◇ 議会が離脱協定を否決へ = イギリスは来年3月29日、EUから離脱する。離脱後のイギリスとEUの関係を明確にするため、作成されるのが離脱協定だ。この協定作りは大揉めに揉めたが、イギリスは今月14日の閣議で了承。続いてEUも25日の首脳会議で承認した。これで円満な離脱と思いきや、なんとイギリス議会は協定案を否決する構え。もし否決されれば無秩序のままの離脱となり、世界経済は未曽有の大混乱に陥ることになる。
離脱協定の内容は複雑多岐にわたっているが、再重要項目は2点。1つは激変を緩和するため、20年末までを移行期間とする。この間はイギリスとEUの関係を現行のままとし、イギリスはEUに分担金を支払う。もう1つはアイルランド問題が解決するまで、イギリス全土を関税同盟に残すというもの。要するに、完全な離脱をしばらく延期するという内容だ。
この2点に不満なのが、即時の完全離脱を求める政治家たち。これでは国民投票で示された民意が反映されていないというのが、離脱協定に反対する理由となっている。すでに閣僚のうち4人までが、メイ首相に抗議して辞職した。野党ばかりでなく与党のなかにも拒否反応を示す議員が多く、最近の調査では反対する議員数が賛成する議員数を40-60人も上回っているという。
議会での採決は来月11日に行われる予定。ところがマスコミのほとんどは、議会では否決されると予想している。仮に否決された場合、メイ首相は協定案の修正をEU側に求めることもできるが、その交渉が3月末までに成立する可能性はゼロに等しい。また議会を解散して総選挙を実施。あるいは再び国民投票を呼びかける手もあるが、いずれにしても時間がない。3月29日に、イギリスが何の取り決めもなくEUから離脱する公算は、限りなく高まっている。
(続きは明日)
≪28日の日経平均 = 上げ +224.62円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
離脱協定の内容は複雑多岐にわたっているが、再重要項目は2点。1つは激変を緩和するため、20年末までを移行期間とする。この間はイギリスとEUの関係を現行のままとし、イギリスはEUに分担金を支払う。もう1つはアイルランド問題が解決するまで、イギリス全土を関税同盟に残すというもの。要するに、完全な離脱をしばらく延期するという内容だ。
この2点に不満なのが、即時の完全離脱を求める政治家たち。これでは国民投票で示された民意が反映されていないというのが、離脱協定に反対する理由となっている。すでに閣僚のうち4人までが、メイ首相に抗議して辞職した。野党ばかりでなく与党のなかにも拒否反応を示す議員が多く、最近の調査では反対する議員数が賛成する議員数を40-60人も上回っているという。
議会での採決は来月11日に行われる予定。ところがマスコミのほとんどは、議会では否決されると予想している。仮に否決された場合、メイ首相は協定案の修正をEU側に求めることもできるが、その交渉が3月末までに成立する可能性はゼロに等しい。また議会を解散して総選挙を実施。あるいは再び国民投票を呼びかける手もあるが、いずれにしても時間がない。3月29日に、イギリスが何の取り決めもなくEUから離脱する公算は、限りなく高まっている。
(続きは明日)
≪28日の日経平均 = 上げ +224.62円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫