温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

鰺ヶ沢 熊の湯温泉(そして、くろくまの滝)

2012年09月28日 | 青森県
 
私の津軽地方における拠点は鰺ヶ沢なのですが、灯台下暗しと言うべきか、当地へ通って16年になりますが、県内他市町村の観光地には訪問しているものの、鰺ヶ沢町内の所謂観光地と称されるようなところにはほとんど足を踏み入れたことがありません。日本の滝百選に選ばれており鰺ヶ沢の代表的な名勝でもある「くろくまの滝」もそのひとつでして、鰺ヶ沢の中心部からかなり離れていることもあって、いままで訪れたことがなかったのですが、猛暑が続いていた今夏(2012年)の某日、どうしても天然の清涼を求めたくなり、それなら滝飛沫を浴びるのがよろしかろう、という話になって「くろくまの滝」へと向かったのでありました。滝に関しては当記事下部で述べるとしまして、まずは滝観光の帰路に入浴のため立ち寄った「熊の湯温泉」について取り上げてみます。こちらも私が今まで訪れることの無かった温泉でして、今回滝に行かなければその存在すら忘れるところでした。

温泉の敷地と道路が接する辺りには、映画「わさお」のロケ地案内が立てられていました。最近鰺ヶ沢は「わさお」を前面に押し出した町おこしに必死のご様子。いまだにかのワンコの姿を一目見たいと全国から観光客がやってくるようですが、意外にも地元民の反応が冷たいのが気になるところでもあります。


 
宿の前には赤石川が流れており、夏の日差しを受けて清らかな川面がキラキラと輝いていました。この河原にもロケ地案内の看板が立っており、そこには佐野史郎氏の姿が写っておりました。


 
玄関の近くに置かれた水槽ではイワナが泳いでいます。この水は本来とっても清冽なのでしょうが、水槽のガラスが汚れているため、あんまり綺麗には見えませんでした。



建物の裏手にはものすごく獣臭い小屋があり…


 
頑丈な檻の中ではツキノワグマが飼育されていました。たしか3頭いたはずでして、うち1頭は私の姿を確認するや、2足立ちになって鼻をクンクンさせていました。山を縦横無尽に駆けずり回っているのが本来の生態なんでしょうから、こんな狭い檻の中ではさぞかし窮屈なんだろうなぁ。



さて玄関から中に入り、食堂で料金を支払います。客席では宿のご家族と思しき方がテレビを鑑賞中。ほのぼのとした家庭的な雰囲気です。



浴室は食堂とは反対側。靴を脱いで廊下にあがって左手すぐです。


 
廊下にはかぐや姫の伊勢正三・乾久美子・地元のヒーロー舞の海などタレントのサインが飾られているのですが、それらと並んでいる一葉の写真には秋篠宮様が写っていました。こんなところにもいらっしゃっていたんですね。また、浴室入り口付近には湯使いに関する手書きの表示も掲示されていました。



脱衣室は至ってシンプルで、ただ棚と籠があるだけなのですが、棚は柱と梁だけで造られており、梁の間隔が広いため、棚に直接荷物を置くことはできず、どうしても籠が必要な状態でした。



鄙びた感たっぷりの浴室。お風呂は内湯のみです。白い壁と男女両浴室を仕切るガラスブロックが印象的でした。


 
洗い場には蛇口が2基設けられており、栓を開けるとぬるい源泉が出てきました。


 
岩組みの浴槽は大小に2分割されており、大きな方の浴槽は3~4人サイズ、丁度良い湯加減に加温された源泉が張られているのですが、浴槽の上に出っ張っている蛇口からは非加温の源泉が吐出されていました。非加温の蛇口を目一杯開いてみても大して吐出量は増えません。あれ、加温されているお湯はどこから供給されているのかしら。一応放流式の湯使いのようでして少量ながらオーバーフローが見られるので、おそらく浴槽内にも加温源泉用の湯口があるのかもしれませんね(お湯が濁っていたのでよくわかりませんでした)。一方、小さな浴槽は2人サイズで、大きな浴槽からお湯を受けているらしく湯温はぬるめでした。

お湯は鈍い黄金色(やや深緑色が混ざった橙色あるいは黄土色)に強く濁り、透明度はほとんどありません。重い感じの石灰味に微塩味と金気味、そして金気臭と土気臭が感じられました。ギシギシ引っかかる浴感です。また館内表示には塩素消毒が行われている旨が記されていましたが、たしかにそれらしき臭いも湯面から漂っているようでした。


 
浴槽の岩には石灰の析出が固まって庇のようにせり出ていました。また床もやはりコテコテな析出によって千枚田状態となっており、橙色と黒色のまだら模様に染まっていました。お湯の感触を楽しむことも大切ですが、こうした析出に目を奪われちゃうのが温泉マニアの悲しい性。この施設に関しては、お湯よりも析出の方が強く印象に残りました。


ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物・炭酸水素塩泉 35.8℃ pH6.8 31.0L/min 溶存物質2.77g/kg 成分総計2.858g/kg 
Na+:436.9mg(51.53mval%), Ca++:284.2mg(38.45mval%),
Cl-:443.2mg(34.00mval%), SO4--:631.4mg(35.78mval%), HCO3-:664.9mg(29.65mval%)
H2SiO3:199.7mg, 遊離CO2:88.1mg,

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字一ッ森町字湯湧淵31  地図
0173-79-2518

入浴可能時間不明
350円
石鹸あり、他備品類なし

私の好み:★★


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●くろくまの滝
 
日本の滝百選の選ばれている「くろくまの滝」。
駐車場にはトイレもあるんですね。停まっている車は他県ナンバーばかり(私もそうですが)。夏真っ盛りだったこの日は駐車した途端にアブの襲来に見舞われ、ドアを開けたと同時に車内に数匹が入り込んできてしまい、30代半ばのオッサンたる私はひとりでギャーギャー情けない声をあげながら、奴らを必死に追っ払ったのでした。



駐車場から滝まで600メートルのお手軽ウォーキングです。



美しいブナの森の中をのんびり歩きます。急な坂があるわけでもなし、険しい箇所があるわけでもありません。小さな子供がいる家族でも楽しめる爽快な森歩きです。



梢の向こうに白く落ちる瀑布が目に入ってきましたよ。



滝壺の傍まで近づいてみました。
なかなか立派じゃありませんか。そして天然のミストシャワーを浴びることができ、とっても清涼です。あぁ気持ち良い!

コメント
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