温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

大鰐温泉 茶臼湯

2012年09月16日 | 青森県
※残念ながら2018年3月末を以て廃業してしまいました。


大鰐温泉にいくつかある外湯のうち、温泉街の中心から最も離れている「茶臼湯」に入ってきました。奥まっている立地ゆえ、ここを利用する観光客はほとんどいないでしょうね。今回訪問したのは夜7時頃でして、夜の帳が下りて間もない大鰐の街は早くも静まり返っていましたが、公衆浴場だけは一日の汗を流す客で賑わっており、場内の話し声や桶がぶつかるカーンという音が静寂な街に響いていました。



男女別の入口の暖簾を潜るとすぐに番台ですので、その中でテレビを鑑賞しているおじちゃんに直接料金を支払いました。比較的ゆとりのあるつくりが多い大鰐の公衆浴場ですが、こちらはかなりコンパクトにまとめられており、脱衣室は同時に2~3人使ったら窮屈でたまらないでしょう。なお室内に流し台は無いため、タイルを絞るためのバケツが置かれていました。


 
浴室もこじんまりとしており、タイル貼りの室内の真ん中に浴槽が据えられているだけで、至ってシンプルです。いや、一応洗い場は設けられていて、湯と水の蛇口のペアが2組設置されていました。


 
洗い場の蛇口から出てくるお湯は源泉のようでして、吐き出されるお湯は箆棒に熱いものでした。口のまわりをよく見ると、硫酸塩らしい析出が付着していますね。



タイル貼りの浴槽は角が取れた正方形のような形状をしており、奥の出っ張りから大きな蛇口が突き出ており、そこから源泉がドバドバ吐き出されていました。また源泉のみですと入浴に耐えられないほど熱くなっちゃうため、同時に水でしっかり薄められていました。こちらのお湯の蛇口には洗い場の蛇口よりもはっきりと白い析出がしっかり付着しています。湯使いはもちろん放流式であり、浴槽から床へサーサーと惜しげもなく溢れ出ていました。
お湯は薄い塩味と芒硝味、そして芒硝臭が感じられる、典型的な大鰐のお湯です。見た目は無色透明ですが、ごく僅かに白く靄が掛かっているようにも見えます。僅かな濁りは最近の大鰐の統合源泉でよく見られる傾向のようですね。

冒頭で館内からは「場内の話し声や桶がぶつかるカーンという音」が聞こえてくると述べたように、夜7時頃には狭い浴室に常時3~4人が出入りしながら利用していましたが、夜8時前になったら客足が急に途絶え、私一人の独占状態となってしまいました。全国どこでも公衆浴場って混雑する時間帯は大抵決まっているものですよね。
湯上りに番台のおじちゃんと話をしている際、私が神奈川県民であることを伝えたら、おじちゃん曰くかつて神奈川県大和の相鉄沿線に住んでいたことがあったんだそうでして、意外なところで共通点を見出して二人で軽く盛り上がってしまいました。


大鰐統合源泉(青柳3号、植田2号、赤湯2号、石原)
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉 68.0℃ pH7.2 940L/min(配湯量) 溶存物質2.6740g/kg 成分総計2.6879g/kg
Na+:710.9mg(73.57mval%), Ca++:182.2mg(21.63mval%),
Cl-:1080.9mg(72.54mval%), SO4--:436.7mg(21.63mval%),
H2SiO3:35.7mg, HBO2:21.8mg,
加水あり(浴用に適する温度にするため)、加温循環消毒なし、放流式

JR奥羽本線・大鰐温泉駅または弘南鉄道大鰐線・大鰐駅より徒歩15分(1.1km)
青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字湯野川原108-3  地図
0172-47-5974

6:00~10:00、15:00~21:00、毎月5日・17日定休
200円
備品類なし

私の好み:★★
コメント (2)
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