温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

大鰐温泉 山吹湯

2012年09月17日 | 青森県
※残念ながら2017年3月末で閉館します。

 
前回に引き続き大鰐温泉の外湯をハシゴしてみました。今回は比較的駅に近い「山吹湯」です。駅に近いばかりか、津軽為信が建立したという「湯魂石薬師堂」や足湯などもすぐそばです。私は大鰐へ何度も訪れているにもかかわらず、どういうわけか、ここへ入るのは約15年ぶりだったりします。


 
男女別の玄関を開けてすぐのところにある番台で料金を支払います。15年の間に私の記憶というものは勝手に改変され、あるいはどこか別の場所とすり替えられてしまったらしく、脳みその中で「山吹湯」は狭い脱衣所と奥へ細長い浴室であると記憶されていたのですが、久しぶりに中へ入ってみたら、番台の前には結構広い脱衣所と浴室が展開されていたため、記憶と現実の錯誤ですっかり混乱してしまい、思わず番台のおじさんに「ここって山吹湯ですよね」とかなり間抜けなことを訊いてしまいました。自分の脳のいい加減さにはつくづく呆れます。ま、そんなことはさておき、先述のように脱衣所は一般的な銭湯並みに広く、多少の混雑しても問題なく利用できそうな感じです。なお脱衣棚の上には後から取り付けた貴重品用ロッカーが載っかっているのですが、3つしか用意されていないのがちょっと残念なところ。またドライヤーは番台貸し出しとなっており、1回20円の有料です。天井では扇風機がグルグルまわっていました。


 
浴室もそこそこ広く、天井が高いので開放感があり、湯気の籠りもほとんどありません(夏だから当然でしょうけど)。室内の窓側は洗い場となっており、シャワーが2基、湯&水の蛇口ペアが1組、それぞれ設置されています。お湯の蛇口からは直接手で触れないほど激熱のお湯が出てきましたので、おそらく源泉そのまんまのお湯かと思われます。


 
タイル貼りで長方形の浴槽は角が丸くなっていて優しい印象を受けます。浴槽用源泉コックには赤い大きなレバーが取り付けられており、これを開くとアツアツの源泉がドバドバと吐き出されてきました。吐湯口の周りには硫酸塩の析出がこびりついています。使用源泉は前回紹介した「茶臼湯」同様に大鰐統合源泉であり、無色透明、薄い塩味や芒硝の味と匂いが感じられる、いかにも大鰐らしいお湯です。

訪問したのは夜8時頃でして、混雑時間帯がちょうど過ぎ去った後らしく、ひたすら独占状態で利用することが出来たのですが、直前まで先客が沢山湯舟に浸かっていたのか、湯舟のお湯は微かに赤黒く靄が掛かって疲れているように見え、また客の出入りによって散々溢れ出てしまったためか、湯船からのお湯のオーバーフローも見られませんでした。源泉コックを開いてジャンジャンお湯を投入すれば良いのでしょうけど、自分ひとりのために源泉を使うのはもったいない気がして遠慮してしまいました。

広々としたお風呂は気持ち良くて使い勝手が良いですから、この公衆浴場は多くのお客さんが利用するのでしょうけど、それが仇になって混雑時間帯ごは湯疲れしてしまい、なかなか鮮度が回復しにくい状態にあったのだと思います。尤も、公衆浴場はどこでも同じような傾向がみられるわけでして、それを知っていて遅い時間に利用する私が悪いんです。今回は利用したタイミングがよろしく無かったので、次回はもうちょっと早い時間に訪れてリベンジしてみたいと思います。大鰐の外湯は朝に限る!


 
最後に、浴室から脱衣所を眺めてみます。入口脇には桶や腰掛けがきちんと片付けられていました。何気ない銭湯であっても、こうしてきちっと整理整頓が行き届いていると、俄然その施設に対する好感がアップしますね。


大鰐統合源泉(青柳3号、植田2号、赤湯2号、石原)
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉 68.0℃ pH7.2 940L/min(配湯量) 溶存物質2.6740g/kg 成分総計2.6879g/kg
Na+:710.9mg(73.57mval%), Ca++:182.2mg(21.63mval%),
Cl-:1080.9mg(72.54mval%), SO4--:436.7mg(21.63mval%),
H2SiO3:35.7mg, HBO2:21.8mg,
加水あり(浴用に適する温度にするため)、加温循環消毒なし、放流式

JR奥羽本線・大鰐温泉駅または弘南鉄道大鰐線・大鰐駅より徒歩10分
青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐  地図

6:00~10:00、15:00~21:00、毎月25日定休
200円
備品類なし

私の好み:★★
コメント
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