那須岳避難小屋の脇を通過。この辺りから勾配が緩やかになってきます。

 
【無間谷 13:30】
無間谷(という名前の沢)を渡ります。沢には立派な木造の橋が架かっています。河床が真っ赤に染まっているので、沢水には金気が多く含まれているのかも。

 
【延命水 13:40 / 13:45】
森林帯なので見晴らしはきかないものの、上り下りが少ない歩きやすい道が続きます。
無間谷から約10分で延命水に到達。澄みきった清水が湧いているので飲んでみると、まるで冷蔵庫で冷やしたようなキリっと冴えた冷たい水で、めちゃくちゃ美味しく、鋭気がたちまち蘇ってきました。なるほど、この水を飲んだら寿命が延びるかも。


ちなみにこの水場付近の木陰における気温は21℃でしたが、延命水の水温はなんと8.0℃。

 
三斗小屋へと続く道は、かつて那須岳で硫黄が採掘されていた時代には、荷物を背負った牛が行き来したらしく、その旨を説明したプレートが設置されています。この程度のイージーな道なら牛もそんなに苦労しないで歩けたことでしょう。この辺りは殆ど平坦です。

 
【三斗小屋温泉(1460m) 14:00】
藪の中から突然建物の軒が見えたと思ったら、すぐに視界が開けてきました。三斗小屋温泉に到着です。今夜はここで一泊。

その2へつづく】


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