温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

百沢温泉 温泉旅館中野

2012年09月19日 | 青森県

岩木山神社の門前宿のひとつ「温泉旅館中野」で立ち寄り入浴してきました。以前は「岩木観光ホテル」という名称だったように記憶しているのですが、いつの間にやら名前が変わったんですね。現行の名前の方が建物の雰囲気にもマッチしていますし、「観光ホテル」という語呂にこびりついている昭和後期のイメージも払拭できますから、あくまで個人的見解ですが改名して正解かもしれません。


 
玄関にはお山参詣の御幣が立てかけられていました。今回私は青森県の地域情報誌『フィーラー』の別冊『家族割 おでかけ天国 日帰りの湯っこ』を片手にこちらを訪れたのですが、この別冊に付録されているクーポンを利用すれば通常300円の入浴料が半額になるので、ただでさえ安い料金なのに申し訳ないのですが、クーポンとともに150円を帳場で支払って中へ入らせていただきました。


 
半分近く雑草に浸食されつつある「ワイルド」なお庭(画像左(上))を右手に見ながら、帳場裏から伸びる長い廊下やステップを歩いて浴室へと向かいます。


 
脱衣室は広々しており、一見すると綺麗に見えるのですが、建物自体の老朽感は否めなく、また棚には私物がだらしなく置きっぱなしにされていたり、窓の網戸は外れて窓外の草叢に落ちたまんま(しかもその周りにゴミも散乱)だったりと、お手入れが中途半端のような印象を受けました。名前や表構えを変えても中身をちゃんとしないとなぁ…。


 
浴室も古い造りゆえに、天井が低くて建材の劣化やカビ汚れが目立ちますが、2方向をガラス窓に囲まれているのでとっても明るく、その窓からは岩木山麓に広がる原野や耕地が望めました。



こちらのお風呂の浴槽は、ひょうたんと表現すべきか雪だるまと見るべきか、とにかく円を二つくっつけた可愛らしい形状になっているのが特徴なんですね。ここでは雪だるまとして捉えてみますと、だるまの頭に源泉がドボドボと大量に注がれ、それが胴体部分(主浴槽)へと流れ、だるまのお尻(一番下)に当たる槽内側面にある穴から排湯されていきます。そして人が湯船に入るとザバーっと豪快にオーバーフローしていきます。


 
岩の上にちょっとしたジャングルのごとく観葉植物が青々と茂っている湯口まわりもこのお風呂の特徴ですね。植物の間から源泉のパイプが伸びており、そのパイプの表面には温泉成分が付着し、殊に口まわりは析出がビッシリとこびりつき、カルシウム分が瘤状にコンモリと盛り上がっていました。

知覚面は典型的な重炭酸土類泉的な特徴を示しており、見た目はやや緑色を帯びながら橙色も混ざる黄土色に強く混濁、湯中には橙色の微細な粒子が無数に浮遊しており、浴槽の底がはほとんど見えません。土類味+新鮮金気味+炭酸味+重曹味、そして土類臭+新鮮金気臭+油系のカーボンのような匂いが感じられ、ギシギシとした浴感が得られました。湯口のお湯は辛うじて直接触れる熱さですが、ホースからの加水もあったためか、この時は丁度良い湯加減でした。

建物はやや草臥れていますが、お湯の投入量や鮮度は抜群。さすが霊峰岩木山で湧出するお湯は格が違いますね。


新岩木温泉(再分析)
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉 49.8℃ pH6.90 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質2.201g/kg 成分総計2.318g/kg
Na+:313.5mg(44.96mval%), Mg++:108.5mg(29.43mval%), Ca++:128.6mg(21.16mval%),
Cl-:614.5mg(58.13mval%), HCO3-:686.4mg(37.74mval%),
H2SiO3:229.0mg, 遊離CO2:116.7mg,

弘前バスターミナルまたは弘前駅より弘南バス・枯木平行で岩木山神社下車すぐ(所要約40分)
青森県弘前市百沢高田80
0172-83-2345

日帰り入浴時間9:00~21:00
300円
シャンプー類あり(ロッカーやドライヤーは見当たらず)

私の好み:★★
コメント (3)
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