◇ これでインフレを抑えられるのか = FRBは15日のFOMC(公開市場委員会)で、金融緩和政策の縮小を大幅に加速することを決めた。国債などを買い入れる量的緩和を来年3月に終了、そのあと来年中に3回の政策金利引き上げを予定する。さらにFOMCに参加した18人の委員の大半は「23年に3回、24年に2回の追加利上げ」を見込んでいるという。いよいよ金融引き締め時代が到来することになる。
ところが驚いたことに、ニューヨーク市場の株価は大きく上昇。ダウ平均は400ドル近くも値を上げた。つれて16日の日経平均も600円を超す大幅高となっている。金利が上がれば資金が債券市場に移動し、株価は下落するというのが常識。さらに長期にわたって株高の源泉となったFRBの資金放出がストップしてしまうというのに、上昇した株価。いったい、どうしてなのだろう。
市場関係者はまず「FRBの今回の決定は、すべて織り込み済み」だから悪材料にはならない。さらに「大きな関門を抜けたという感じが強く、これが好材料になった」と分析している。つまり市場には十分すぎるほどの資金が滞留しており、少々のショックには驚かないということなのだろう。また緩和が縮小されても「来年3月までは資金の放出が続く」という指摘もあった。
たしかにFRBは緩和縮小について情報を流し続け、市場を教育してきたと言える。だから株価は下落しなかった。しかし、こうした方法で、インフレを抑制する効果が薄れないのだろうか。かつて各国の中央銀行は金融政策の変更を極秘裏に進め、利上げを突然発表することで心理的な効果をあげた。株価の維持を重要視した今回のFRB流が、はたして物価の抑制に効果を挙げられるのか。新しい注目点である。
≪16日の日経平均 = 上げ +606.60円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
ところが驚いたことに、ニューヨーク市場の株価は大きく上昇。ダウ平均は400ドル近くも値を上げた。つれて16日の日経平均も600円を超す大幅高となっている。金利が上がれば資金が債券市場に移動し、株価は下落するというのが常識。さらに長期にわたって株高の源泉となったFRBの資金放出がストップしてしまうというのに、上昇した株価。いったい、どうしてなのだろう。
市場関係者はまず「FRBの今回の決定は、すべて織り込み済み」だから悪材料にはならない。さらに「大きな関門を抜けたという感じが強く、これが好材料になった」と分析している。つまり市場には十分すぎるほどの資金が滞留しており、少々のショックには驚かないということなのだろう。また緩和が縮小されても「来年3月までは資金の放出が続く」という指摘もあった。
たしかにFRBは緩和縮小について情報を流し続け、市場を教育してきたと言える。だから株価は下落しなかった。しかし、こうした方法で、インフレを抑制する効果が薄れないのだろうか。かつて各国の中央銀行は金融政策の変更を極秘裏に進め、利上げを突然発表することで心理的な効果をあげた。株価の維持を重要視した今回のFRB流が、はたして物価の抑制に効果を挙げられるのか。新しい注目点である。
≪16日の日経平均 = 上げ +606.60円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫