紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

パパさんからの手紙

2004-11-10 06:45:18 | 15・心に残ること
カナダのバンクーバーに住む日系一世の栗田氏のことを、もうずっと長い間、パパさんと呼んでいる。
連れ合いは日系二世のママさん。
私が初めて北米を旅した時に、お世話になった方である。今から、27年くらい前のことだ。

その時に、パパさんはすでに80近いお年であった。
そのパパさんから手紙がきた。
104歳で、まだお元気だという。ママさんはおおよそ90歳で、なんとか二人で暮らしています。と書いてあった。

私をふくめ、どれほどの日本人が、パパさんの家でお世話になっただろうか。パパさんは、コックをしていたこともあって、料理の腕がたつし、ママさんは天真爛漫、いつも誰にでもウエルカムといってくれる。
単身、日本から仕事でバンクーバーにいっていたビジネスマンは、日本が恋しくなると、パパさんの作ってくれる日本食に舌づつみをうち、ママさんと話しをして、実家にでも帰ったようにホッとする。単身での長い外国暮らしは精神的につらいものだけど、みんなどれほど助かったことか。

そのパパさんをモデルに書いたのが、私の三作目の本「パパさんの庭」である。
パパさんを取材しにいった時のことを、書いてゆこうかと思っている。