経済なんでも研究会

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なかなか減らない 対米貿易黒字

2018-11-21 08:19:51 | 貿易
◇ イージス艦を買うしかない = 財務省は19日、10月分の貿易統計を発表した。それによると、輸出は7兆2400億円で前年比8.2%の増加。輸入は7兆6900億円で19.9%の増加だった。この結果、貿易収支は4500億円の赤字となっている。輸入の急増は主として原粗油の輸入が34%も伸びたためで、国際原油価格の上昇が収支を赤字にした元凶だった。

来年になると、いよいよ日米貿易協議が始まる。そこで問題になるのが、日本側の黒字額だ。10月の統計でみると、アメリカ向けの輸出は1兆4300億円で前年比11.6%の増加。アメリカからの輸入は8600億円で24.3%の増加だった。この結果、貿易収支は日本側の5700億円の黒字となっている。シェール・オイルなどの輸入を増やして4か月連続で黒字額を縮小したが、減り方はきわめて鈍い。

こんな調子では、トランプ大統領を納得させることは難しい。日本側が持ち出す唯一の改善策は、いわゆる防衛装備品の大量購入しかないだろう。イージス・アショアなどの兵器を、年間数兆円の規模で買い付ける。これが安倍首相の“切り札”になるのではないか。その場合、イージス艦もアショアも、貿易統計では輸送用機器に分類されるらしい。

一方、中国に対する輸出は1兆4800億円で9.0%の増加。輸入は1兆8800億円で16.1%の増加だった。この結果、収支は日本側の4100億円の赤字となっている。輸出で伸びたのは化学製品や自動車など。輸入では食料品が大きく増加した。中国経済の成長鈍化や米中貿易戦争の影響は、まだ表われてきていないようだ。

       ≪20日の日経平均 = 下げ -238.04円≫

       ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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