温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

横向温泉 森の旅亭マウント磐梯

2012年09月06日 | 福島県
 
今回の記事で掲載している画像に、しばしば夏らしくない枯れ木が写りこんでいるのは、まだ緑が芽吹く前の早春に今回の施設を訪れたからです。数か月前に訪問した時の記録を今頃アップして申し訳ありません。
前置きはさておき今回は、磐梯吾妻スカイラインの終点である土湯峠から県道30号を猪苗代方向へ下ってゆく途中にある比較的大規模な横向温泉の旅館「マウント磐梯」で立ち寄り入浴した際のことをメモしてみます。フロントで入浴をお願いすると快く応じてくださいました。


 
フロントのある3階から浴場が位置する1階へエレベーターで降りてゆきます。建物自体はやや草臥れているものの、そんな経年具合に抗うかのように館内はラグジュアリ感漂う装飾が施されていました。
こちらのお風呂は、(1)露天風呂「天授の湯」と一回の入浴で八つのお風呂が楽しめる「会津八湯」を擁する大浴場、(2)内湯「子宝の湯」と2つの露天「天恵の湯」「梵天の湯」を擁する浴室、(3)貸切風呂、の3つに分かれており、(1)と(2)は男女入れ替え制になっているようでして、私の訪問日は(1)が女湯、(2)が男湯となっていました。大浴場の「会津八湯」とは、微温湯・打たせ湯・深湯・かぶり湯・歩行湯・寝湯などバラエティー豊かな浴槽がひとつの浴室で楽しめるというものですが、私は奇を衒った浴槽よりもごく普通のお風呂の方が好きなので、(1)の大浴場には興味はあるものの、そちらに入れないからと言って特に悔しい思いをすることもなく(負け惜しみではありませんよ)、素直に男湯の暖簾が掛かっている(2)へと入りました。


 
こちらは内湯「子宝の湯」です。男が子宝の湯に入ってどうするんだ、という疑問はさておき、室内は天井こそそんなに高くありませんが、室内空間は広く確保されており、窓ガラスから太陽の光が燦々と降り注いでおり、照明を点けなくともかなり明るく快適に利用できました。洗い場にはシャワー付き混合水栓が9基設置されています。



アップで撮るのを忘れちゃいましたが、広い浴槽の中に設けられた丸い石の湯口から源泉が噴きあがっており、その量はかなり豊富で、浴槽の縁の全辺から万遍無くお湯がオーバーフローしています。浴場の床や浴槽の縁は、温泉成分の付着により赤く染まっていました。



内湯から屋外へ出る扉を開け、そこから繋がる屋根つきの階段を下りてゆくと…


 
二つの露天風呂は旅館の裏手を流れる小川に沿って設置されており、そのうち上段(上流側)は土壁の古民家調の上屋に覆われている「天恵の湯」です。山側こそ土壁で視界は遮られますが、川側には柱以外何もなく、湯船に入りながら外の景色を眺めることができます。またその壁にも小窓が開けられていて簾がかかっており、とっても涼しげで良い雰囲気です。湯口からは源泉がドバドバと投入されていますが湯加減はぬるめで、じっくりゆったり浸かれる長湯仕様でした。


 
一方こちらは下段(下流側)の露天風呂「梵天の湯」。川に沿って細長い造りの湯船には、こげ茶色のシックな板塀と屋根が備え付けられています。こちらの湯船にも源泉が大量に投入されており、湯加減はやや熱めです。浴槽に深さは均一ではなく、奥の方が深くなっており、身長165cmの私の場合は腰まで浸かるほどでした。内湯と異なり浴槽からオーバーフローすることなく、専用の排水口から排湯されています。



露天風呂から川を眺めると、対岸から保温材にくるまれた引湯管が目の前で川を跨いでいました。山を眺めながらの湯あみは心が休まりますね。当旅館のカタカナ混じりの名称や、いかにも昭和後期の観光ブームを狙ったようなコンクリ建物からは想像もできない、まるで山奥にたたずむ老舗の秘湯宿を髣髴とさせる両露天風呂に、私はすっかり魅了されてしまいました。


 
二つの露天風呂の湯口からは源泉がドバドバと大量に注がれています。内湯・露天ともに放流式の湯使いで、加水はあるかもしれませんが、循環・消毒などは実施されていません。お湯は白系の弱い貝汁濁りで、金気の味と匂い、そしてコールタールのような油的な匂いが感じられました(内湯では金気が、露天では油的知覚が、それぞれ強く感じられました)。また湯中ではオレンジ色の浮遊物や沈澱が見られました。弱いスベスベと弱いキシキシが混在する浴感で、特に内湯はお湯の鮮度がとても良く、ロケーションのよい露天と、お湯の良い内湯をそれぞれ行き来しながら、じっくりとこちらのお風呂を堪能させていただきました。

今回は「子宝の湯」「天恵の湯」「梵天の湯」のみの利用となりましたが、次回は「天授の湯」や「会津八湯」も利用してみたいものです。ま、土湯峠は福島界隈で湯めぐりをしていたら比較的通る機会が多いですから、そんな私の希望は近いうちに叶っちゃうかも。


神の湯
単純温泉 44.9℃ pH6.4 溶存物質548.8mg/kg 成分総計583.1mg/kg
Na+:49.5mg(40.34mval%), K+:40.9mg(19.70mval%), Mg++:9.3mg(14.45mval%), Ca++:25.4mg(23.83mval%),
HCO3-:301.4mg(96.30mval%),
H2SiO3:111.6mg,

福島県耶麻郡猪苗代町横向温泉  地図
0242-64-3911
ホームページ

日帰り入浴時間10:00~16:00
600円
ロッカー有料(100円)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント (2)
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